【理想のエクステリアを実現。重要性と構想前のチェック項目】
そろそろ新築で家を建てようかなとお考えの方やすでに建物の計画が進み始めている方。またはもうお住いで、ライフスタイルの変化から
エクステリアのリノベーションをお考えの方。
エクステリアはとても高価なお買い物。
車やキッチンとは違い、実物の商品を見て購入するのではなく図面でデザインを確認して購入するいわば『カタチのない商品』です。
しかも同じデザインが2つとないオーダーメイド。真っ白な状態からひとつひとつの要望をプラスして図面の中でイメージを作り上げます。そんな『カタチのない』エクステリアだからこそ、本来とても長い期間をかけて考えなければなりません。
これからのあなたの新しい暮らしに寄り添う理想のエクステリアを実現するために、まずは構想段階の留意点を考えてみましょう。
【目次】
① エクステリアの重要性
② エクステリアの構想時期
③ エクステリアの予算の把握
④ まとめ
【① エクステリアの重要性】
住まいを包むエクステリア。
建物を含めた敷地全体があなたの住まいとなります。新しい土地の街並みにも配慮しつつ、建物と調和のとれたデザインを作り上げるためには空間全体をデザインする感覚が必要。部屋の中とは違い、道行く人の目が触れるエクステリアは建物と同じくらいのこだわりが重要なのです。
よくご依頼をいただいているお客様から「エクステリアの打合せを始めてから、車で走っているとついつい外構に目が行ってしまうんです(笑)」とお聞きします。
エクステリアへの関心が高まっている、とてもうれしいお話です。
エクステリアは完成度によって建物を何倍にも引き立てる相乗効果を秘めています。
例えばナチュラルテイストをコンセプトとした建物なら、使用する材料はできるだけ自然素材。玄関周りは樹形の整っていない自然樹形の植物で彩って、アプローチも表情のある少し古ぼけた石材やレンガでコーディネート。あえて無機質なコンクリートを主役にして、植物の緑を引き立てるドライなテイストも一体感のある雰囲気が演出できます。
シンプルさやモダンさがコンセプトならエクステリアもできるだけミニマムに。華美な装飾を避けて邪魔なノイズを削るデザインで統一すれば、より一層建物のデティールを引き立てます。
エクステリアと建物の相乗効果は計り知れません。
また、ガレージと建物のわずかなすき間や道路までのフロントスペース。街の人の目のいくスペースに木々や草花を植えてみては?
ほんの少しの緑を街並みに提供することで、そこに住まう人の人柄を演出することもできるのです。
住まいの『閑静さ』や住む人の『感性』はエクステリアの演出力。『邸宅感』や『一体感』はエクステリアとの相乗効果。
忙しい中、打ち合わせを繰り返してようやくできたマイホーム。
相乗効果と演出力を実現して、心地よさに包まれた生活をしてみませんか?
【② エクステリアの構想時期】
新築となったらメインはやはり建物。
念願のマイホームですから当然なのですが、建物の構想と並行したエクステリア計画をお勧めします。
敷地の中の建物以外の余白がすべてガーデン・エクステリアの計画範囲。建物の配置によっては洗濯物を干すスペースが狭くなってしまったり、孫を見に来る祖父母の車が路上にはみ出てしまったり。
事前の計画なら完成後の失敗を防げますね。
また、建物の給排水計画やエアコンの室外機など、エクステリアの計画範囲にあるものも事前の調整が可能です。「アプローチの真ん中に排水桝が…」「中庭の木が室外機の風で傷んでしまった…」なんてこともなくなります。
建物計画が優先なのではなく、住まいの全体の計画です。
エクステリアを考慮して建物の配置をずらしたり、外壁の色を変更したりは当たり前。完成してから手遅れになるようなことも、並行したエクステリア計画なら安心ですよね。
【③ エクステリア予算の把握】
家づくりに必要な費用のうち最も大きいのは建物本体。もし新しい土地を購入しての新築なら土地価格も高い割合を占めますね。
これらの費用は一般的に総予算の7割~8割くらいかかるといわれています。また、土地と建物ができただけでは生活はできません。電気工事や水道工事、地盤が軟弱なら基礎補強工事などさまざまな予算が掛かります。
これらの工事以外にもエクステリアや家電・家具やインテリアなど、総予算の残りの2割~3割の中にこれらすべて該当します。なお、建て替えの場合の建物の解体費・宅地の地盤を上げる場合は造成工事費などもかかります。
上記を除いた一般的な付帯工事と呼ばれる建物以外の工事費で、一番費用がかかるのがエクステリア工事。建物以外の広いスペースを工事するのだからどうしてもそれなりの費用はかかります。
建物や土地についで大きな割合を占めるエクステリア工事の費用はどの時期に把握するべきでしょうか?
これもよく後日談としてお客様から聞くお話ですが、「外構費用を概算で組んでしまい予算不足に…」「予算として確保はしていたが建物の追加工事に…」など、理想から遠ざかってしまう結果になってしまいます。
また、エクステリアはご要望の内容一つで何十万・何百万と費用が大きく変わります。
基本的なベースとして、
1. アプローチや駐車スペースなど平面的な計画
2. 門柱や境界の塀など立体的な計画
これらは生活に欠かせない必需品となります。
それ以外にも、
3. オープン外構・クローズ外構の選択
4. 駐車場のカーポート屋根や自転車置き場の屋根
5. 洗濯物を干すテラス屋根
これらのご要望はエクステリア費用に大きく影響してきます。
特に3のオープン・クローズの選択では、もしクローズプランを採用となったら玄関の門扉やガレージの扉・それらを囲うための塀が必要となり、これまた費用が重なります。
また、
6. ガレージ扉の電動化
7. エクステリア工事とガーデン工事を同時施工
8. 高価な素材や仕上げ材料へのこだわり
など、計画が進むほど新しい構想が湧いてきます。
こんなに選択肢がたくさんある中、これらのエクステリアに対する要望すべてを予算として把握するためには、やはり建物を考え始める
段階から計画しないとなりませんよね。
【④ まとめ】
『マイホームは一生に一度の買い物』といいますが、『家は3回建ててようやく理想の家が建つ』ともいわれています。初めてのことでわからないことも多いかと思いますが、そんな時のための専門家です。
建物もエクステリアも、専門家へどんどん質問して理想の『住まい』を実現しましょう!
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【ブログ作者】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。施工例はエクステリアメーカーのカタログ等に多数掲載されている。