【アルテデザインガーデンの植物図鑑】フェイジョア
エクスエリア・ガーデンやランドスケープデザインに欠かせないものと言えば、植物ですよね。世界中には20万から30万種(学者により種の分類方法が変わりますのでおおよその数とお考え下さいね)の植物があると言われています。そこから日本の気候に合うものや地域の環境に合うもの、植えたい場所の特性にマッチした植物を選び出すとずいぶん数が減る訳ですが、それでもまだまだたくさんの種類があり、自分のお庭に合うものを探すのはなかなか大変ですよね。
そんな困りごとの手助けになればと、このブログでは外構やお庭に植えるのにおすすめの植物を【アルテデザインガーデンの植物図鑑】として掲載していきます。
実りの秋、到来ですね!
スーパーの果物売り場には様々な果実が所狭しと売られています。だけど「街のスーパーにはあまり並ばない…でも、結構おいしい。」皆さんはそんな果物があるのをご存じでしょうか?それが今回ご紹介する「フェイジョア」の果実なんです。
「フェイジョア」はアルテデザインガーデンのお庭づくりでは欠かせない植物。これまで施工した多くのお客様のお宅へ植えさせていただきました。常緑で花も咲かせてくれるし、果実は美味しいって最高じゃないですか?今までのブログの中ではちょこちょこと取り上げていましたが、今回は特徴から育て方、そして食べ方までしっかりとご紹介します。ぜひ最後までご覧くださいね!
【もくじ】
【① フェイジョアの基本情報】
【② フェイジョアの特徴】
【③ フェイジョアを食べてみよう】
【④ フェイジョアの育て方】
【⑤ まとめ】
【① フェイジョアの基本情報】
〇科属名 フトモモ科アッカ属
〇園芸分類 常緑中高木
〇花期 5月~6月
〇収穫 10月~11月
〇耐寒性 普通(木自体は強いが果実の成熟が遅れる場合がある)
〇耐暑性 強い
【② ファイジョアの特徴】
南米が原産の『フェイジョア』は、丸みを帯びた葉っぱが特徴的。
表面がきれいなグリーンで裏側には白い産毛が生えていて、遠くから眺めると白銀色にキラキラと輝くように見えてとってもキレイなんですよね。常緑樹で、花も咲いて果実が生食できるとなれば人気が出る理由も分かりますよね。
『フェイジョア』は萌芽力がとても強く、根元からてっぺんまでまんべんなく葉を付けてくれるのでシンボルツリーとしてだけでなく、列植して生垣にすることも可能です。筆者もこの仕事を始めたころに、街で白銀に輝くきれいな生垣のお宅を見つけて思わず写真を撮ったことを思い出します。
また、夏前に咲かせてくれる見事な花にも注目。赤くて小派手な花が咲くと一気に異国情緒が漂います。アガベやオージープランツなどと組み合わせて植えるのがオシャレに見せるコツです。
「フェイジョアを育てて果実をぜひ食べてみたい!」と思う方は、購入する苗木の品種をしっかり確認するようにしましょう。
フェイジョアには自家結実性がある品種と無い品種があり、無い品種では品種違いのフェイジョアを2本以上植える必要があります。アルテデザインガーデンでは基本的に、自家結実性のある品種をおススメしています。よく植える自家結実性の品種が「フェイジョア・クーリッジ」。果実の大きさや形は一定しませんが、マイルドな味わいで人気。こちらは晩生品種ですので収穫時期が少し遅めの11月下旬~12月上旬となります。
【③ フェイジョアを食べてみよう】
お家に植えたフェイジョアに「花が咲いた!」「実がなった!」となれば、ぜひ食べてみましょう!
【③-1 フェイジョアの花】
エディブルフラワー(食用花)としても楽しむ事ができるフェイジョアの花。といっても、花全体ではなく花びらのみです。真ん中の赤い花芯の部分は苦くて食べられませんので要注意!
