植えっぱなしで大丈夫!【庭を彩る秋植え宿根草・多年草】
1年草の種まき、秋植え球根の準備など秋のガーデン計画は順調に進んでいますか?今回はお庭や花壇に欠かすことのできない秋植えの宿根草と多年草をご紹介。花を植える季節と言えば春を思い浮かべてしまいますが、宿根草・多年草は秋植えがおすすめです。庭に植え込んで越冬させることでその場所に慣れさせることができますし、根もしっかり張ってくれます。根がしっかりと張れば、来春に向けて株が充実しボリュームのある花や美しい葉っぱが期待できますよ!
【もくじ】
【① 宿根草・多年草とは】
【② 宿根草・多年草の魅力】
【③ おすすめの秋植え宿根草】
【④ まとめ】
【① 宿根草・多年草とは】
以前のブログ「【宿根草と多年草って何?】違いを知って庭づくりを楽しもう!」でもお伝えしましたが、「宿根草」は「多年草」の中の一部の草花のこと。苦手な季節になると地上部が枯れてしまい、生育に適した時期になると発芽して成長するのが「宿根草」です。宿根草も多年草も一度植えると毎年花を咲かせてくれる、とっても優秀な草花の種類なんです。
【② 宿根草・多年草の魅力】
宿根草や多年草には1年草や樹木とはちがう魅力がたくさんあるんですが、代表的なものをあげてみたいと思います。
〇一度植えると数年間は植え替えの必要がなく、毎年よく成長する
〇管理の手間が省け、費用も少なくて済む
〇様々な種類が流通しており、お庭にあった草丈や葉色・花を楽しむことができる
〇主役級から脇役まで多種多様で、一年草・球根類・樹木との組み合わせが無限
〇日陰などの悪条件でも生育する種類があり、どんなお庭でも楽しむことができる
その他にも宿根草・多年草には魅力がいっぱいあるんです!ぜひお庭で育ててみて、その魅力を実感してみてくださいね。
【③ おすすめ秋植え宿根草】
宿根草・多年草は種類が豊富にあります。その中でも秋植えに適した育てやすいものをご紹介しましょう。それぞれに生育特性が異なりますので、まずは自宅のお庭やエクステリアの環境をしっかりと把握して、それに適した植物を選んで育ててみてくださいね。
【③-1 クリスマスローズ】
以前のブログ「【庭で楽しむ秋植え球根】そろそろ春の準備を始めましょう!」でご紹介した、秋植え球根のスイセンやチューリップとの組み合わせが抜群の「クリスマスローズ」。花の少ない1~3月に開花してくれる人気の多年草です。クリスマスローズという名前からクリスマスの時期に花が咲くと思われている事も多いのですが、実はその時期に花を咲かせるのは原種の1つである「ヘレボルス・ニゲル」のみ。大半のクリスマスローズは、お正月を過ぎてから開花するんです!バリエーション豊かなクリスマスローズ。一重咲や八重咲、柄の入り方などが微妙に異なるのが魅力。自分だけのお気に入りの一株を見つけてみてくださいね。
10月~12月が植え付けの適期。秋に入手した苗は、根を完全にほぐして古い土と傷んだ根を取り除いてから植え付けるようにしてください。冬から春に入手した場合は軽くほぐす程度で大丈夫です。
【③-2 アジュガ】
グランドカバープランツとしても優秀な「アジュガ」。繁殖力が旺盛で、一度植えれば特別なお世話はいりません。また、半日陰でもよく育ちますのでお庭づくりにはとっても重宝しますよ。花期は4~5月ですが、花が咲いていない時期も常緑の葉を楽しむことができます。葉色には緑・ブロンズ・バーガンディなどがありますので、お庭の雰囲気に合わせて選んでみてくださいね。
アジュガは水はけの良い涼しい半日陰が大好き。9月中旬から11月上旬ごろまでに植え付けを行うようにしましょう。アジュガはランナーという子株のついた茎を伸ばして、横にどんどん広がる性質があります。お庭や花壇の中のどの範囲にアジュガを育てたいのかイメージしてランナーの剪定や誘導を行うと美しく育てることができますよ。ランナーの子株を切り離して別の場所に植え付けることも簡単にできます。
