庭や家庭菜園で使える果樹【総まとめ】15選!
自宅の庭やキッチンガーデンで果樹を育てる最大の魅力は、完熟もぎたてのフレッシュを食べれること。鮮やかに色づいた果実の味は店頭のものとは大違い!
品種によっては完熟した果実が市場に出回っていないものも、なんと無農薬でおいしく食べれてしまうんです。
自宅での果樹栽培にはもう一つ素敵な魅力が…
毎日の水やりなどの世話を通じて、花が咲き実を結ぶ過程から自然の恩恵を受ける喜びが味わえること。小さいお子さんがいるご家庭では『食育』にもなりますね。
今回は、ガーデンデザイナーだからおススメできる庭や家庭菜園で手軽に楽しむ果樹を厳選してご紹介。地植えでも鉢植えでも育てられるので広いスペースがなくても大丈夫ですよ!あなたもお好きな果樹をセレクトして、摘みたてのフレッシュ果実を食卓に並べてみませんか?
【もくじ】
【① ブルーベリー】
【② ジューンベリー】
【③ フェイジョア】
【④ プラム】
【⑤ ライム】
【⑥ ラズベリー】
【⑦ キウイ】
【⑧ ワイルドストロベリー】
【⑨ イチジク】
【⑩ レモン】
【⑪ スグリ】
【⑫ ヒメリンゴ】
【⑬ オリーブ】
【⑭ ブラックベリー】
【⑮ カリン】
【⑯ まとめ】
【① ブルーベリー】
フレッシュはもちろんジュースやジャムなど用途がたくさんの『ブルーベリー』。
樹形も美しく紅葉も楽しめるので、エクステリアや庭の植栽スペースに自然と馴染むのも魅力です。
ハイブッシュ系とラビットアイ系などがありますが、1本だけでは実がつかないので周りに何本か植えてあげましょう。そのときは同じ系統で統一して下さいね。ラビットアイ系には1本でも実をつけるものもありますが、実つきを良くするためにも複数本必要です。
春から初夏に白や薄ピンクの花が咲いて実となりますが、綿棒などで受粉を手伝ってあげるとさらに実がよくつきます!また、酸性の土を好むので植え付けの時にはピートモスでpHを調節してあげましょう。
たわわに実るブルーベリーは見てても可愛い食べてもおいしい。育てるのも簡単ですので、最も手軽に楽しめる果樹の一つです。
【② ジューンベリー】
自然な樹形が美しく庭木としても人気の『ジューンベリー』。
『ブルーベリー』とは違って一本だけ植えても実がなる自家結実性で、6月ごろには涼しげな丸い葉と赤い実のコントラストが楽しめますよ。人工授粉で手伝ってあげれば、枝がしなるほどの実をつけることも。1本から1㎏以上の実を収穫できることもあります。収穫は大変かもしれませんが、それだけ楽しみも増えますよね!
果実は紅色のときは少し酸味があって深紅色になると甘くなります。ジャムやスムージーなどに使われることが多いですが、冷凍庫で凍らせた果実をそのまま食べるのもオススメ。
ブルーベリーと一緒に凍らせて、色どりキレイなサクサクデザートが完成です!
【③ フェイジョア】
白銀色に見える丸い葉っぱが印象的な『フェイジョア』は、人気急上昇の果樹の一つ。
カラーリーフとして庭やエクステリア・玄関を飾る鉢植えなどアクセントに使える美しさと、5月から6月に咲く南国を思わせる華やかな花。
そんな『フェイジョア』があるだけで、周りの雰囲気は一変します。
樹姿も花も実も楽しめる『フェイジョア』の果実はキウイほどの大きさ。完熟した果実は2つに切るととても芳醇な香りがします。また、『フェイジョア』の花はエディブルフラワーで食べるととても甘い味がするんです。
もぎたての果実はそのまま輪切りにしてデザートに。食べきれないものはジャムにしたり、ミキサーにかけて凍らせればシャーベットにして楽しめますよ。
【④ プラム】
『プラム』と聞いてピンと来ない方のために別名もご紹介。聞き馴染みのある別名は『スモモ』なんです。
『スモモ』は酸っぱいからわざわざ庭に植えなくてもいいかな?と思われがちですが、『スモモ』の最大の魅力はなんと完熟果実!まず、完熟した果実は傷みが早いので市場に出回ることがめったにありません。未熟な状態で店先に並ぶので、一般的に甘酸っぱいイメージが定着してるんですね。
そんな完熟したスモモの果実は今までのイメージが一新するほどのすごい甘さ!
春先に咲くサクラのような薄ピンクの花も魅力で庭木としてもオススメです。実を大きくするためにしっかりと摘果をして、味わったことのない甘~い完熟スモモにチャレンジしてはいかがでしょうか?
