エクステリアにおすすめのシンボルツリー【落葉樹 厳選10種】
建物を含めた敷地全体を引き立たせる効果のあるエクステリア。
インテリアや外観のテイストと調和させてデザインすることで、住む人の個性を演出します。
エクステリアと建物を調和させたデザインは、質の高い雰囲気を演出する『住まい』の顔となります。そんな雰囲気作りに欠かせないのが『シンボルツリー』。無機質な構造物に効果的にグリーンを配置することで、より自然な調和を演出してくれる大切な存在です。
今回は『住まいの』演出に欠かせない落葉樹の『シンボルツリー』をご紹介。
春夏秋冬、季節の移ろいを魅せてくれる落葉樹のおすすめ10種類を選びましたので、皆さんお好みのシンボルツリーを探してくださいね。
【もくじ】
【① シンボルツリーとは?】
【② シンボルツリーの効果と演出】
【③ 落葉樹のおすすめシンボルツリー】
【③-1 アオダモ 】
【③-2 イロハモミジ 】
【③-3 ヤマボウシ 】
【③-4 エゴノキ 】
【③-5 ジューンベリー 】
【③-6 ハナミズキ 】
【③-7 カツラ 】
【③-8 サルスベリ 】
【③-9 コブシ 】
【③-10 スモークツリー】
【④ まとめ】
【① シンボルツリーとは?】
『シンボルツリー』とはエクステリアや庭のシーンを彩るシンボリックな樹木のこと。
高さのある建物と低い位置にあるエクステリアや庭は、『シンボルツリー』の爽やかな枝葉が高さの調和をしてくれます。また、『住まい』の顔となるファサード部分は全体の印象を左右する大事な場所。豊かな緑があるだけでエクステリアを含めた敷地全体をグッと引き立ててもくれるんですよ。
【② シンボルツリーの効果と演出】
『シンボルツリー』の候補となる様々な樹木はそれぞれ個性を持っています。モミジやカエデ・ツバキなどは和の佇まいの演出に効果的で、オリーブやフェイジョアなどはモダンさや可愛らしい雰囲気にピッタリ!
建物のテイストに合わせて選択すれば、演出したいイメージを一層高めてくれます。
また、より印象付けたい場合にはライトアップもおすすめ。葉裏を照らすスポットライトは、普段と違う樹木の表情を魅せてくれるので、夜のシーンの演出には欠かせません。
落葉樹のライトアップは常緑樹とは一味違って、春には新緑・秋には紅葉・冬は一見さみしそうに思えますが、普段見えない幹肌が生命力のある表情として浮かび上がってくるんですよ。
【③ 落葉樹のおすすめシンボルツリー】
【③-1 アオダモ 】
雑木の庭など野趣あふれる雰囲気の庭づくりに人気の『アオダモ』。
細めで繊細な枝ぶりが特徴的で、下枝が少なく動きのある自然樹形はこだわりのある建物には特によく馴染んでくれます。市場で流通している『アオダモ』は山で自生しているものを採る「山採りもの」が多く、里山そのままの姿をした自然樹形が魅力的。
そんな野趣あふれる姿は一本だけでも存在感があり、動きのある枝を強調して見せる場合は建物などを背景にして配置すると、より一層美しく映えます。
成長すると幹に白い斑点のような模様がみられるのも特徴で、涼しげで軽やかな雰囲気の『アオダモ』は和風・洋風・モダンを問わず、どんな建物やエクステリアにもマッチするシンボルツリーとなってくれます。
【③-2 イロハモミジ 】
誰もが知っている美しい紅葉が最大の魅力の『モミジ』。
オオモミジやヤマモミジより一回り小さく可愛い葉っぱなのが『イロハモミジ』と呼ばれています。
モミジといえばプロペラのような羽根のついた種を見たことありませんか?子供のころにクルクル回りながら落ちてくるのが楽しくて、何度も空へ向かって投げて遊んだ方も多いのではないでしょうか。