【③-3 オダマキ】
「オダマキ」は、日本原産の「ミヤマオダマキ」とヨーロッパなどが原産の「西洋オダマキ」に大別されていて、一般的に「西洋オダマキ」の方が草丈が高く花色がカラフルという特徴があります。個性的な形の花をうつむきながら咲かせる様子が儚く、和の庭にも洋の庭にも合わせやすい植物なんです。年数が経つほど大株になり、たくさんの花を咲かせてくれますが、比較的短命な多年草なので3~4年ほどで株の更新が必要になります。こぼれ種でもよく増えますので、いつの間にか株が更新されていた!なんてことも。
9月下旬~10月下旬が植え付け時期。耐寒性の高い植物ですが、根が凍ってしますと枯れてしまいます。凍結の心配がある地方の場合は敷き藁などの凍結対策をおすすめします。
【③-4 シャクヤク】
「立てばシャクヤク、座ればボタン」なんて最近ではあまり聞かなくなりましたが、美しい人を表す花の代名詞である「シャクヤク」。なんだか高値の花のような感じで、自分のお庭で育てるものではないと思っている方も多いかもしれませんね。でも、存在感たっぷりで美しい「シャクヤク」はお庭の主役にピッタリ!開花した花が美しいのはもちろんですが、丸いピンポン玉のような蕾や明るい緑のすっきりとした葉姿も楽しめます。
シャクヤクには「和シャクヤク」・「洋シャクヤク」・両方の交配など品種がたくさん!香りの良い品種もありますので、お気に入りを探すのが楽しみの一つでもありますよね。植え付け時期は9~10月ごろで、土質は特に選びません。春に花が咲いたらもったいぶらずどんどん切って切り花として楽しみましょう。そうすることで、新しい蕾が上がってきやすくなりますよ。
【③-5 ペンステモン】
釣り鐘型の花が連なる様子が特徴的な「ペンステモン」。本来は多年草ですが、夏の高温多湿や長雨による蒸れを嫌うものが多いため1年草扱いとされることも多いです。その中でも「ペンステモン・ハスカーレッド」は暑さや蒸れに比較的強く、暖かい地方では常緑で越冬させることが可能です。この「ペンステモン・ハスカーレッド」は、薄いピンク色の花と葉・茎のシックな銅色のコントラストが美しく、落ち着いた大人の花壇の演出には欠かせない存在です。
9月中旬~10月中旬ごろが植え付け時期です。ポット苗の根鉢をくずし、根を広げて浅く植えるのがポイントです。乾燥に強く多湿には弱いので、土が乾いてから水をやるようにしてくださいね。
【③-6 エリゲロン】
直径2センチほどで、白からピンクの小花をたくさん咲かせてくれる「エリゲロン」。このエリゲロンは性質が強く乾燥気味でもよく育つので、レンガ敷の隙間や石積みの隙間などの狭い空間でもびっくりするほど大きく育ちます。花は春から秋までの長い期間ずっと楽しむことができますよ。伸びすぎて草姿が乱れてしまった場合には思い切って切り戻しをしてくださいね。
生育場所はあまり選びませんが、その小さな花を存分に楽しむために花壇の一番手間に植えるのがおすすめ。アプローチやお庭の園路の縁取りにしてもかわいらしいですよ。庭に直植えする場合には水やりや肥料はほとんど必要ありません。
【④ まとめ】
いかがでしたでしょうか?
宿根草と多年草を上手に育てることができると、一人前のガーデナーに一歩近づけた気持ちになりますよね!?お気に入りの宿根草・多年草を見つけて、植えっぱなしを楽しむ庭づくりをぜひ始めてみてくださいね!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。