【ADG Indoor Green】フィカス・ウンベラータ
アルテデザインガーデンを訪ねてきたお客様の大半が、扉を開けると同時に「わぁ!」と目を見張り、笑顔になってくれます。それはきっとインドアグリーン・観葉植物たちのお陰だと思っています。皆さんご存じの通りアルテデザインガーデンは、家の外回りであるエクステリアとガーデンのクリエイティブカンパニーですが、観葉植物屋さんと間違われてしまう事もしばしば。それもそのはず、お店の中はインドアグリーンでいっぱい!世の中にたくさんあるインドアグリーン、その中から選りすぐりをインテリアの一部として置いているんです。
【ADG Indoor Green】シリーズでは、皆さんに暮らしに合った一鉢を見つけていただくために、おすすめの観葉植物たちを詳しくご紹介していきます。
アルテデザインガーデンのインドアグリーンにまた新しい仲間が増えました!それは「フィカス・ウンベラータ」。
意外と普通の種類だな…なんて思われた方がいたら、ぜひ見に来てください。その大きさや気根の迫力にビックリされるかもしれません。今回は、観葉植物の王道とも言える「フィカス・ウンベラータ」について詳しくご紹介。すでに育てている方も多いかもしれませんが、再度、特徴や育て方を確認していただく為に最後までご覧いただければと思います!
【もくじ】
【① フィカス・ウンベラータの基本情報】
【② フィカス・ウンベラータの特徴】
【③ 仕立てによってイメージが変わるフィカス・ウンベラータ】
【④ フィカス・ウンベラータの育て方】
【⑤ まとめ】
【① フィカス・ウンベラータの基本情報】
〇科属名 クワ科フィカス属
〇耐寒性 弱い(最低でも5℃以上の環境で管理してください。)
〇耐陰性 普通
〇置き場所 カーテン越しの窓辺(夏場は直射日光を避けた戸外でもOK。)
【② フィカス・ウンベラータの特徴】
インドアグリーンとしての人気が高い「フィカス・ウンベラータ」は、大きくて柔らかめの葉と1鉢1鉢に個性が感じられる樹形が最大の特徴。明るい緑色の葉が葉脈に沿って少しシワっぽくなっていて、見る人に柔らかさを感じさせてくれる表情を持っています。
ごく近年のインドアグリーンの流行とは少し違うのかもしれませんが、それでもセンスの良い観葉植物として贈り物などにも喜ばれる品種です。
葉や幹の形状にスポットライトが当たることの多いウンベラータですが、希少なお花にも注目してみてください。ある日、幹や枝にポコポコと緑色の丸いものが出てきたらそれがお花です。花らしい花ではなく「花嚢(かのう)」と呼ばれる実のように見える袋状の器官の中に花を咲かせているんです!成熟したウンベラータはこんな風に花を咲かせることがあるのですが、見た目がちょっと虫っぽいのが難点…。気になる方はもぎ取ってしまっても問題ありませんよ。
グングン伸びるウンベラータの背丈についてですが、原産地の熱帯アフリカでは高さが10メートルにもなるそう。日本で一般的に流通しているのは高さ50センチほどの小型のものから人の背丈くらいのものが主流です。一旦環境に馴染むと生育は旺盛で年間に20センチほど伸びると言われています。
以前筆者は背丈ほどのウンベラータを購入し十数年で天井に届く高さになり、そこからしなるように曲がって成長していった経験があります。おおよそで計算すると年間13センチくらいでしたね。植え替えの頻度や環境にも左右されるかとは思いますがご参考まで。
【③ 仕立てによってイメージが変わるフィカス・ウンベラータ】
ウンベラータは樹形の仕立て方によってイメージが変わるのが楽しみ方のひとつ。どこにどんな風に置きたいかをイメージしながら選ぶようにしましょう。
【③-1 テーブルに乗るような小型タイプ】
鉢も含めた高さが50センチ~1メートル未満くらいの小型のウンベラータを選んだ場合、樹形の個性というよりは葉の柔らかさをできるだけ身近に感じるのに最適です。
テーブルやおしゃれなスタンドの上にのせて目線の高さまで持ち上げて飾るのがオススメ。
鉢選びにもセンスを光らせてくださいね!また、最近では株元で曲げ仕立てをしたウンベラータも流通しているよう。幹の長さはあるけど横に伸びているので高さは出ません。テレビボードの上や玄関の飾り棚など、横に長いスペースで楽しみたいですね。
【③-2 個性的な曲げ仕立てタイプ】
オシャレなインドアグリーンとして定着しているのがこのタイプ。曲げ仕立てはオンリーワンなので一期一会なところも魅力的ですよね。ただしふんわりと大きく成長するので、ゆとりのある空間に置いてあげることが必須。成長後の樹形をイメージしながら選ぶと間違いがありませんよ。
【③-3 大迫力!大型タイプ】
今回アルテデザインガーデンにやってきたのがこのタイプ。これまでのウンベラータのイメージをくつがえすような迫力だと思いませんか?
