【庭で楽しむ春まき一年草】夏の景色づくりにおススメの花!

暖かさが落ち着くにつれて、春の花壇は色とりどりの草花で賑やかになっていきます。
秋にまいた一年草が待ってましたと咲きほこってひときわ春らしさを演出してくれますが、一年草は春だけが主役ではありません。この時期に春まきの種を植え付けておけば、夏から秋にかけても鮮やかな花壇を見ることができますよ。
今回は、春の間に準備をして『夏の景色づくり』をするのににピッタリな一年草と二年草をご紹介。春とは違う鮮やかな花壇の魅力を感じてみませんか?
【もくじ】
【① 一年草・二年草って何?】
【② 代表的な春まき一年草】
【②-1 センニチコウ】
【②-2 アゲラタム】
【②-3 ペンタス】
【②-4 ジニア】
【②-5 サルビア】
【②-6 アスター】
【②-7 インパチェンス】
【②-8 マリーゴールド】
【②-9 ニチニチソウ】
【②-10 コスモス】
【③ まとめ】
【① 一年草・二年草って何?】

『一年草』とは、発芽して花が咲いて枯れるまでが1年以内の植物。
原産地の気候に合わせて寒さに弱い植物は春に種まき暑さに弱いものは秋に種まきと、日本の環境を考慮して育てられています。また、原産地では多年草ですが、日本の環境に合わず夏や冬を越せない植物は一年草扱いになっているものもあります。
種まきから1年以内で終わってしまう一年草は、とてもエネルギッシュな成長を楽しめますよ。翌年の子孫を残すためにたくさんの種をつけようと花をいっぱい咲かせます。種を付けると花を咲かせなくなってしまうので、ながく楽しむなら花がらを摘んでくださいね。先端だけではなく花茎をたどって生え際で摘むと、子孫が残せなかったと思ってまた花を咲かせるんです。
一方、『二年草』は、種をまいた年は根を広げて葉や茎をじっくり成長させます。次の年の開花期になると蓄えたエネルギーを使って花を咲かせるため、『越年草』とも呼ばれています。
一年草も二年草も比較的育てやすい花が多く、いろいろな花を楽しめるので初心者の方には特におススメ。多年草とは違って枯れてしまいますが、たくさん花を咲かせるので種もいっぱい取れますよ。取れた種を使って毎年楽しむのも魅力の一つです。
【② 代表的な春まき一年草】
【②-1 センニチコウ】

センニチコウ・ヒユ科センニチコウ属
春に種をまく一年草の代表格の『センニチコウ』は、名前の通り花もちが良く人気の品種です。鮮やかな花色が長く楽しめるので、フラワーアレンジメントやドライフラワーでも利用されています。
日本の気候と相性が良いいので、とても育てやすく初夏から秋までの長期間花が楽しめますよ。
春まき一年草の種まきは、気温が20℃以上になってからがベスト。気候がしっかり落ち着かないと発芽しにくいので注意してくださいね。
【②-2 アゲラタム】

アゲラタム・キク科カッコウアザミ属
熱帯アメリカ原産の『アゲラタム』は、本来は多年草ですが日本の冬を越せないので一年草扱いになっています。
まるでポンポンのような花を咲かせますが、とても花期も長く初夏から秋にかけて涼しげな姿を楽しませてくれます。マリーゴールドなど強めの花色が多い夏花壇の中では、しっとり落ち着いた印象の『アゲラタム』はとても貴重な存在です。
【②-3 ペンタス】

ペンタス・リンドウ目クササンタンカ属
小さな星のような花が集まって咲く『ペンタス』は、写真のような紫の他にも赤やピンク・白とさまざまな花色がありとても人気。
一般的に花苗として流通していますが種から育てることもできるんです。『ペンタス』の種は小さく苗になりにくいこともあるので、少し多めにまいてチャレンジしてくださいね。
寒さに弱いので一年草扱いされていますが、本来は多年草。鉢植えで育てる場合は室内で越冬することができるので、地植えの『ペンタス』に愛着がわいてしまったら掘り上げてみるのも良いですよ!
【②-4 ジニア】

ジニア・キク科ヒャクニチソウ属
『ジニア』の別名は『ヒャクニチソウ』。名前の通り花期が100日以上もあり、初心者の方にも育てやすい一年草です。
種が大きく扱いやすいのも特徴で、発芽気温は20℃以上。これより低い気温だと発芽まで日数がかかってしまうので暖かくなるのをじっくり待ってくださいね。
ヒビットな色合いの花は夏の花壇にピッタリ。華やかに咲き続ける一年草ですので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
【②-5 サルビア】

サルビア・シソ科アキギリ属
約900種の品種ががあるといわれている『サルビア』。なかでも真っ赤に燃え上がるような花の『サルビア・スプレンデンス』は、皆さん一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?