花びらはぷっくりと厚みがあり、口にするとほんのり甘みが広がります。アイスやヨーグルト、サラダのトッピングにおススメです。花びらの薄いピンク色が見た目にも華やかになりますよ。
【③-2 フェイジョアの実】
さて、本命のフェイジョアの実。収穫時期は10~11月ですが食べごろが分かりにくいのが難点。一番分かりやすいのは自然に落果した時。フェイジョアは実が熟すと落果するんです。ただし落ちてすぐはまだ硬さが残っておいしくないので、室温で追熟させましょう。
皮が柔らかく少しシワがよってきて、手に持ったときに柔らかさを感じるようになれば食べごろ。その頃には部屋中にフェイジョアの甘い南国風の香りが漂っているはずです。
フェイジョアは生食できる果実です。キウイの様に半分に切ってスプーンで果肉をすくって食べましょう。甘くてまったりとした味わいです。皮をむいてカットしたものをサラダに入れても楽しめますよ。
たくさん収穫できたらジャムにするのがおススメ。ジャムづくりをされたことがある人ならお分かりいただけると思うですが、思い立って作ろうと思っても「ペクチン」が家に無い事が多いんですよね…。ジャムをいい感じにゼリー化させるのに重要な「ペクチン」、フェイジョアにはもともと豊富に含まれていますので追加で入れる必要がありません。なので、果実と砂糖さえあれば思い立った時に作れます!
【④ フェイジョアの育て方】
【④-1 植え付け・植え替え】
フェイジョアは日光を好みます。できるだけ日当たりがよくて風通しの良い場所を選ぶようにしましょう。「②フェイジョアの特徴」でも触れましたが、自家結実性の無い品種を植える場合は、開花期が同じで別の品種を2品種以上植えるようにしてください。
【④-2 水やり】
地植えの植え付け後は、しっかりと根付くまでは水切れさせないように、土の表面が乾いてからしっかりと水やりをするようにしてください。一旦根付いた後は、基本的に水やりは不要です。
ただしフェイジョアは乾燥を嫌う植物ですので、雨の降らない日が数日続たりして、葉や枝が萎れるなどのサインが出た場合は、ただちにしっかりと水やりを行なうようにしてください。
【④-3 剪定】
剪定の適期は3~4月頃です。萌芽力が強い植物ですので、神経質にならずに気になる部分をカットしてOK。基本的には、全体の樹形を見ながら長く伸びすぎている枝(徒長枝)や、混み合っている枝や葉を根元からカットしましょう。
フェイジョアは株元から芽が出やすく、一般的にはそれらをカットし栄養分が十分に行き渡るように、1本の幹立にするのがベストとされています。ADGでは収穫を第一の目的としていないプランでは、樹形の美しさを優先した株立ちを植える場合もあります。
【④4 肥料】
新芽が吹き出す3月と果実収穫後の10~11月に有機質肥料を与えるようにしましょう。ただし、もともと生育旺盛な植物ですので、順調に成長しているようであれば必ずしも必要な訳ではありません。
【④-5 病気・害虫】
フェイジョアに病害虫がついたという話しはほぼ聞きません。他の一般的な植物と同様に蒸れや風通しに気を付ける程度で大丈夫です。
【④-6 夏越し・冬越し】
日本の気候に合った植物ですのであまり神経質になる必要はありません。
【⑤ まとめ】
いかがでしたでしょうか。
実ができることは薄っすらと知っていても花まで食べられるというのはご存じない方も多かったのではないでしょうか?
日本の気候に馴染みつつ異国の雰囲気を醸し出してくれる『フェイジョア』。季節ごとに楽しみが多く、家族の大切な1本におススメできる樹木です。
お庭やエクステリアのポイントになる常緑樹をお探しの方、ぜひ育ててみてくださいね!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。
一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画などデザイン性の高い物件を得意とする。