エクステリアデザインとは?おしゃれな外構のコツとポイント
家づくりを考えはじめたらエクステリアも一緒に考えましょう!
敷地全体の空間をデザインすることで、はじめて『住まい』が完成します。住まいづくりに欠かせないエクステリアとはいったいなんなのでしょう?
この記事はそんなエクステリアデザインに関するコツトポイントをご紹介。
建物の計画と密接にかかわる注意点や外構予算の把握のコツなど、5000件以上のエクステリアデザインの設計実績をもとにした内容となっています。今、家づくりを考えている方には最適な記事となっていますのでぜひご覧くださいね!
【目次】
【① エクステリアデザインとは?】
【② エクステリアデザインの内容とスタイル】
【③ エクステリアデザインの重要性】
【④ エクステリアデザインを考える時期】
【⑤ デザインのコツとポイント】
【⑥ 予算の把握の重要性】
【⑦ 業者選び】
【⑧ エクステリアデザインとコストバランス】
【⑨ アフターメンテナンス】
【⑩ まとめ】
【① エクステリアデザインとは?】
【①-1 エクステリアとは】
最近は『エクステリア』という言葉はだいぶ認知されてきていますが、住宅の敷地まわりの構造物を総称して使われます。
よく外構とも呼ばれますが意味合いはほぼ一緒。エクステリアは、門扉や塀・ガレージや植栽など、建物以外の敷地の構造物と外部空間すべてを指して呼びます。比較的最近の言葉ですが、住宅の欧米化に伴い建築やそれを取り巻く街並みとの兼ね合いで住環境を捉える必要性から生まれたそう。
新しく言葉ができるなんて、エクステリアは住宅や街並みにとって欠かせない存在なんですね。
【①-2 エクステリアデザインとは】
建物以外の外部空間であるエクステリアは、近年住宅の付加価値的存在として注目されています。建物の外観デザインが発展するにつれ、それを取り巻くエクステリアのデザイン性も求められるようになってきました。敷地の外部空間をデザインすることで、建物との調和や統一感を演出することをエクステリアデザインと呼びます。
【② エクステリアデザインの内容とスタイル】
【②-1 エクステリアの内容】
敷地の外部空間であるエクステリアは、ガレージや門・塀・アプローチ・フェンスはもちろん庭や植物まで含まれます。建物以外の敷地全体はすべてエクステリアなんですね。
これらを用途に合わせてゾーニングしたあと、選定した使用素材を組み合わせることでエクステリアは完成します。
【②-2 エクステリアのスタイル】
エクステリアには立地条件やライフスタイルによって3つのデザインに分かれます。
【②-2-1 オープンスタイル】
敷地の周りを塀やフェンスで適度に囲み、門やガレージの扉を設置しないデザインのエクステリア。外部空間を広く使えるので、開放感のある雰囲気にしたい方やコストを抑えたい方にはおススメです。
【関連記事】
・【エクステリアを考える前に】オープン外構のメリット・デメリットについて!
【②-2-2 クローズスタイル】
敷地の周りを塀やフェンスで囲み、門やガレージの扉を設けて外部と敷地内を遮断するデザインのエクステリア。門の位置や塀の高さを工夫することでプライバシーの確保がしやすく、小さなお子さんの急な飛び出しを抑制することができます。
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・【エクステリアを考える前に】クローズ外構のメリットとデメリット!
【②-2-3 セミクローズスタイル】
オープンスタイルとクローズスタイルのメリットだけを合わせたタイプ。立地条件や要望などに合わせて良いところだけを採用して、環境に合ったデザインにすることも可能です。
【③ エクステリアデザインの重要性】
建物を包み込む外部空間の『エクステリア』。
このエクステリアは、住む人によって自由自在なデザインが可能です。そんなエクステリアのデザインについて、どのような重要性があるのかご紹介しますね!
