【8月のガーデニング】盛夏のお手入れと庭仕事

人も植物もぐったりとバテてしまう8月。庭に出るのも嫌になってしまいますね。
でも、夏のガーデニングって、生育旺盛な雑草との戦いや水やり・芝刈りなど意外とやらなければならないことが多いんです。それに8月下旬にもなってくると秋のガーデニングシーズンに向けた準備も始まるんですよ!
今回は、そんな8月のガーデニングと庭仕事についてご紹介します。作業に夢中になり過ぎて熱中症にならないように、暑さ対策を万全にしてお庭に出るようにしてくださいね。
【もくじ】
【① 花苗】
【①-1 1年草】
【①-2 宿根草・多年草】
【①-3 夏植え球根】
【② 野菜】
【③ 8月の庭作業】
【③-1 水やり】
【③-2 雑草対策】
【③-3 花がら摘み】
【③-4 切り戻し】
【③-5 害虫】
【④ 芝生のお手入れ】
【⑤ 庭木のお手入れ】
【⑤-1 台風対策】
【⑤-2 剪定】
【⑥ まとめ】
【① 花苗】

8月の花苗屋さんには、種類は少ないものの季節にあった草花が並んでいます。盛夏の草花にはカラフルでパッと目を引く鮮やかな色のものが多いんです。自宅の花壇を眺めてみてちょっとパンチが欲しいなぁと思ったら、ぜひ花苗屋さんに出かけてみてくださいね!
また、秋のガーデニングに向けて準備を始めるのもこの時期の楽しみのひとつですよね。宿根草やバラの苗などは「予約販売」が始まっていることも。涼しいお部屋の中で、取り寄せたカタログを眺めたり、インターネットで素敵な花苗を探してみるのも良いかもしれません!
【①-1 1年草】
【マリーゴールド】

マリーゴールド/キク科コウオウソウ属
赤・オレンジ・黄色など、目の覚めるような元気な色の花を咲かせる「マリーゴールド」。日光を好み強い日差しが大好きです。マリーゴールドの種類の中にはコンパニオンプランツとして、野菜苗と一緒に植えることで害虫を除ける効果がある品種もあるんですよ。
【ペチュニア】

ペチュニア/ナス科ペチュニア属
夏の花壇を長期間彩ってくれる「ペチュニア」は花のバリエーションがとても豊富。夏らしい元気な色も良いですが、くすんだ色合いのアンティークカラーを取り入れるとお庭がグっとオシャレになりますよ!
【コリウス】

コリウス/シソ科コリウス属
初夏から秋まで長く楽しむことができる「コリウス」。まるで蛍光ペンのカラーのように発色する葉はとても印象的。耐寒性は弱いので日本では一年草扱いです。気軽にチャレンジしてみてくださいね。
【①-2 宿根草・多年草】
【エキナセア】

エキナセア/キク科ムラサキバレンギク属
お庭がパッと明るくなるようなカラフルな花を咲かせる「エキナセア」。丈夫で育てやすい性質なので初心者ガーデナーにおすすめです。花色の品種改良が盛んなので、店頭やインターネットで好みの色を探すのも楽しみのひとつですよ。
【宿根バーベナ】

宿根バーベナ/クマツヅラ科バーベナ属
「バーベナ」には、宿根草タイプと一年草タイプがあるのをご存じでしょうか。宿根草タイプは一年草タイプに比べて暑さや寒さに強く、生育も旺盛で育てやすいんです。中でも匍匐する性質のものを選ぶと、グランドカバーにもなり雑草が生えにくくなるというメリットもありますよ。
【ガウラ】

ガウラ/アカバナ科ガウラ属
白く小さな蝶が飛んでいるように見える花からハクチョウソウとも呼ばれる「ガウラ」。初夏から晩秋まで、株を大きく充実させながら花をたくさんつけてくれます。草丈も高くなるので花壇の背景として植えるのがおすすめです。
【①-3 夏植え球根】
【リコリス】

リコリス/ヒガンバナ科リコリス属
「リコリス」はヒガンバナ科の代表的な植物でお彼岸のころに咲く「ヒガンバナ」と同じ仲間です。少し前までは「ヒガンバナ」という名前からあまり良いイメージが無かったのですが、欧米で人気が高まりその価値が見直されてきています。花色は白・ピンク・オレンジと豊富で、秋の庭を色鮮やかに演出してくれますよ。
【オキザリス】

オキザリス/カタバミ科カタバミ属
オキザリスは夜や雨の日など光が弱いと花を閉じ、日中の日差しを受けると大きく花が開きます。朝は咲いていないのに昼間見ると咲いていたというように、お庭に変化をもたらして見る人の目を楽しませてくれますよ。
【コルチカム】

