【エクステリアを考える前に】オープン外構のメリット・デメリットについて!

新しくマイホームの購入をお考えの方や現在新築の建物の打合せが進んでいる方。
建物の間取りや設計打ち合わせでとても忙しくされている中、同時にエクステリアについても考えないとなりませんよね。
エクステリアやお庭の計画はどうしても後回しになりがちですが、建物との統一感やバランスを考えた設計、建物の次に高額な
予算が必要となる外構工事の予算取りのためにも早めの計画がオススメ。
いざエクステリアの計画を進めていくとまず最初の大きな選択として、『オープン外構』にするか『クローズ外構』にするかという
分かれ道が…
初めてのマイホームでどっちにしていいものか悩むところですよね?
今回は『オープン外構』『クローズ外構』のメリットとデメリットをしっかりと抑えるためにも、最近多くなってきている『オープン外構』について詳しくご紹介!
初めてのエクステリア工事で失敗しないためにも、ぜひご覧くださいね。
【もくじ】
【① オープン外構とは?】
【② オープン外構のメリット】
【②-1 生活面のメリット】
【②-2 コスト面のメリット】
【②-3 デザイン面のメリット】
【③ オープン外構のデメリット】
【③-1 生活面のデメリット】
【④ こんな方はオープン外構がオススメ】
【⑤ まとめ】
【① オープン外構とは?】
外構とは、一般的に住宅の敷地周りの外部空間を総称して使われます。最近では「エクステリア」という言葉でも呼ばれていますよね。
そんな外構は『オープン外構』『クローズ外構』というスタイルに分けられ、主に生活スタイルに合わせて選択して設計を進めていきます。
塀やフェンスで敷地を囲み、門扉を設けて外部と建物を一旦遮断するスタイルが『クローズ外構』。一方、塀やフェンスをプライバシーの確保で適度に設けて、門扉や車庫扉をつけないスタイルを『オープン外構』と呼びます。
【② オープン外構のメリット】
オープン外構にすることによってさまざまなメリットがあります。日々の生活や環境に関するものや予算的なメリット。また、デザイン的な視点での大きなメリットも生まれてきます。では、具体的にオープン外構にはどのようなメリット・デメリットがあるのか詳しく見ていきましょう!
【②-1 生活面のメリット】
【メリット1 開放感の演出】
オープン外構は門扉や塀で遮断しないデザインのため、外部空間が広く使えて開放感のある雰囲気となります。視覚的な効果もありますが、遮るものが少ないため風通しや日当たりなども良くなり、体感的な開放感も生まれます。
【メリット2 防犯対策】
エクステリアの防犯については人それぞれの考え方や、心理的なものがあるので一概には言えません。
一般的に言われているのは、オープン外構は侵入しやすく逃げやすい。クローズ外構は侵入しにくいけど、作業はしやすく逃げにくい。
何ともいえませんね…
では、今回は実際に泥棒が犯行を諦めた理由から考えてみましょう。
〖泥棒が犯行を諦めた理由〗
1位 「声を掛けられた」
2位 「センサーライトがついていた」
3位 「犬を飼っていた」
4位 「機械設備がついていた」
5位 「補助鍵がついていた」
侵入を諦めた理由に限っていえば、オープン・クローズによっての侵入のしやすさよりも「声をかけられた」「センサーライトの光」など、『周りの人に気づかれる』ことを嫌う傾向があります。
心理的・視覚的に周囲から認知されやすい『オープン外構』は、センサーライトをつけたり建物周囲に砂利を敷くなどの条件次第では、
泥棒が侵入を諦める家へと変わります。
外構でできる防犯についてはコチラ!
ガーデン・エクステリアでできる防犯対策
【メリット3 近隣コミュニケーション】
プライバシーを守るためのフェンスなどはありますが、開放感のあるオープンスタイルは庭に出ると当然外から見えるもの。草花に水をあげたり子供とワイワイ遊んでいれば、ご近所さんからあいさつのお声も掛かります。近隣の方とのコミュニケーションをとるきっかけに過ぎませんが、目にする機会が多くなるほどコミュニケーションの和が自然と広がっていきます。
【②-2 コスト面のメリット】

