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【宿根草と多年草って何?】違いを知って庭づくりを楽しもう!

【宿根草と多年草って何?】違いを知って庭づくり!

 

園芸店に花苗を見にいくと、ラベルなどに『宿根草』『多年草』『一年草』などの表記がありますよね。

『一年草』は名前のイメージから一年しか咲かない植物なのかなと想像はできますが、『宿根草』『多年草』は何がどう違って分けられているのか悩んでしまいますよね?

鉢植えなどに比べて庭やエクステリアの花壇など広範囲に植える場合は、『宿根草』『多年草』を上手に配置することで冬場の景色が格段に変わってきます。

今回はそんな『宿根草』『多年草』の違いと特徴をご紹介。ガーデニング初心者の方にありがちな失敗を避けれる内容になっていますので、ぜひご覧くださいね。

 

【もくじ】

【① 宿根草って何?】
【② 多年草って何?】
【③ 宿根草と多年草の使い分けテクニック】
【④ 冬に地上部がなくなる宿根草】
【⑤ まとめ】

 

【① 宿根草って何?】

『宿根草』『多年草』のなかの一部の草花を呼びますが、大きな違いは苦手な季節になると地上部が枯れる特徴があります。生育に適した時期になると、発芽してまたすくすくと成長していきます。

一度植えると毎年花を咲かせてくれるのは『多年草』と一緒。

ガーデニングをする上で無理やり分類する必要はありませんが、苦手な季節に枯れることだけは覚えておいてくださいね。

 

【② 多年草って何?】

『多年草』は一度植えたら毎年花を咲かせる草花の総称で、年中葉っぱがあるものを『常緑多年草』、苦手な季節に地上部が枯れるものを『宿根草』、また球根を作る植物を『球根植物』といいます。

『多年草』『常緑多年草』・『宿根草』・『球根植物』の3つに分類されますが、園芸やガーデニングでは『多年草』=『宿根草』と同じ意味合いとして使われることが多いですよ。

 

【③ 宿根草と多年草の使い分けテクニック】

外構工事や庭工事が完成したお客様から『寒くなって花壇の草花の一部が枯れてしまった』とのお問合せをいただくことがあります。状態をお聞きすると『宿根草』の地上部が枯れたのを見て、どうも勘違いしている様子。

皆さんよくありがちですが、花壇の草花は年中緑の葉をつけているイメージが強く『宿根草』が苦手な季節に入るのを見て、調子が悪くなって枯れてしまったと勘違いすることが多いのです。ときには抜いてしまって処分済みなんてことも。

来年に向けて準備に入っただけなので、くれぐれも抜いてしまわないようにしてくださいね!

また、花壇づくりのときには『宿根草』『常緑多年草』の使い分けも大切。『宿根草』の特徴から、多すぎると冬場の花壇が寂しくなってしまうので上手に織り交ぜて仕上げるようにしましょう。

 

【④ 冬に地上部がなくなる宿根草】

枯れてしまったと勘違いしないように、冬に地上部がなくなる代表的な宿根草をご紹介しますね。

~アスチルベ~

アスチルベ・ユキノシタ科チダケサシ属

 

6月~8月に可憐な花を咲かせる『アスチルベ』

もともと山に自生していることから強い陽射しや乾燥がとても苦手。植え付けるときには高木の足元など木陰になる場所を選びましょう。花色も写真のような白色のほか赤やピンクなどがあり、とても人気の高い宿根草です。

冬場は葉や茎が枯れるので、根を残したまま枯れた部分をキレイに取ってあげてくださいね。

 

~クレマチス~

クレマチス・キンポウゲ科センニンソウ属

 

たくさんの品種がある『クレマチス』のなかで、大輪系品種は冬場に葉が枯れるものがあります。

冬にも葉がある常緑種や冬に花を咲かせる常緑品種もありますので、植え付けのときはどんな品種か確認するようにしてくださいね。長く伸びたツルは冬場も生きているので、剪定はせずに枯れた葉っぱだけ取り除くようにしましょう。

 

~シャクヤク~

シャクヤク・ボタン科

 

ふっくらしたつぼみから大輪の花を咲かせる『シャクヤク』は、日本で古くから愛されている『宿根草』です。

とても多くの園芸品種がありますが、開花時はどれも豪華なたたずまいで見る人を引き付ける魅力があります。5月~6月と品種によって多少開花時期は変わりますが、咲き終えた花がらは消耗を少なくするためにもしっかり摘んでくださいね。

 