【⑤ ライム】
店先で並んでいるライムのほとんどは輸入ライム。
香り付けで料理やドリンクなどに使うことの多い『ライム』ですが、じつは輸送のために収穫してから時間がたった弱い香りしか知りません。収穫したてのフレッシュライムは、とても強い芳香で今までのものとは比べ物にならないほど。
これだけ聞いても魅力的ですよね。
比較的丈夫で育てやすい『ライム』ですが、気温が2℃以下になる地域では鉢植えにして冬場は室内で育てるなどの工夫が必要。寒さに弱いので地植えならマルチングで寒さ対策をしてあげましょう。あと、柑橘類の果樹は虫がつきやすいです。ということは、店先に並んでいるものは大抵農薬を使っていることになりますよね。
特に果実の皮を使うことの多い『ライム』ですから虫対策をしっかりすれば、香り豊かな無農薬ライムが収穫できますね。
【⑥ ラズベリー】
ヘタを外すと小人の帽子のような実の『ラズベリー』。ケーキ屋さんのショーケースなどで必ずお目にかかる定番のベリーです。
とても育てやすい『ラズベリー』はバラ科の植物。トゲのある品種が多いので、収穫の時には注意が必要です。品種によってはトゲのないものもありますので探してみてくださいね。
一本で実のなる自家結実性で、6月から7月に収穫できる1季なり性と10月にも収穫できる2季なり性があります。また、『ラズベリー』は地下茎と呼ばれる茎で伸びていきます。地植えをしたまま放っておくと、どんどん広がって大変なことに。
完熟ラズベリーの果実も、傷みやすくてあまり市場には出回りません。自宅栽培の特権でおいしい完熟ラズベリーを味わうのもいいですよ。
【⑦ キウイ】
果実の中でもとても栄養が豊富なことで知られている『キウイ』は、じつは庭や家庭菜園でも簡単に育てられます。病気や害虫の被害も少なくて、家庭菜園向きの果樹かも知れません。
そのまま生食で食べることの多い『キウイ』だからこそ、自分で育てた果実は格別!
〖雌雄異株〗といって一本のキウイはめしべかおしべの片方しかありません。受粉させるにはオスメス両方の苗木が必要なのと、植える苗木の開花時期を合わせてあげてくださいね。
また、つる性なのでスペースに合わせた誘引の工夫も必要。広いスペースがなくても工夫次第で鉢植えでも育てることができますよ。美容と健康にうれしい栄養たっぷりの『キウイ』。ぜひチャレンジしてみてください。
【⑧ ワイルドストロベリー】
自宅で簡単に育てられるイチゴをご存じですか?
一般的に流通しているオランダイチゴより、少し小ぶりな果実をつける『ワイルドストロベリー』は家庭菜園やハンギングなどでも楽しめます。
野イチゴの野生種なのでかなり丈夫。
四季なり性で夏と冬以外に実をつけますが、収穫のころ合いは香りで判断。熟すと甘くフルーティーな香りがするのですぐわかりますよ♬ヨーグルトやデザートにのせて生食でも楽しめますが、ジャムに使うのが一般的。葉っぱもとても香りがよく、ハーブとして利用できます。
ランナーを伸ばしてすくすく広がっていきますので、グランドカバーとしてもいいかもしれません。
【⑨ イチジク】
日本では古くから庭木として親しまれている『イチジク』は、とても栄養満点の果実。
ペクチンやカリウムを豊富に含み、血糖値の上昇を抑えたりむくみを防止する効果などが。老化の原因となる活性酸素を除去する効果もありアンチエイジングにも期待されています。
昔の人の知恵はすごいですよね。
そんな『イチジク』は寒さに少し弱いので、関東より西の地域で地植えが可能。また、厄介なのがカミキリムシで『イチジク』は被害に会うことが多い品種。幹に小さい穴が開いて、周辺に木の粉やフンがあれば幼虫がいる証拠。放っておけば木が枯れてしまうので、しっかり防除しないとなりません。
『イチジク』の実はフレッシュでもおいしいですが、ドライにするとさらにうま味が凝縮されます。食物繊維もフレッシュの10倍になるので、便秘に悩む方には最適かもしれませんね!
【⑩ レモン】
料理の添え物や香り付け、ドリンクにも利用される『レモン』は果樹の中ではダントツで実用性が高く食卓にあがる機会が最も多い果実。
トゲのある品種が多いですが、最近ではトゲがないものや通常より小さい品種があるのもオススメ。
風に揺れてトゲで実を傷めてしまうことも避けられます。こぶし大の実がなりますので、風が少ない日当たりの良い場所を選んであげましょう。5月・6月に白くてかわいい花を咲かせますが、実を大きくするためにも『摘果』をします。栄養が分散するので、大きくしたい実を残して後からついた小さな実は適度に摘み取るといいですよ。
春に咲いた花が収穫できるようになるまで約半年。
自分で育てた『レモン』をどんな料理に使うか想像しながら育ててみるのも楽しそう!
