【エクステリアや外構をシックに演出】ドライガーデンなイメージ作り
最近おしゃれなカフェや店舗の植栽スペースに、葉先がとがったような植物やグラス類、サボテンのような植物がセンス良く植えられているのを見かけませんか?多肉植物やサボテンなどの乾燥地帯の植物をメインにした演出は、一般的にドライガーデンと呼ばれています。スタイリッシュな印象の中に武骨さが加わり、さりげないオシャレさを出すにはピッタリ!
今回は、そんなドライガーデンを自宅で演出するためのオススメ植物やデザインアイディアをご紹介。スペースがなくても鉢植え一つでドライな雰囲気を作ることもできるので、ぜひご覧ください。
【もくじ】
【① ドライガーデンとは】
【② ドライな雰囲気を演出する植物】
【③ 植物+αのデザインアイディア】
【④ まとめ】
【① ドライガーデンとは】
ドライガーデンとは、乾燥に強い性質を持つ植物を植えた庭のことで、石や岩などを一緒に配置して作られることが多いデザインです。一般的な草花を植えた庭とは違い、特徴的な葉のカタチや大きさ・色などを主役に魅せるのがコツで、組合せ次第で様々な雰囲気を演出することができますよ。
【② ドライな雰囲気を演出する植物】
ドライガーデンで使う植物の中には日本の気候に合わないものもあり、エクステリアや庭では取り入れにくいこともあります。今回は、そんな中でも特に使いやすくドライなイメージを持っている植物をご紹介します。
【②-1 アガベ】
オシャレな外構や店先などで見かけることが多くなった『アガベ』は、メキシコやアメリカに分布している多肉植物。世界中に300種類以上あるといわれていますが、フォルムやカラーも様々なものばかり。観葉植物として多く流通していましたが、寒さに強い品種はエクステリアや庭での地植えにも利用できます。環境が合えばかなり大きく成長し、庭のシンボルとなること間違いありません!
一般的に『アメリカーナ』や『ストリクタ』は耐寒性が強い品種となっていますが、購入の際にはお住まいの地域の気候に合う品種かチェックが必要ですよ。
【②-2 ユッカ】
ドライガーデンの雰囲気作りに欠かせない植物の一つ『ユッカ』。観葉植物としてもおなじみの『ユッカ』ですが、耐寒性に優れている種類も多く『ユッカ・ロストラータ』は特に人気です。灰色がかった葉が放射線状に広がり、太く幹立ちした樹形が特徴的です。寒さや暑さに非常に強く、長期間霜にあたらなければ-15℃でも耐えれる品種です。
ただし、成長は非常にゆっくりで1年間に数㎝しか伸びません。シンボル的に植える場合には多少高価でもある程度の大きさの株を選ぶようにしましょう。
【②-3 フェスツカ】
フェスツカに分類される植物には200~300種類がありますが、変異や個体差が多く分類がはっきりしていません。日本のガーデンショップで手に入れやすいのは『フェスツカ・グラウカ』という品種で、くすんだ青緑色の葉が特徴的で人気があります。硬い印象の葉が多いドライガーデンの中で、ふんわりとした柔らかい葉が風にそよいで動きを出してくれます。
【②-4 パニカム】
パニカムはイネ科の多年草で欧米では古くから愛されているグラスです。根元から葉が直立し、高く穂を茂らせる姿はオーナメンタルプランツとしてとても観賞価値が高い品種。『パニカム・ヘビーメタル』は青緑色の葉が特徴的なパニカムで、ドライガーデンの中でも存在感たっぷりになること間違いなし!また、『パニカム・ウィルガツム』は黒味の強い銅葉タイプで、パニカムの中では葉が太くかぶ自体も広がりがあり見ごたえのある印象となります。
【②-5 ミセバヤ】
香川県小豆島が原産地で、古典植物として古くから親しまれている多肉の多年草植物です。丈夫な性質で暑い夏も寒い冬も問題なく過ごすことができますよ。うまく育てることができればモコモコとボリューミーになりますが、高さは大きくても20㎝~30㎝ほど。ドライガーデンの中では小ぶりの石に沿わせるように配置すると自然な雰囲気となりますよ。
【②-6 ニューサイラン】
緑色の葉の縁にクリーム色の斑が入った『ニューサイラン・バリエガータ』。深い赤色の葉をした『ニューサイラン・プルプレア』など様々な品種があり、葉色を楽しむカラーリーフとしてガーデン・エクステリアでは人気があります。しなやかな葉が束になるような大きな株は、ドライガーデンでもひときわ存在感のある姿となりますよ。
【②-7 オリーブ】
ガーデン・エクステリアでは定番の『オリーブ』は、香川の県木にもなっている樹木ですので皆さんご存じではないでしょうか?若いオリーブは幹もしなやかで葉もさらさらと可愛い雰囲気を持っていますが、樹齢を重ねたオリーブはゴツゴツとしたスモーキーな幹肌となりドライガーデンには最適な樹姿となります。
近年では『100年オリーブ』と呼ばれ市場に流通し始めていますが、希少価値が高く非常に高額なのが難点。100年とまではいかなくても、ゴツゴツの幹肌をしたオリーブを探してみるのも楽しいかも知れません。
【②-8 フェイジョア】
表が緑で裏は白い密綿毛でおおわれた葉と、赤と白のコントラストが特徴的な花を持つ『フェイジョア』。いろいろなデザインのガーデン・エクステリアで重宝されていますが、もちろんドライガーデンにもピッタリ!10月下旬から11月下旬頃にはおいしい果実も付けますよ。花も葉も果実も楽しめる優秀な樹木です。
【③ 植物+αのデザインアイディア】
ドライガーデンのイメージを作る植物をいくつかご紹介しましたが、この植物にプラスすることでより魅力が引き立つデザインアイディアをご紹介します。
【③-1 鉢植えでプランターのデザインを工夫】
写真はブラックのプランターに『アガベ・ベネズエラ』の大株を植えたものです。地植えをするスペースがなくても、おしゃれなプランターを用意するだけでドライな雰囲気を演出できますよ!特徴的な葉が上手に見えるように、大株は低め小株は高さのあるプランターを選ぶのがコツ。プランターのデザインにもこだわりたいですね。
【③-2 無機質なアイテムとの組み合わせ】
ドライガーデンには乾燥した雰囲気がとても合います。コンクリートやモルタルなどの無機質な素材や、アイアンなどの金属も相性抜群。デザインも簡素化して、できるだけ無駄を省いたミニマムデザインを心掛けましょう!
【③-3 石と石肌】
ドライガーデンで重要なアイテムになる『石材』。砂利は乾いたイメージを演出するのに最適で、ゴツゴツした石を配置すればより自然な雰囲気となります。こだわりたいのは石の色と石肌。可愛らしい色の石は人工的になりやすいので自然な風合いの色と石肌のものを選んでくださいね。
【④ まとめ】
いかがでしたでしょうか?
花が彩るイングリッシュガーデンや、しっとりと落ち着いた雑木の庭とは違う魅力のドライガーデン。一つ一つ個性のある植物は、飾り方次第でガーデン・エクステリアのシンボルともなる存在感があります。皆さんもぜひ『ドライテイスト』にチャレンジしてみてくださいね!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。