【エクステリアの耐用年数って?】外構はメンテナンスが大切!
建物以外の敷地全体を囲うエクステリアは、長年風雨にさらされながらも『住まい』を守ってくれるもの。
あるときは台風の暴風に耐えながら、またあるときは冷たい雪にも耐えています。
そんなエクステリアや外構は、ブロックやレンガ・コンクリートやアルミまで意外といろいろな資材の組合せ。これから長い間使っていくものですから、上手に付き合っていきたいですよね。
今回はエクステリアや外構の耐用年数についてと、長持ちさせるコツをご紹介。素材の特徴を知って上手に外構プランを組み立てていきましょう!
【もくじ】
【① 耐用年数って何?】
【② 法定耐用年数って何?】
【③ 外構資材の耐用年数】
【④ 環境と寿命の関係】
【⑤ エクステリアを長持ちさせるコツ】
【⑥ エクステリアプランの組み立て方】
【⑦ まとめ】
【① 耐用年数って何?】
まず大前提として『耐用年数』は資材の寿命ではないんです。
『耐用年数』って言葉から、てっきりその期間しか持たないものだと思ってしまいますよね。例えばガレージに使用するコンクリート舗装は耐用年数が15年となっていますが、汚れたりヘアークラックがあっても普通に15年も20年も快適に使用できていますよね。
勘違いしやすい『耐用年数』とは、【減価償却資産が利用に耐える年数】のこと。期間を過ぎると税務上の資産価値がなくなりますよってことだけなんです。
『経済的耐用年数』と『物理的耐用年数』は別のもので、当然『物理的耐用年数』の方が長くなります。しかし、環境やメンテナンスの頻度で期間は変わってくるのが現状です。
【② 法定耐用年数って何?】
『法定耐用年数』を国税庁が定めていますが、税務上の他にも大型商業施設やマンションなどを修繕する際の適正時期を表しています。大勢の人が利用する施設は、一定の時期が来たら安全のためにリフォームしないとですよってことですね。
一般的な戸建住宅ではあまり『耐用年数』は気にせずに、外構工事で使う資材の選び方やメンテナンスの頻度の目安として捉えるくらいがいいですよ!
【③ 外構資材の耐用年数】
参考までに外構工事の際によく使用される資材の耐用年数をご紹介しますね。この数値は、あくまで有形減価償却資産の耐用年数となっていますので決して寿命ではありませんよ。
近年は耐候性に優れたものも多く、目安の年数以上は問題なく使用できるものばかりになっています。
【③-1 コンクリート舗装】
ガレージの土間やサービスヤードに使うことの多いコンクリート舗装は、15年の耐用年数となっています。
15年以上前に施工されたコンクリートでも、雨汚れやヘアークラックはあるかも知れませんが使えなくなるなんてことはありませんよね。
【③-2 アスファルト舗装】
一般のご家庭ではあまり使うことのないアスファルト舗装ですが、耐用年数は10年と少し短め。
道路などのやり替え工事をよく見かけますが、交通量の激しい所とそうでない所では劣化スピードが違うのは当たり前。10年を基準として設計されていますが、寿命は場所や環境によって変わってきます。
【③-3 鉄筋コンクリート】
ブロックの基礎やコンクリート打放しの壁などに使われる鉄筋コンクリート。耐用年数は30年と鉄筋がある分期間が長くなっています。
ただ、コンクリートは何十年かけて少しづつ硬化し続けて40年くらいをピークに劣化が始まります。折り返しからは硬化と同じスピードで劣化するので倍くらいは長持ちするものですよ。
【③-4 ブロック塀】
ブロック塀の耐用年数は15年となっていますが、ブロックは施工方法によっては15年ももたない場合があるんです。
写真のように穴がたくさんあるブロックは、すき間だらけで雨などの水が溜まりやすい構造。中に鉄筋を入れてモルタルで巻き込むことで酸化を防ぎますが、しっかり充填しないと鉄筋のさびが早く進行して強度が下がってしまいます。
塗装やタイルなどの施工をしていないブロックに関しては、15年以内のリフォームをおススメします。