~アルケミラ・モリス~

アルケミラモリス・バラ科ハゴロモグサ属

 

雨のあとがとても美しい『アルケミラ・モリス』

細かい毛でおおわれた葉が、キラキラと水滴をまとっように見えるんです。

耐寒性の強い『アルケミラ・モリス』は冬場は地上部を枯らして越冬しますが、暑さがとても苦手です。梅雨時期の蒸れが原因で枯れてしまうこともあるので、この時期には短くカットして夏を迎えるようにしましょう。

 

~ギボウシ(ホスタ)~

ギボウシ・キジカクシ科リュウゼツラン亜科ギボウシ属

 

カラーリーフとしても人気の高い『ギボウシ』

直射日光のあたる場所では「葉焼け」を起こしてしまうので、風通しの良い半日蔭の場所を選んで植え付けましょう。冬が近づくにつれ古葉から黄色くしなびたように枯れていき、根だけ残して越冬します。イメージ的には古くなったキャベツみたいな感じです。

調子を崩したわけではないので抜かないでくださいね!

 

~宿根アスター~

宿根アスター・キク科シオン属(アスター属)

 

『宿根アスター』は品種にもよりますが6月~10月頃に小さく可愛らしい花を咲かせます。一つ一つの花が小さいですが、摘心を繰り返してたくさん花をつけることでボリュームのある姿になっていきますよ。

冬場の枯れた枝葉は、地中から5㎝ほどの高さにカットしてスッキリさせてくださいね。

 

~エキナセア~

エキナセア・キク科ムラサキバレンギク属

 

丈夫で花期が長いことからガーデニングで大変人気の『エキナセア』

ピンクや赤、他には白やグリーン・薄紫など、とても豊富な花色があるので、切り花やドライフラワーでもよく目にしますよね。

『エキナセア』はとても耐寒性が高く-10℃までは大丈夫と言われていますが、根が凍ってしまったら大変です。越冬のときは地上部をカットして、冷え込みの強い地域では根を凍らせないようにマルチングなどの防寒対策をしてくださいね。

 

~宿根フロックス~

宿根フロックス・ハナシノブ科フロックス属

 

草丈が1mほどになりピラミッド状に咲く花は、花壇の背景として群生させるにはピッタリの『宿根フロックス』

植え付けから2~3年すると株が混み合ってくるので、春先に株分けをして増やすこともできます。春の芽吹きが少し遅いので、先に芽吹いた草花の陰にならないようにスペースを空けて植え付けるのがコツですよ。

 

~オダマキ~

オダマキ・キンポウゲ科オダマキ属

 

うつむき加減に咲かせる花が艶やかな『オダマキ』

日本では古くから愛されている宿根草ですが、近年ではとてもたくさんの品種が流通しています。宿根草は年々株が大きくなるものが多いですが、『オダマキ』は3年ほど経つと老化してしまいます。

こぼれ種で更新したり、種を採取しておいて春にまくのもいいですね。

 

~ガウラ~

ガウラ・フトモモ目ガウラ属

 

白い4弁の花はまるで白い蝶が舞っているように見えることから、別名『ハクチョウソウ』とも呼ばれています。

草丈が高くなるので、4月頃に摘心をして低く抑えて風で倒れないようにしましょう。一つの花は3日ほどで散りますが、春から秋の期間は次々に花を咲かせます。

群生させた『ガウラ』の花が風でそよぐ姿は息をのむほど圧巻ですよ!

 

~シュウメイギク~

シュウメイギク・キンポウゲ科イチリンソウ属

 

庭に秋の訪れを知らせてくれる『シュウメイギク』

8月の終わりごろから11月くらいまで咲く『宿根草』で、漢字で『秋明菊』と書くほど秋の風物詩となっています。花のあと真っ白な綿毛をつけた姿は、寒々しい中にも『シュウメイギク』の生命力を感じる景色を作ってくれます。

 

【⑤ まとめ】

いかがでしたでしょうか?

意外と冬場に根だけを残す草花って多いですよね?

冬の間は根っこだけで春のエネルギーをじっと蓄えていますので、くれぐれも抜かないようにしてください。

年々株が大きくなって見応えが出る『宿根草』と冬場も葉っぱがある『常緑多年草』をベースに、『一年草』『二年草』『球根植物』を上手にアレンジして季節を楽しむ花壇づくりにチャレンジしてみてくださいね!

 

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【ブログ作者】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行

ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点としており、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。施工例はエクステリアメーカーのカタログ等に多数掲載されている。

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