【アルテデザインガーデンの植物図鑑】ディアネラ

エクスエリア・ガーデンやランドスケープデザインに欠かせないものと言えば、植物ですよね。世界中には20万から30万種(学者により種の分類方法が変わりますのでおおよその数とお考え下さいね)の植物があると言われています。そこから日本の気候に合うものや地域の環境に合うもの、植えたい場所の特性にマッチした植物を選び出すとずいぶん数が減る訳ですが、それでもまだまだたくさんの種類があり、自分のお庭に合うものを探すのはなかなか大変ですよね。
そんな困りごとの手助けになればと、このブログでは外構やお庭に植えるのにおすすめの植物を【アルテデザインガーデンの植物図鑑】として掲載していきます。
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【おしゃれで個性的!】オーナメンタルグラスでお庭のランクアップの中でもご紹介したことがある「ディアネラ」が今回の主役。
いつもの仕入れ先でたまたま見つけたのが、初めての出会いでした。見過ごしてしまいそうな片隅に数鉢だけ置いてあったのがどうしても気になって…連れて帰ってきてしまいました。ぱっと見はニラを少し太くしたような、ただの葉っぱ。でも育ててみると、その絶妙な色合いの葉やアーティスティックに咲く花、さらにはかわいらしい実までと、魅力がたくさんあることが分かってきたんです!今回は、この「ディアネラ」について特徴や魅力を詳しくご紹介していきます!ぜひ参考にしてみてくださいね!
【もくじ】
【① ディアネラの基本情報】
【② ディアネラの特徴】
【③ ディアネラにはこんな楽しみ方があります】
【④ ディアネラの育て方】
【⑤ まとめ】
【① ディアネラの基本情報】

〇科属名 ススキノキ科ディアネラ属
〇園芸分類 常緑多年草
〇花期 4~7月
〇耐寒性 マイナス5度程度
〇耐暑性 強い
【② ディアネラの特徴】

「ディアネラ」の別名は「キキョウラン」と言います。キキョウの仲間!?ランと似ているの!?と思われがちですが、実は全く別物。どうやら、キキョウの花の色と似ているのでこの名前が付いたそう。オーストラリアやアジアなどに広く分布し、日本では紀伊半島や四国、九州と小笠原諸島、琉球列島などに自生しています。分布地域からも分かるように、どちらかと言えば寒さは苦手。ですが、耐寒温度がマイナス5度程度ですので寒さが来るまでにしっかりと根を張らせてあげることができれば、少々の寒さでは応えません!
ディアネラは日向から半日陰まで様々な場所で育ってくれる上に、手間がかからない常緑性の植物。根元からシュッシュッと剣状に出る葉姿は、ニューサイランやミスカンサス、葉ランなどと似ているのであまり珍しい感じはしないかもしれません。ただし葉色は何とも言えず個性的。青みがかったくすみグリーンや、白や黄色の縞が入る斑入りの品種があり、カラーリーフプランツとしてもとっても優秀です。特に半日陰には斑入り品種が良く映えますよ。
葉っぱだけでも十分楽しめるディアネラですが、春になると…ん?黒っぽいワイヤーのようなものが不規則に曲がりながらグングンと伸びてきます。ワイヤーの先には無数のつぼみが!ディアネラはアクロバティックで芸術的な花茎を伸ばし、青紫色で後ろに反り返ったような小花を無数に咲かせてくれるんです。花後にできる紫色の実は、まるで作り物のようにピカピカ。一見の価値ありです!
葉も花も実も個性たっぷりのディアネラですが、不思議なことに他の植物との相性は意外と良いんです。バラや宿根草などのふんわりした優しい雰囲気に合わせると、ピリッとしたスパイスになりますし、アガベやユッカなどの個性派植物には負けないくらいの存在感があります。スティパなどイネ科のグラス類にそよそよと馴染ませることもできますので、色々と組み合わせを考えるのが楽しくなってしまう、そんな植物なんです。
【③ ディアネラにはこんな楽しみ方があります】

まずは、お庭に地植えで楽しんでみましょう。空いているスペースに1株ずつ植えてあげても周囲とすぐに溶け込みますし、数株を群生させて育てると見ごたえがあってインパクト大!お庭のフォーカルポイントになってくれますよ。
また、アルテデザインガーデンではディアネラを植木鉢で育てています。青みがかったくすみカラーの葉に合わせてグレーベージュのプランターをチョイスすることで、一気におしゃれ度がアップしますよね。いくつかの鉢植えをコーディネートして、玄関ポーチやタイルテラスに置いてみましょう。より身近に植物を楽しむことができますよ。
ディアネラはフラワーアレンジメントの世界では結構知られた存在。切り葉を様々なアレンジに使うことができます。花のブーケに添えるのはもちろんのこと、ディアネラの葉だけをまとめて束にしてテーブルコーディネートの主役にすることもできます。色々と自分なりのアレンジを工夫してみてくださいね!
【④ ディアネラの育て方】
【④-1 植え付け・植え替え】
そこまでデリケートな植物ではないので、植え付け場所に神経質になることはありません。できるだけ水はけの良い土で日当たりの良い場所に植え付けてあげると、よく花を咲かせてくれます。植木の足元などの半日陰でも十分育ちますが、多少花付きは悪くなるようです。真夏の直射日光は、葉焼けを起こすこともありますので十分注意するようにしましょう。
【④-2 水やり】
地植えの場合は、根が付けば水やりはほとんど必要ありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてからたっぷりと水やりをするようにしましょう。多湿は苦手な植物ですので、水のやりすぎには注意しましょう。
【④-3 剪定】
古くなって茶色くなった葉や、元気の無い葉があれば根元からカットするようにしましょう。株が充実し大きくなってきたら株分けをすることも可能です。成長期の5月までには株分けを済ませてくださいね。株分けをした際には、葉の長さの半分から3分の1程度に切り詰めておくようにしましょう。それ以外は特に剪定の必要はありません。
【④-4 肥料】
特別に肥料を必要とはしませんが、株を大きく育てたい場合には生育期の4~5月に緩効性の肥料を与えるようにしてください。肥料が多すぎると、草丈が伸びすぎて倒れやすくなり見栄えが悪くなりますので肥料の与えすぎには気を付けましょう。
【④-5 病気・害虫】
特に目立つ病害虫はありません。
【④-6 夏越し・冬越し】
元々は暖地の海岸付近に生える植物ですので、どちらかといえば冬は苦手。関東以西の暖地で強い霜が当たらない場所であれば、戸外で常緑のまま越冬してくれます。寒さに当たり地上部が枯れてしまった場合でも、春になれば再び芽吹いてくれますのでご安心を。夏場は、直射日光と湿気に注意が必要です。
【⑤ まとめ】

いかがでしたでしょうか。
これまであまりメジャーではなく、どちらかと言えば脇役扱いの「ディアネラ」だったのですが、アルテデザインガーデンでは大注目の植物!
最近流行りのドライガーデンにも、しっとりと落ち着いたナチュラルガーデンにも使えるマルチな常緑多年草、きっと皆さんのお庭でも活躍してくれるはずですよ!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画などデザイン性の高い物件を得意とする。