【③-5 レンガ塀】
レンガ塀の耐用年数は25年。この数値もあくまで基準で実際はレンガの質によって左右されます。
持ったら軽く感じるようなレンガは小さなすき間が多く吸水性が高いのが特徴。水を良く吸ってしまうものは鉄筋に錆が生じる可能性が高くなるので、塀として使用するのはおススメしていません。
【③-6 カーポート・テラスなど】
カーポートやテラスなどのアルミ製品は15年の耐用年数となっています。
近年は構造的に優れた商品が多く、またポリカーボネートの屋根材など耐候性の高い資材が主流。台風などの被害を除けば、15年とは言わずそれ以上の寿命は確実にありますよ。
【③-7 金属・木製品】
ロートアイアンの表札や門扉・フェンスなどで使用される鉄などは10年が目安とされています。
鉄も環境によって寿命が変わる材料で、海の近くで潮風にさらされればより寿命は縮まります。また、キズなどから進行した錆をメンテナンスするか放置するかなど要因はさまざま。
環境と使い方で長くも短くもなってしまいます。
デッキやフェンスで使用する木製品の耐用年数も鉄と同じ10年。
天然木でもレッドシダーなどのソフトウッドはメンテナンスをしないと、数年であっという間に朽ちてしまいます。また反対に、イペやウリンなどのハードウッドやエクステリアメーカーが取り扱っている人工木は10年耐えうるものとなっています。
木材も種類や用途・メンテナンス頻度によって寿命が極端に変わりますので、外構プランに取り入れる際はしっかり選定してくださいね!
【④ 環境と寿命の関係】
エクステリアや外構は気候や自然環境によって傷み方が変わります。
積雪が多い地域や強風の地域ではカーポートやフェンスなど傷みやすくなりますし、大型車両の交通が激しい道路に面した立地ならコンクリートなどの構造物に影響があるかもしれません。
風が強い立地なら耐風圧強度の強い商品を選んだり、積雪地なら専用のカーポートを使う必要があります。資材の寿命を考えるより、地域や環境に合った資材をセレクトすることで外構自体を長く使ってくことが先決です。
【⑤ エクステリアを長持ちさせるコツ】
屋外で使う資材ですからメンテナンスはとても大事。
鉄筋コンクリートやブロック塀は、ヒビから水が入る状態になると鉄筋が腐食して強度はガタ落ち!そのまま放置していれば事故にもなりかねないですよね。
また、天然木のウッドデッキも定期的なメンテナンス次第で寿命は格段に変わります。
車や建物と同じように、エクステリアや外構も気にかけてお手入れしてくださいね!
【⑥ エクステリアプランの組み立て方】
地域や環境、またメンテナンスの頻度を踏まえて資材をセレクトしないとならないことが分かりましたよね。
汚れのつきにくい塗り壁材やブロックを使って美観を保ちつつメンテナンスを軽減したり、耐候性の高い商品や耐風圧強度の強い商品を採用して、未来の損傷を出来るだけ防ぐ選択もできます。
当初の予算は若干高くなってしまうかもしれませんが、のちのちのトラブルや出来るだけメンテナンスがかからないことも大切。
未来を見据えたプランニングが必要なんです。
【⑦ まとめ】
いかかでしたでしょうか?
耐用年数はあくまで目安で、その期間以上もつものもありますし施工やメンテナンスによって短くなるものもあります。この年数は大丈夫とは思わずに日々の観察とメンテナンスを忘れないでくださいね。
特にブロック塀は耐用年数以下の寿命と考えてください。道路に面した公共性の高い部分に使用しますので安心安全な状態を保つようにしましょう!
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【ブログ作者】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点としており、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。施工例はエクステリアメーカーのカタログ等に多数掲載されている。