本来クローズ外構で必要な、門扉・門柱・車庫扉・塀などの費用が抑えられるので確実にコストダウンとなります。エクステリア費用を抑えめに計画したい方や、抑えられた費用を建物にまわしたりグレードの高い『オープン外構』を目指す方にはオススメです。
【②-3 デザイン面のメリット】

開放感があるということは、外へ魅せるデザイン性が強くなります。クローズタイプと比べて建物が隠れる範囲が少なくなるので、建物の外観にこだわって設計した方は意匠性をそのまま外へアピールしやすくなりますよ。せっかくこだわった部分が塀で隠れてしまうより、植栽などでさり気なく引き立てた、建物をメインとした質の高いエクステリアデザインが可能となります。
また、開放感のあるスペースには植栽を配置するのがオススメ。風通しも日当たりもよい環境は植栽にとってはとても好都合な条件なんです。
建物の意匠性を生かしてパブリック的に緑を採用したエクステリアデザインは、周囲の街並みの景観にも影響を与えます。周りの環境に配慮した質の高いデザインが作りやすいのが最大のメリットですよ!
【③ オープン外構のデメリット】
良いことの反面デメリットもさまざまあります。オープンスタイルならではの内容が多くなるので、デメリットを考えてあなたに合うスタイルなのかを考えてみてください。
【③-1 生活面のデメリット】
【デメリット1 プライバシー】
遮るものが少なくなるので、玄関先や勝手口・リビングの前などはプライバシーを守る工夫が必要。オープン外構はプライバシーが保てないというイメージですが、工夫を凝らさなければ当然見えてしまいます。リビングやキッチンからの目線と高さを考慮して、植栽やフェンスなどで視線をカット。洗濯物を外干しする方は、衣類を見せない工夫もお忘れなく!
【デメリット2 ショートカット】
角地を購入された方によくあるトラブルが敷地内をショートカットされてしまうこと。通行人もそうですが時には車が常習的に侵入することもあります。プランターや可動タイプのポールなどで対処するのは何となくご近所の目が気になりますよね。そうならないためにも車や人が通れないエクステリアデザインをあらかじめ考えなければなりません。担当の設計士やデザイナーに相談してみてくださいね。
【デメリット3 飛び出し】
門扉のないオープン外構で注意しないとならないのは、小さなお子さんやペットの飛び出し。周辺の交通量や道路からの見通しを考慮して、もし危険を感じるようならクローズタイプか門扉をつけるセミクローズタイプの選択が必要です。実際にご家族で現地に足を運んで慎重に判断してくださいね。
【デメリット4 防犯対策】
先ほどメリットとして挙げた防犯対策ですが、敢えてデメリットとして取り上げたのは心理的なもの。視覚的に外から見えやすい『オープン外構』は泥棒が嫌がるかもしれないけどそれはそれ。しっかり外と遮断しないと落ち着かないという方はクローズ外構向きとなります。
【④ こんな方はオープン外構がオススメ】
メリットとデメリットからオープン外構をオススメする方は、
1. エクステリア費用を抑えたい方。
2. プライバシーを確保できる立地条件か工夫のできる方。
3. コストを抑えめで質の高いオープンデザインを求める方。
4. 防犯・ショートカット対策を踏まえた予算取りが可能な方。
以上の方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
【⑤ まとめ】

新築の建物を購入された方のアンケートでは、実際に住んでみて手を入れ直したい項目として『エクステリア工事』が多く挙がります。
どうしても建物をメインに考えがちですが、『オープン外構』ひとつ取ってもこんなにたくさんのメリットとデメリットが…
デザイン的なテイストや使用する材料・予算内に収める工夫など、まだまだエクステリア計画では選択しなければならないことが待っています。建物の計画と並行しながらゆっくりと時間を掛けて、納得のゆく住まい作りをしてくださいね!
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【ブログ作者】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。施工例はエクステリアメーカーのカタログ等に多数掲載されている。