幹や気根の荒々しい雰囲気や葉が密集している感じがお店のインテリアにピッタリ。仕入先で見た瞬間に購入を決めていました。じつは、少し前にお客様宅のインドアグリーン選びをお手伝いした時にもこのような野趣あふれるウンベラータをオススメし、空間にピッタリだととても喜んでいただきました。これまでと違うウンベラータの魅力を感じることができるのが、この大型タイプですね。
【④ フィカス・ウンベラータの育て方】
【④-1 植え付け・植え替え】
水の染み込みが悪くなっていたり、生育期にも関わらず新芽が伸びない場合は根詰まりを起こしている可能性があります。5~6月の生育旺盛な期間に一回り大きな鉢に植え替えを行うようにしましょう。
【④-2 水やり】
冬以外は、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでしっかりと水を与えてください。冬は休眠期に入りますので、土が中の方まで乾いてから水をやるようにします。
ただし暖かい室内で管理していると冬場でも成長を続ける場合があります。その際は適宜水やりを増やすようにしましょう。葉水は毎日行いましょう。後述する害虫予防にもなりますし、大きな葉に積もるホコリを落とすことにもつながりますよ。
【④-3 剪定】
ウンベラータは成長が早く放任していると樹形が崩れてしまうので、春から夏の成長期に剪定を行います。コツは生長点をよく見ること。
ウンベラータを観察すると、幹に縞々の横線が走っています。そのすぐ上に黒っぽい点やすでに少し膨らんだ点が成長点。
もし、ウンベラータの右側に新しく枝を伸ばしたい場合は、幹の右側についている成長点の1センチほど上でカットするようにしましょう。ウンベラータはゴムの木の仲間ですのでカットすると白い樹液が出てきます。人によってはかぶれることもありますので手袋などを準備しましょう。またこの樹液が床に落ちてしまうと、掃除してもなかなか落ちませんので注意が必要。剪定の際には付近に新聞紙などを敷いておくのがおススメです。
【④-4 肥料】
春から秋にかけての成長期に規定通りに希釈した液肥を与えるようにしましょう。頻度は1週間から10日に1回程度、様子をみて調整するようにしてください。
【④-5 病気・害虫】
季節を問わず乾燥しているとハダニが発生しやすくなります。ハダニは水に弱い害虫ですので小まめな葉水が予防につながります。またウンベラータの大きな葉がベタベタしていたら要注意!カイガラムシが発生している可能性があります。葉の裏や茎の付け根などをよく観察しピンセットや歯ブラシで除去するようにしましょう。
【④-6 夏越し・冬越し】
通年カーテン越しの日が入るような明るい窓辺で問題ありません。春から夏にかけては直射日光を避けて戸外での管理でも大丈夫です。寒さには弱いため室内の暖かい場所で管理し、最低でも5℃(できれば8℃)以上を保つようにしましょう。
【④-7 『番外編』葉が黄色くなってどんどん落ちる】
ウンベラータは常緑なのですが、急に葉が黄色くなって葉を落としてしまうことがあります。毎日数枚ずつひらひらと落ちていく葉を見て不安にならない人はいないと思います。
これは、ウンベラータが環境に適応できていないということ。
「購入してきたばかり」「置き場所を変えた」「急に気温が下がった」「エアコンをつけ始めた」など原因は様々ですが、思い当たることが何かあるはず。ウンベラータは環境の急変を嫌いますので、可能な限りそのような状況は避けるようにしましょう。葉を落としていても枯れてしまった訳ではありません。季節に合わせた管理を適宜行えば、春に新しい芽が吹きますのでご安心を。
【⑤ まとめ】
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した「フィカス・ウンベラータ」は育てたことがある方が多いかもしれません。
筆者も15年近く前から育てていますし、知人の新築祝いに送ったりととても身近に感じている観葉植物です。以前から馴染みのある種類にも関わらず古く感じるどころか、仕立て方や合わせる鉢によってオシャレで新鮮味を感じることができるのが「フィカス・ウンベラータ」の良いところかもしれません。
『家にウンベラータがあるよ!』という方、ぜひこの機会に鉢を変えてみたり置き場所を工夫してみたりして、新しい魅力を引き出してあげてくださいね!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画など、デザイン性を伴う作品を得意とする。