【⑪ スグリ】
一般にはあまり出回っていない『スグリ』は別名『フサスグリ』や『レッドカラント』と呼ばれています。ヨーロッパなどでは盛んに栽培されていますが、日本ではまだあまり知られていないかもしれません。
ルビーのような赤い実を房状につける『スグリ』の果実は強い酸味が特徴で、デザートの飾り付けはもちろんジャムやゼリーなどに利用されます。1本でも実のなる自家結実性で、暑さは苦手なので涼しい場所を選んで植えてあげます。
この『スグリ』の果実を楽しめるのも自家栽培の特権。日本であまり市販されていない果実ですからね!苗は園芸店やホームセンターで比較的簡単に手に入るのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
【⑫ ヒメリンゴ】
真っ赤で小ぶりな実がつく『ヒメリンゴ』は『アルプス乙女』という品種が有名です。
「ふじ」と「紅玉」の交配種で、花つきもよく1本でも実がなる育てやすい品種。人工授粉で手伝ってあげれば、愛らしい実を鈴なりにつけてくれますよ。
秋から初冬にかけての収穫時期には、ぜひもぎたての果実をサッと洗って皮ごと丸かじりしてみてください♬甘~い芳醇な味が口いっぱいに広がります。なんと糖度が15度もあるんです。
地植えでも鉢植えでも楽しめる手軽さとたわわに実る果実が美しいことから、観賞用としての価値も高く人気の品種です。
【⑬ オリーブ】
銀色の葉が可憐な『オリーブ』は冬に葉っぱを落とさない常緑樹。庭木としてシンボルツリーにも利用され、おしゃれな鉢植えにして玄関を飾ることもできる人気の樹木です。
葉の美しさと自然な樹形が楽しめることから、ガーデン・エクステリアの植栽計画では欠かせない存在。シックな光沢のある緑の葉は、裏面が白いのが特徴。風に揺れる姿はまるで白銀色。自宅に植えたくなるのもわかりますよね。
一般的に『オリーブ』と聞くと「オリーブオイル」を連想しますが、ご家庭では少し実の量が足りないかも…生のオリーブは渋くて食べられないので、ピクルスや塩漬けがオススメですよ。
世界中で500種類もあるといわれている『オリーブ』は、じつは1本では実がつきにくい樹木。植えるときには
違う品種も一緒に植えてあげてくださいね!
【⑭ ブラックベリー】
濃厚でコクのある甘さが特徴の『ブラックベリー』。
『ブルーベリー』がどうしても有名ですが、この『ブラックベリー』の果実もとても人気。
デザートに添えたりそのまま生食もできて、もちろんジャムやスムージーにしても美味しくいただけます。特に気を使わなくても育てられるので初心者の方でも安心してチャレンジできますよ。
バラ科の植物なのでトゲがありますが、最近はトゲなしの『ブラックベリー』も流通してます。管理や収穫がしやすくなるのでオススメです。また、つる性の場合は枝を誘引してあげないと好き勝手に広がってしうので注意してくださいね。
収穫の合図はルビー色の赤い実が、つややかな黒色へ変わったら。
フレッシュな『ブラックベリー』の味を堪能してください!
【⑮ カリン】
のどの炎症や痛みを抑える効果があることから、果実酒やのど飴の材料としてよく利用される『カリン』。
コンビニなどでは、のど飴のパッケージで見かけるほど。
そんな『カリン』の果実は、生のままだと渋みが強くて食べれません。古くから庭木として利用されているのは果実のさまざまな効能。ビタミンCやポリフェノールがとても豊富で、漢方にも使われているんですよ。名前に似合わずとても大きくなるので、地植えの場合はスペースを確保して高さを抑える剪定が必要です。程よい高さまで成長したら、主幹と呼ばれる幹の先端を落としてくださいね。
ご家庭では、収穫した果実はシロップやジャムに果実酒などに加工します。
古くからの知恵にも伝わるさまざまな効能とたっぷりの食物繊維は、自然からの贈り物なんですね。
【⑯ まとめ】
いかがでしたか?
手軽に楽しめる果樹って意外と多くてビックリですね。庭木としても美しい果樹も多く配置を工夫すればいろいろな果樹が雰囲気良く楽しめます。また、鉢植えなら大きく広がる種類も管理がも楽に!
市場にないフレッシュな味と収穫の喜びを、ぜひご家庭で味わってみてくださいね!
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【ブログ作者】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。施工例はエクステリアメーカーのカタログ等に多数掲載されている。