【サルビア・スプレンデンス】
毎年のように新しい品種が出まわるので、最近ではピンクや白・紫系など色とりどりの花を楽しめます。初夏から秋まで花を咲かせる『サルビア』は暑さには強いのですが耐寒性がありません。もともと原産地では多年草ですが、日本の冬を越せないことから一年草扱いになっている植物の一つです。
【②-6 アスター】

アスター・キク科エゾギク(カリステファス)属
『アスター』の花は小菊に似ていることから『エゾギク』とも呼ばれています。
江戸時代に日本に伝わったとされ古くから仏花として親しまれていますが、最近の品種改良により青や紫の花も流通しているので、切り花としてもよく店頭で見かけますよね。
『アスター』は同じ場所での連作を嫌うので、種を取って翌年も育てる場合は別のスペースに変えてくださいね。
【②-7 インパチェンス】

インパチェンス・ツリフネソウ科ツリフネソウ属
サルビアやアゲラタムと同じく日本の冬を越すことができないので一年草扱いになっている『インパチェンス』。
発芽気温は25℃と少し暖かめ。寒さが苦手なのが分かりますよね。
『インパチェンス』の種はとても小さく、水やりをするときは気を付けないと流れてしまいます。また、種の成長には日光が必要なので薄く覆う程度の土しかありません。
まずは育苗をして、ポットの底に根っこが回ったくらいに定植してくださいね。
【②-8 マリーゴールド】

マリーゴールド・キク科コウオウソウ属
最近では人気歌手の歌にも名前が使われたので、皆さん聞き覚えがあるのではないでしょうか?
麦わら帽子を『マリーゴールド』に例える歌詞からも分かるように、夏の花の代表格の一つです。黄色やオレンジの夏らしい華やかさを演出するのにピッタリな一年草で、ガーデニング好きな方は一度は育てたことがあるほど。
コンパニオンプランツとしても利用できるので、周りの植物も元気に育ってくれますよ!
【②-9 ニチニチソウ】

ニチニチソウ・キョウチクトウ科ニチニチソウ属
開花期間が5月から10月までと長く日本の夏日にも負けない『ニチニチソウ』。多年草なのですが、耐寒性が弱いため一年草扱いになっています。
発芽気温は他の一年草より少し高めで20℃から25℃。また、『ニチニチソウ』は嫌光性の種なので、しっかり土をかぶせて発芽を待ちます。
初夏から秋まで、毎日花が咲くかのような様子から『ニチニチソウ』と呼ばれています。次々に咲く可憐な花が、あなたの目をきっと楽しませてくれますよ!
【②-10 コスモス】

コスモス・キク科コスモス属
日本の秋の景色に欠かせない『コスモス』は、季節になると一面を彩る花々が目に飛び込んできますよね。『秋桜』と呼ばれているのも頷ける美しさです。
毎年同じ場所で見かけるコスモス畑はこぼれ種によるものかも知れません。とても丈夫な一年草なのでこぼれた種で翌年も育ってくれます。
放任すると背丈がどんどん高くなってしまい風で倒れてしまうことも。摘心をして草丈を調整しながら育てるのがコツですよ。
【③ まとめ】

いかがでしたでしょうか?
春まきの一年草はどれも育てやすく初心者の方におススメの花がいっぱい。
ご紹介した一年草は、春の準備次第で夏の花壇をとても華やかに彩ってくれるものばかりです。生命力豊かな一年草の魅力を、ぜひ体感してみてくださいね!
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【ブログ作者】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点としており、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。施工例はエクステリアメーカーのカタログ等に多数掲載されている。