紅葉のイメージから和風の庭に植えられることが多いですが、最近では洋風の庭やナチュラルテイストのエクステリアにも多く採用されています。紅葉だけでなく、5月頃の新緑の柔らかい緑、夏の青々とした葉のすき間からこぼれ落ちる木漏れ日も『イロハモミジ』の魅力なんです。
とても美しい『イロハモミジ』ですが、イラガなどの毛虫がつく可能性があります。刺されたらビックリするくらい腫れあがってしまうので、見つけたらすぐに薬剤散布をしてくださいね。
【③-3 ヤマボウシ 】
6~7月に咲く白い花、日本に自生する雑木として穏やかな風情を感じさせる樹形などからシンボルツリーとして人気の『ヤマボウシ』。
和風洋風どちらにもよく合い、とてもナチュラルな雰囲気のする樹木です。
『ヤマボウシ』は赤くて丸い実をつけますが、この果実じつは食べることができるんです。「ビッグアップル」といって普通のヤマボウシに比べて果実が大きく、食用に適した品種があるほどなんですよ。
そんな『ヤマボウシ』には冬に葉っぱを落とさない常緑タイプや、花色や生育特性の違う「ウルフアイ」「ミルキーウェイ」「ミスサトミ」などさまざまな種類がありますので、ぜひ我が家の一本を選んでみてくださいね。
【常緑タイプ】はこちら
エクステリアのおすすめシンボルツリー【常緑樹】7選+【リゾート番外編】4選
【③-4 エゴノキ 】
まるでスズランのような釣り鐘状の白花が特徴的な『エゴノキ』。5~6月頃には、この花が咲くのを楽しみにされている方も多いかと思います。
『エゴノキ』は他の落葉樹に比べて細い枝が多く、その繊細な印象からナチュラル志向の住まいによく合います。白い花が印象的ですが、じつはピンク色の花を咲かせる『ピンクチャイム』という園芸品種もあります。エクステリアや庭の雰囲気に合わせて選べるのもいいですね。
『エゴノキ』には「エゴサポニン」という毒があり、昔はこの毒で魚を取ったりしていたそうです。口にしなければ無害ですが、念のためお子さんが食べてしまわないように注意が必要です。
また、若木は生育力が強く樹形を整えるのが難しいほど。高さが3m前後になると生育がおとなしくなるので、エクステリアのシンボルツリーとしては3mくらいがオススメですよ!
【③-5 ジューンベリー 】
美味しい果実をつける果樹としても人気の『ジューンベリー』。じつはシンボルツリーとして、とても人気の花木でもあります。
桜と同じように、4月ころには葉っぱより先に白くひらひらとした花をつけ始めて、花が終わったころにはあの美味しい果実をつけます。6月には真っ赤に熟した実を食べることができますよ。
とても美味しい『ジューンベリー』の実ですが、熟した果実が落ちて床を汚してしまうことがあります。気になる方は、コンクリートなど染みこみやすい素材の近くを避けて、植え込む土の部分を広くするなど工夫が必要です。
明るいグリーンでマットな質感の葉っぱや細い枝が重なる自然樹形は、繊細で優雅な雰囲気を演出してくれます。エクステリアやお庭の主役級となる『ジューンベリー』は、誰もがオススメのシンボルツリーとなりますよ。
【③-6 ハナミズキ 】
春先に一斉に赤や白の花を咲かせる『ハナミズキ』。
有名な歌の題名になるほどなので、皆さんよく知ってますよね。
春に咲く可憐な花、秋の紅葉、つやつやした赤い実など四季折々に見どころがあることから、一般家庭の庭木はもとより街路樹や公園樹としてもよく見かけます。「ハナミズキ公園」や「ハナミズキ通り」など、皆さんにとってもっとも身近な樹木のひとつでもありますよね。
樹形が安定しやすいため、剪定や整枝は他の樹木に比べて少なく済むのでお手入れは比較的簡単。良いところの多い『ハナミズキ』ですが、うどん粉病という白く細かい斑点のできる病気にかかることがあります。湿気の多い時期に発生しやすいので、見つけたら早目に薬剤などの対策をしてあげましょう!