【③-1 住環境に与える効果】
建物とそれを取り巻く敷地全体が『住まい』であり『住環境』。
エクステリアはガレージや郵便受けなどの生活環境や塀やライトなど防犯の実用性を備えています。その実用性にプラスαをデザインに取り込むことで、敷地全体の品格を上げる効果や個性を演出することもできるのです。また、エクステリアデザインと同時に庭や植栽計画を進めることで、住む人にとってより心地よい環境を作る効果があるんですよ。
【③-2 街並みに与える影響】
ひとつひとつのエクステリアの集まりがそのエリアの街並みとなっていきます。エクステリアは言わば、道行く人の目に触れるパブリックスペースなんですね。
街並みの一つとなるデザインは、周りの佇まいへの配慮が不可欠。
バランスを崩してしまうデザインに注意しながら、シンボルツリーで緑を提供したり、外部照明で街の安全に貢献することもできます。街並みづくりによい影響を与えるエクステリアデザインを心掛けましょう!
【③-3 建物デザインとの相乗効果】
エクステリアは完成度によって建物を何倍にも引き立てる相乗効果を秘めています。
建物を含めた敷地全体をデザインする気持ちが大切。
部屋の雰囲気に合わせたガーデンデザインでもう一つのアウトドアリビングができたり、建物の外観とデティールを統一することで一体感を演出することも!デッキやグリーンを置くだけで、あなたのライフスタイルを変化させることもできますよ。
エクステリアデザイン次第では建物との相乗効果は計り知れないものとなります。
【④ エクステリアデザインを考える時期】
新築の計画となったらやはり建物がメインですよね。でも敷地全体をデザインするためにも建物の計画と並行してエクステリアデザインを考えはじめるのがベスト!ガレージの広さの確認や給排水設備・エアコンの室外機など、エクステリア計画に関わることがあるからです。また、外構予算の把握もこの時期からはじめないとできませんよね。
ガレージが狭く車が停めにくくなったり、あとから思っていた以上に予算が掛かることが判明して資金繰りをやり直すなんてことも。じつは完成後のエクステリアのリフォーム依頼の多くは、この時期の打合せ不足が原因のひとつ。
余計な出費を避けるためにも早めの計画がおススメです!
【⑤ デザインのコツとポイント!】
エクステリアのデザインを依頼する前に考えることとして、
point1. 利便性・機能性
point2. 生活動線
point3. 防犯
point4. バリアフリー
point5. プライバシーの確保
point6. 予算
などを事前にイメージしておきましょう!
簡単なイメージの流れをご説明しますね。
【⑤-1 用途について】
まず生活をする上での用途を整理してみます。
車は何台分のスペースが必要なのか、洗濯物はバルコニーだけで足りるのかなどなど。思い浮かばないこともあると思いますが、できるだけ具体的に考えてみてください。
また、用途を考えている中で新しい土地の環境も一緒に考えます。前面道路の車の通りやお隣さんの窓や勝手口の配置など。車の通りが激しいならクローズプランにするべきかもしれませんし、お隣さんの間取りによっては目隠しをする配慮も必要。気になったことをまとめるだけで大丈夫。プロのデザイナーが最適なデザインを考えてくれますよ!
【⑤-2 雰囲気について】
用途がだいたい想像できたら、次はどんな雰囲気にしてみたいか考えてみてください。コツは建物の外観と統一して、部屋の内装やインテリアイメージと合わせます。
好みは建物デザインに表れていますからね。
建物と統一した具体的なイメージが湧かないかと思いますが、それもプロのデザイナーの仕事の範疇。同じ雰囲気のプランでも何パターンもデザインはできるので、お好みに合うプランに出会うまで妥協をせずに頑張ってください!