コルチカム/イヌサフラン科イヌサフラン属
秋になると葉が出ないうちに大きく花を咲かせることから「裸の貴婦人」と呼ばれることもある「コルチカム」。乾燥にはとても強く、球根がむき出しのまま放置されていても開花するくらい。室内の窓辺で、お皿やこだわりの花器と組み合わせて花を楽しむこともできますよ。
【② 野菜】
トマト・ナス・キュウリなど夏野菜の収穫がピークですね。この時期には秋からの菜園計画を立てて準備を始めるようにしましょう。夏に種まきができる野菜には、「ラディッシュ」・「リーフレタス」・「ブロッコリー」・「チンゲンサイ」などがあります。
【③ 8月の庭作業】
【③-1 水やり】
気温35度を超える猛暑日が続くと地面はかなり乾燥します。前後の天候にもよりますが、水やりは朝夕の2回行うようにしましょう。暑い日が続くと、ホースの中にたまった水が熱湯化していることも。しばらく水を出しっぱなしにして、冷水になったことを確認してから水やりをするようにしてくださいね。また、水やりをする時間にもご注意を。朝は遅くとも8時前までに。それよりも遅くなるとぐんぐん気温が高くなってきますので、散水した水がお湯になって植物に悪影響を与えることも。夕方の水やりも日が落ちた頃に行いましょう。
長期旅行へ行く際に心配なのも水やりですよね。鉢植えの場合は、鉢ごと水につける腰水をしたり日陰に避難させるようにしてください。地植えの植物は、ご近所や近くの家族に水やりをお願いするか自動潅水機の設置を検討しましょう。
【③-2 雑草対策】
夏は雑草の成長期。ぐんぐん背丈が伸びる雑草に怯える毎日ですよね。大きく育ってしまった雑草は手で引き抜くにも一苦労。この時期に成長する雑草の多くは、地上部が枯れても地下部が生き残って翌年も発生する多年草が多いです。スコップやシャベルを使って周りの土をほぐして、できるだけ根っこから引き抜くようにしましょう。また最近では、雑草を根っこから引き抜くのにとても便利な専用の草取り道具もありますので、ぜひ活用してみてくださいね。
【③-3 花がら摘み】
できるだけ花を長く楽しむために、めんどうでも花がら摘みは頑張ってくださいね。種をつける前に切り取ってしまいましょう。また切り取った花は地面に落としたままにしないで、取り除くようにしてください。病気の発生を予防することができますよ。この季節に葉の色を楽しみたい「コリウス」は、蕾を取り除くようにしましょう。
【③-4 切り戻し】
暑さで弱ってしまった植物は、切り戻しをして体力を回復させるようにしましょう。切り戻すときは怖がらずに思い切って!秋に再び株を茂らせる様子を思い浮かべながら、高さの半分くらいまで切り戻しましょう。「マリーゴールド」や「ペチュニア」など、ほおっておくと暴れてしまう植物は切り戻しがおすすめです。
【③-5 害虫】
この時期には、暑さと乾燥を好むハダニに要注意!「ダニ」という名前がついていますが、実はクモの仲間。群れを作ったハダニはクモと同じよな巣を植物に張ります。巣を張っている場合にはハダニの数が多くなっている可能性が大きいので、根気よく駆除するようにしましょう。ハダニは水に弱く、流されやすいので勢いよく水をかけるだけでもある程度駆除することができますよ。葉の裏側や色々な角度からシャワーで水やりをするようにしてみてください。
【④ 芝生のお手入れ】

夏は芝生の生育期。月に2~3回程度は芝刈りを行って美しい状態を保つようにしましょう。合わせて、たっぷりの水やりとこまめな雑草取りも行うようにしてください。生育期なので、肥料も忘れずに与えてくださいね。
【⑤ 庭木のお手入れ】
【⑤-1 台風対策】
台風の季節も年々早くなっているように感じますよね。弱った樹木は台風によって倒れてしまうことも。ぐらつきがないか、虫の発生で弱っていないかなど、夏の庭作業時には台風対策も少し意識しながら植木の様子を観察するようにしましょう。
【⑤-2 剪定】
春に花を咲かせた花木は、この時期に来年また花を咲かせるための花芽を作っています。ですので、原則として剪定は行いません。繁ってしまって風通しが悪くなった部分の枝を軽く透かす程度にしておきましょう。
【⑥ まとめ】
いかがでしたでしょうか?
8月は、これから来る秋のガーデニングシーズンへ向けての大切な準備時期。
暑くてぐったりする日が続きますが、早朝や夕方などの比較的暑さの和らぐ時間帯にメンテナンスを中心としたガーデニング作業を無理なく行うようにしてくださいね!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。