【③-7 カツラ 】
ハート形の葉っぱが愛らしく、新緑から秋の黄葉まで楽しめる『カツラ』。
あまり知られていませんが、『カツラ』の葉っぱはキャラメルに似た香りがするんです。「マルトール」と呼ばれる芳香成分が含まれていて、お菓子などを作るときの甘い匂いと同じ成分なんだとか。地域によってはカツラのことを「しょうゆの木」や「お香の木」と呼ぶこともあるそうですよ。
日本に自生している樹木のため育てやすいですが、放任しているとかなりの高木になってしまいます。剪定でお好みの高さを維持するようにしてくださいね!
【③-8 サルスベリ 】
7~9月の花の少ない盛夏に彩りを添えてくれる『サルスベリ』。和名の「百日紅」が表すとおり、花期が長く紅色の花が咲くものが原種となっています。
花色は淡いピンクから濃いピンクまであり、ピンク色のバリエーションがとても豊富。少ないながらも白色や紫色の花をつける『サルスベリ』もあります。
濃い色の花のサルスベリは真夏に鮮やかな花を咲かせるので、南国感やリゾート感を演出することができますよ。一方、淡い花色はフリル状の可憐な花が、柔らかでナチュラルな雰囲気を作ってくれます。
ツルツルして明るい幹肌とくねくねと動きのある樹形は、葉っぱを落とした落葉期でも見ごたえのある樹木です!
【③-9 コブシ 】
寒い真冬にふわふわの毛に覆われてふくらんでいる『コブシ』のつぼみを見たことはありますか?
早春の花の代表で、春をいち早く知らせてくれる花木です。
その名の通りコブシほどの大きさのつぼみを付けることから『コブシ』と呼ばれていて、一般的な白花のほかにもピンク色の花をつける種類もあります。多くは流通していませんが、気になる方は探してみてくださいね。
まっすぐに立つ姿が美しく、自然とたまご型の樹形に育ちます。ただし成長が早く萌芽力があるものの、剪定を嫌うため植え付けるときはよく場所を選んであげてくださいね。
【③-10 スモークツリー】
その名の通り煙のようにフワフワとした花をつける『スモークツリー』。(正しくは花ではなく、花後に伸びる花枝です)ユニークで印象的な花は一度見たら忘れませんよね。
たくさん種類のある『スモークツリー』ですが、選ぶ葉の色で作りたいお庭やエクステリアの雰囲気が一変します。
銅葉と呼ばれる赤紫色の葉の「グレース」や「ロイヤルパープル」は、ナチュラルテイストでシャビーシックなお庭にピッタリ!また、緑葉の「ヤングレディ」や「ゴールデンスピリット」は、すっきりとシンプルなお庭のポイントツリーにマッチします。
耐寒性・耐暑性に優れていて、病害虫の発生も少なく育てやすい樹木です。ただし、若木のうちはひょろひょろ頼りない樹形で剪定が難しくもあります。成木になると自然に樹形が整ってくるので長い目で見てあげてくださいね!
【④ まとめ】
いかがでしたでしょうか?
落ち葉のメンテナンスが気になる方が多い落葉樹ですが、可憐な花や特徴的な葉っぱや樹形など常緑樹にはない魅力がいっぱい。
また、四季折々の移ろいを感じることができる落葉樹はガーデン・エクステリアには欠かせない存在です。新緑・花・結実・紅葉など、ご紹介した樹木どれもが皆さんの目を楽しませてくれるはず!
たくさん種類はありますが、皆さんのの環境に合ったものをセレクトして季節を取り入れた生活を楽しんでくださいね!
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【ブログ作者】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点としており、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。施工例はエクステリアメーカーのカタログ等に多数掲載されている。