【アルテデザインガーデンの植物図鑑】アガベ・オバティフォリア
エクスエリア・ガーデンやランドスケープデザインに欠かせないものと言えば、植物ですよね。世界中には20万から30万種(学者により種の分類方法が変わりますのでおおよその数とお考え下さいね)の植物があると言われています。そこから日本の気候に合うものや地域の環境に合うもの、植えたい場所の特性にマッチした植物を選び出すとずいぶん数が減る訳ですが、それでもまだまだたくさんの種類があり、自分のお庭に合うものを探すのはなかなか大変ですよね。
そんな困りごとの手助けになればと、このブログでは外構やお庭に植えるのにおすすめの植物を【アルテデザインガーデンの植物図鑑】として掲載していきます。
さて、今回はADGが今年手に入れた植物の中からお気に入りを紹介したいと思います。それは『アガベ・オバティフォリア』というアガベの仲間。
まずは自分の手でお世話をしてみようと、現在店の前で何鉢か育てていますので見掛けられた方もいるかもしれませんね!?ずんぐりむっくりした葉がなんとなく愛嬌があって可愛いんですよ!少し違った雰囲気のアガベを育ててみたいなぁと思っている方がおられましたら、ぜひ最後までご覧くださいね!
【もくじ】
【① アガベ・オバティフォリアの基本情報】
【② アガベ・オバティフォリアの特徴】
【③ 庭植えに取り入れやすいアガベたち】
【④ アガベ・オバティフォリアの育て方】
【⑤ まとめ】
【① アガベ・オバティフォリアの基本情報】
〇科属名 キジカクシ科アガベ属
〇園芸分類 多肉植物
〇花期 7月~8月(ただし数十年に一度)
〇耐寒性 強い
〇耐暑性 強い
【② アガベ・オバティフォリアの特徴】
『アガベ・オバティフォリア』はメキシコ北東部が原産地。2002年に新種として認められたアガベですので長い植物の歴史からみるとニューカマーの植物と言えます。
特徴は何といってもその葉。白くくすんだブルーグレーのオシャレな葉色に鋭いトゲをまとっています。1枚1枚の葉に太さとハリがあり別名で【Whale’s tongue(クジラの舌)】と呼ばれているそう!ずんぐりむっくりとした愛嬌を感じさせるフォルムがその別名になった由来かもしれませんね。
生育スピードが遅いと言われているアガベの中では成長が早い方です。
大きくなると葉のトゲトゲが邪魔をして植え替えをすることはほぼ不可能となりますので、最初に植え付け場所をしっかりと考えるようにしましょう。あまり大きくしたくない場合は、下葉をこまめに切るようにすれば多少は抑えることができますよ。
『アガベ・オバティフォリア』は鉢植えでも十分に楽しむことができる植物です。くすみ系のブルーグレーの葉色には、グレーやベージュ、ブラックなど様々なカラーの植木鉢が似合いますよ!
地植えのスペースが取れない場合には鉢植えで日当たりの良い場所に置くことも考えてみてくださいね!
【③ 庭植えに取り入れやすいアガベとユッカ】
個性的な見た目のアガベたち。鉢植えで育てるのも楽しみ方のひとつではありますが、やはり庭に直植えでダイナミックに育ててみたいですよね。とはいえ、庭植えとなれば寒いからといって室内に移動させることができません。
そこでこの章では、比較的外部で育てやすいアガベの品種をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
【③-1 アガベ・オバティフォリア】
まずは、今回もご紹介している『アガベ・オバティフォリア』です。このアガベの耐寒温度はマイナス15℃。寒い冬でも越冬が可能です。ただし、生育と共に耐寒性が増すとも言われていますので庭への植え付け直後や若い株の越冬は注意が必要ですね。
【③-2 アガベ・アメリカーナ】
以前のブログでもご紹介した『アオノリュウゼツラン』が『アガベ・アメリカーナ』です。こちらも耐寒性が強い上に、日本では昔から古い家の庭先や道路際に植わっているようななじみ深い植物なんですよね。
「おばあちゃんちに植わっていた!」「学校の隅っこにあった!」なんて方も多いのではないでしょうか。
【③-3 アガベ・アングスティフォリア】
舌をかみそうな名前の『アガベ・アングスティフォリア』。日本では『ハクセンコウ』という名前で出回っていることも多いです。こちらは耐寒温度がマイナス6℃前後。関東以南では地植えが可能。
一般的なアガベの肉厚な葉とは違ってスマートな印象のアガベなんです!成長すると幹立ちしてきますので、また違った印象で楽しむことができますよ!
【③-4 ユッカ・ロストラータ】
種類の多い『ユッカ』の中でも特に人気の『ユッカ・ロストラータ』。
成長が遅く1mの高さになるのに10年以上もかかります。ですので樹高のある個体は希少性もあり、とても高額で流通しています。耐寒性も-5℃まで耐えられますので比較的日本の気候でも育てやすいのが特徴。
ハクセンコウやユッカ・ロストラータは発根していない状態で流通していることありますので、購入の際は注意が必要。植え替え時にチェックしてくださいね。
【④ アガベ・オバティフォリアの育て方】
【④-1 植え付け・植え替え】
日当たりや水はけ、風通しの良い乾燥した砂質の土壌を好みます。直射日光が大好きですので、できれば1日に3~4時間以上日の当たる場所に植えましょう。鉢植えの場合でもできるだけ日光の当たる場所に置くようにしてください。
【④-2 水やり】
アガベの中でも乾燥気味の管理を好みます。地植えの場合は夏場でも水やりはしない、もしくは控えめで問題ありません。
地植えの場合、目安は月に2回程度ですが、張りのある葉が柔らかくなったり縮んだように見える場合は水分不足の可能性がありますので、様子を見ながら適切な水やりを行ってください。
1回の水やりはたっぷりと、水やりと水やりの間は過湿にならないように土を完全に乾燥させましょう。冬場10℃を下回ると休眠期に入ります。水やりは停止するか月に1回程度と控えめにしましょう。
【④-3 剪定】
下の方から順番に葉が黄色く枯れてきます。枯れた葉は株元から切り取るようにしましょう。
【④-4 肥料】
春から秋の生育期に緩効性の肥料を2ヶ月に1回程度与えるようにしましょう。
【④-5 病気・害虫】
病気については、暖かい時期に黒星病、寒くなるとさび病が発生することがあります。発見した場合は病気の部分をナイフで切除しましょう。他の葉に伝染しますので早期の対応が必要です。
風通しが悪いと、アブラムシ・カイガラムシ・ハダニが発生しやすくなります。見つけ次第早期に駆除するようにしましょう。
【④-6 夏越し・冬越し】
夏の暑さには強く特に夏越しの準備は必要ありませんが、蒸れを嫌いますので風通しが確保できているか気をつけるようにしましょう。
生育とともに耐寒性が増していきます。植え付け直後やまだ若い株のうちの冬越しは気にかけてやる必要があります。
【⑤ まとめ】
いかがでしたでしょうか?
少し前までは庭にアガベが植わっているだけでオシャレな印象でしたが、これからは、そのアガベの品種にもこだわりたいというフェーズに入ってきましたよね。とはいえ、南米原産の植物ですから日本の気候に合うものを選びたいものです。
ADGブログでは、日々の生活の中でもなるべく無理なく育てられる植物を今後もご紹介していきますのでお楽しみに!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。
一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画などデザイン性の高い物件を得意とする。