【外構や庭を植物でモダンに演出】建築やインテリアと調和させよう！
打ちっ放しや杉板調のコンクリート、一面真っ白い壁で直線的に構成された外観、モノトーンですっきりとまとめられたインテリア…。近年はこのようなモダンなデザインやミニマムデザインの住宅が人気ですよね。せっかく建物やインテリアにこだわったのなら、エクステリアや庭も雰囲気に合わせて演出したいものですよね。
そんなモダンなエクステリアや庭を、より一層引き立てる大切なアイテムが空間にマッチした植物たち。今回は一般的に流通している中から、モダンテイストに映える植物たちをご紹介します。どれも特徴的なものばかりですので、環境やデザインに合わせてセレクトしてみてくださいね！
【もくじ】
【① モダンテイストとは】
【② モダンテイストを演出する植物】
【③ まとめ】
【① モダンテイストとは】
建築やインテリアの雑誌を見ると「モダンなスタイル」「モダンデザイン」など『モダン』という言葉が多く使われていますよね。なんとなくイメージは湧くものの、具体的に『モダン』とはどういうことなのでしょうか？よく使われる素材はガラスやコンクリート、金属など無機質なものが多く、伝統的で昔からあるデザインに対して現代の生活にマッチした機能的でシンプルなデザインが『モダン』と呼ばれています。
【② モダンテイストを演出する植物】
そんな機能的でシンプルな『モダンテイスト』には、カラーや形状が特徴的な植物がベストマッチ！今回は、色やカタチに特徴がある植物を中心にご紹介しますね。
【②-1 色に特徴のある植物】
【②-1-1 ギンバイカ】
ギンバイカ/フトモモ科ギンバイカ属
『ギンバイカ』という名前よりも、ハーブとしての『マートル』という呼び名の方が馴染みがあるかもしれません。5～6月に香りのよいフワフワした特徴的な白花を咲かせる『ギンバイカ』は、その白い花と濃緑色の葉とのコントラストがとても美しい植物です。混植も良いですが、シンプルなイメージには『ギンバイカ』1種類だけをボーダー状に植えるとまとまりが良くなります。
斑入りの『バリエガタ』という品種もあり、少し暗いスペースでは明るさをプラスすることもできますよ。
【②-1-2 ディアボロ】
ディアボロ/バラ科テマリシモツケ属
アメリカテマリシモツケの品種である『ディアボロ』はオランダで作られた園芸品種。深い銅色の葉が一番の特徴で、新芽の時期から落葉までシックな色合いを長い間楽めることから大人びたモダンデザインにはピッタリ！白い手毬状の花が咲くころは特に銅葉が濃い色になり、白花と深い銅葉のコントラストが観賞価値を高めてくれます。花後にはユニークなカタチの赤い実をつけるので、切り枝としてインテリアで飾っても面白いですよ！
【②-1-3 サンゴミズキ】
サンゴミズキ/ミズキ科サンシュユ属
落葉期の真冬は、花壇に花や緑が少なくなって少し寂しい感じがしますよね。そんな彩の少ない時期にモダンガーデンに色を添えてくれるのが、この『サンゴミズキ』の『枝』なんです。生け花やアレンジの材料としてご存じの方もいるかもしれませんが、冬場の『サンゴミズキ』の枝は目の覚めるような赤色をしているんです。自然の風景の中ではあまり見慣れない枝色は、白壁やコンクリートなどの壁の前に植えることで人の目を引き付るオブジェのように魅せてくれます。
この『サンゴミズキ』の仲間には枝色が変わったものが多く、黄色や黒色の枝もあります。赤い枝と合わせて使えば、より神秘的な線となり冬場の景色を変えてくれますよ。
【②-1-4 ハクロニシキ】
ハクロニシキ/ヤナギ科ヤナギ属
なんといっても新芽の色がポイントの『ハクロニシキ』。春先に姿をあらわす新芽は「淡いピンク」⇒「白」⇒「緑がかった白」⇒「緑」の順に変化し、1本で様々な色合いが楽しめます。モダンで無機質な建築物を背景に、絶妙な色合いで変化していく様子はとても見応えがある景色となります。