【⑤-3 予算について】
エクステリアの金額は立地条件に加えて、要望をどれだけ反映するかによって大きく変わります。敷地と道路の高低差や隣地境界の工事の有無。クローズプランかオープンプランによっても何十万も、程度によっては何百万も変わることもあります。
最近は平屋のお宅も増えているので一概に言えませんが、建物費用の1割をエクステリア予算にあてると満足のいくものができると言われています。エクステリア費用は土地や建物に次いで高額な買い物ですので、できるだけ早い時期に依頼をかけて予算の把握をすることが大切です。
【⑤-4 工期について】
エクステリアの工事期間は規模にもよりますが平均1か月ほど。施工範囲が広い場合もそうですが、コンクリートを打設する工事が多い場合は、養生期間というコンクリート強度を出す期間が必要となり工期が長くなります。
建物工事の終盤にエクステリア工事が始まるので、注意しないとならないのは入居や引っ越しの時期。
建物の引渡しを受けてから入居までに外構工事を終わらせるなら、引渡し後1か月は現在の住居の契約が必要です。また、2重家賃を避けるためすぐに入居する場合は、外構工事中に敷地内に車を止めるスペースがあるのか確認してください。別の場所に駐車スペースを確保しないとならないことがほとんどなんです。
【関連記事】
【エクステリアとは?】外構工事前に知っておきたい5つのポイント
【⑥ 予算の把握の重要性】
家づくりに必要な費用として一般的に言われているのは建物と土地で7割~8割。
総予算が4000万なら2800万~3200万が目安となります。
残りの2割~3割には電気工事や水道工事、各種申請費や場合によっては基礎補強工事も発生します。当然エクステリア工事もこの中に含まれますよ。これら付帯工事と呼ばれる中でもエクステリアが一番高額。なにしろ建物以外の敷地を工事するのですから当然ですよね。そんな高額な買い物ですから真剣に考えないとなりません。予算配分を間違えると叶えたい要望がどんどん減ってしまうので、なにしろ早めの予算把握が重要なんです!
【⑦ 業者選び】
エクステリア業者を選ぶときは、基本的に近隣に店舗を構える業者となります。
その地域の気候や材料に精通していますからね!
なかでも選ぶ時のポイントとして、『デザイン力』・『施工力』・『コスト』・『アフターメンテナンスの充実』などがありますが、最も重視すべきは『品質』です。
基礎や下地は完成してからでは見えない部分。エクステリアは、見えないところこそしっかりとした施工と品質が求められます。各種法令やコンプライアンスを順守する施工が安心安全ですよね。
【⑧ エクステリアデザインとコストバランス】
業者選びも終わりエクステリア計画を進めていると、最初の壁となるのは予算オーバー。
きっちり予算内に収まる場合もありますが、どうしても叶えたいことが次から次に出てしまうことも…
そんなときのコツとして、叶えたい要望に優先順位をつけることをおススメします!絶対にここまでは必要というボーダーラインを設定して、それ以下の要望でコストを調整していきます。
早い時期で予算の把握をしつつ建物と並行した外構計画なら、他の予算と調整しながら理想のデザインに近づけていけます。リメイクを何度も繰り返して、より快適でデザイン性の高いエクステリアを実現してください!
【⑨ アフターメンテナンス】
希望のエクステリアデザインが高い品質で完成。
じつはそれで終わりではありません。
エクステリアは完成してからが業者との本当の付き合い。屋外の構造物ですから、風雨にさらされてメンテナンスが必要な場合もありますし、ふんだんに取り入れた植栽も生き物なので調子を崩すことも…
また、エクステリアは耐用年数があるので構造物の種類によってはその都度リフォームを伴います。
そんな時に声をかけるのが施工をお願いした業者となります。会社によって保障内容などは違いますが、アフターメンテナンスを気軽に頼めることも、のちのち重要になってきますよ!
【耐用年数についてはこちらの記事をご参考に!】
【エクステリアの耐用年数って何?】外構はメンテナンスが大切!
【⑩ まとめ】
いかがでしたでしょうか?
エクステリアはあなたの新しい生活に欠かせないモノとなる魅力を秘めています。その魅力を最大限に引き出すためには時間を掛けた計画が大切。
初めての『住まい』の計画ですので、大変なことがたくさんあるかと思います。
その大変さを少しでも減らしながら、納得のいくエクステリアデザインを実現してくださいね!
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【ブログ作者】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。