丈夫な樹木なので特に手間はかかりませんが、まれに先祖返りをして葉色の変化が無くなってしまうことがあります。先祖返りとは、もともと単純だった性質を急に思い出してそのころの特徴に戻ってしまうこと。そんなときは放置せず、先祖がえりを下枝を切り落とすようにしてください。切らずに残したままにすると他の枝にも影響が出てしまうので、見つけたら早目にカットしてくださいね！
【②-2 カタチに特徴がある植物】
【②-2-1 ユーフォルビア】
ユーフォルビア/トウダイクサ科トウダイクサ属
『ユーフォルビア』はヨーロッパ原産の植物で、欧米での人気が高く多くの有名ガーデンに使用されています。ユーフォルビアと一口に言っても約2000種類以上もあって色もカタチも様々なんです。そんな中でも、銀緑色の葉の美しさが多くの人を魅了する『ユーフォルビア・ウルフェニー』と濃い紫色の葉と彫刻的な草姿が特徴的な『ユーフォルビア・ブラックバード』は、乾燥にも強く耐寒性もあるためとても人気の品種。常緑性なので冬場も葉を落とさず1年を通して個性的な姿を楽しめますよ！
お手入れの際に茎や葉の切り口から出る白い液体はかぶれの原因となることがありますので、皆さん注意をしてくださいね。
【②-2-2 カレックス】
カレックス/カヤツリグサ科スゲ属
細長い葉が密生しボリューム感を演出してくれる『カレックス』。その姿はドライでモダンな印象の庭づくりには欠かせないほどです。世界中に分布して何千もの種類がある『カレックス』ですが、日本で主に流通しているのは白い斑入りの『シマカンズケ』と黄色い斑入りの『エバーゴールド』。カットした葉は細く丸めやすいことから、フラワーアレンジメントのアクセントとして利用されることもありますよ。
【②-2-3 ラセンイ】
ラセンイ/イグサ科イグサ属
美しい螺旋を描く茎が特徴の『ラセンイ』はイグサの突然変異によって生まれた園芸品種。イグサといえば畳の材料としておなじみですよね。日本では古くから盆栽や山野草として観賞用に栽培されてきましたが海外では水辺の植物として使われることもあります。くるくると曲がる特徴的な茎は幾何学的な印象を与え、モダンテイストの名わき役として景色に変化を付けてくれます。
【②-2-4 アガベ】
アガベ/リュウゼツラン科リュウゼツラン属
オシャレな外構や店先で見かけることが多くなった『アガベ』は、メキシコやアメリカに分布している多肉植物。世界中に300種類以上あるといわれていますがフォルムやカラーはどれも特徴的。その独特な形状に魅了され、近年多くの場面で使われるようになっています。環境が合えばかなり大きく成長するので庭のシンボルになること間違いありません！
一般的に『アメリカーナ』や『ストリクタ』は耐寒性が強い品種となっていますが、購入の際にはお住まいの地域の気候に合う品種かチェックするようにしてくださいね。
【②-2-5 アオダモ】
アオダモ/モクセイ科トネリコ属
細く繊細な枝ぶりで下枝も少ないことから全体的に動きのある自然樹形が美しい『アオダモ』。野趣あふれる姿は、カタチの整った樹種では感じることのできない趣きを見せ、近年とても人気の樹種となっています。成長するにつれ幹に地衣類が付いて白い斑点模様が浮かび上がり、繊細な幹肌が一層落ち着いたたたずまいに変化していきます。
打放しのコンクリート壁や白い大壁を背景に配置をすると『アオダモ』の動きのある枝ぶりが強調されますよ。
【③ まとめ】
いかがでしたでしょうか？
建物やインテリアへのこだわりの一部をエクステリアや庭に向けることで、全体が統一感に包まれます。さらに植物にまでこだわったらどんなに素敵な空間へと変わるのでしょう。ワンランク上の我が家のポイントは、植物次第かも知れませんね！
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。
