【梅雨のお庭にピッタリ!】雨や湿気を好む植物
長くしとしと降り続く雨…。梅雨の季節はどうしても天気と同じで気分が晴れませんよね。そんなとき、お庭に明るく元気に咲く花や、しっとりと濡れた様子が美しい葉っぱがあると、気分が華やいでくるもの。
今回は、湿気や雨に強い植物をピックアップしましたので、梅雨の庭を彩ってみてはいかがでしょうか?お気に入りの種類を見つけて自宅のガーデニングにぜひ取り入れてくださいね!
【もくじ】
【① 植物の大敵、雨と湿気】
【② 雨と湿気に強い植物】
【③ まとめ】
【① 植物の大敵、雨と湿気】
ゴールデンウィークを過ぎたあたりからジリジリと気温が上がり始め、6月に入ると梅雨の季節がもうそこまで。じめじめした梅雨が苦手な方は多いと思いますが、それは植物にとっても同じこと。高温多湿を苦手とする植物はとても多く、梅雨時期に調子を崩してしまうのも珍しくないんですよ。
【② 雨と湿気に強い植物】
雨と湿気は植物の大敵ですが、じつはそんな環境を好む植物もたくさんあるんです。なかでも育てやすく観賞価値の高い草花を8種ご紹介します。
【②-1 アジサイ(紫陽花)】
アジサイは雨露に濡れた姿が情緒があり、日本の梅雨の風物詩といってもよいほど。雨の多い梅雨時期にしっとりとたたずむ姿は、見る人に季節を感じさせてくれる華やかさがあります。アジサイは剪定によって株の大きさを保つことができるので、庭に植えたり鉢植えにしたりと環境に合わせた楽しみ方ができる植物です。また、品種が多いのも人気の一つで、手毬のように真ん丸に花をつける種類、中心に花をつけずに周囲だけに花を咲かせる『ガクアジサイ』、葉に特徴を持ち白くボリュームのある花が咲く『カシワバアジサイ』など、街を歩けばいろいろな種類のアジサイに気づくことができますよ。
また、咲き終わったアジサイがいつまでも枝に残っているのを見かけたことはありませんか?アジサイは咲き終わった花がポロっと散ることがないので、来年のキレイな花のために剪定で古い花を落としてあげないとなりません。剪定時期は7月半ばごろまでがベストで、花から2~3節下の脇芽が出ている部分の上でカットしてくださいね。
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【②-2 ハナショウブ】
ハナショウブはアヤメ科の植物で、仲間で似た植物に『アヤメ』や『カキツバタ』などがあります。ハナショウブは園芸品種でこれまで5000以上の品種が作られましたが、特に江戸時代に武士の間で品種改良り一大ブームが起こったそうです!花が咲く期間がわずか3日と短く、その3日のために日々丹精込めて根気強く手入れをすることを江戸の武士たちは精神修練の一つと考えたのです。
ハナショウブは湿地帯に植わったイメージですが、じつは常に水に浸かった状態は苦手。湿気は好みますが鉢植えや地植えで楽しむことができるんです。手水鉢などに添える場合は、カキツバタやショウブなど水を好むものにしてくださいね。
【②-3 アスチルベ】
雨にあたっても花が傷まず、より一層美しさを増す…。アスチルベはそんな植物です。
アスチルベは日本や中国に自生していた品種をもとにヨーロッパで改良されました。湿潤な日本の気候に合いますが、強い陽射しや乾燥を嫌うため湿気のある半日陰を好みます。白・赤・ピンクなどフワフワした可愛らしい花が特徴のアスチルベですがじつは葉っぱも素敵で、ギザギザと切り込みの入った柔らかい葉が株元をふんわり覆います。最近では、ライム色の葉や銅葉もありカラーリーフとしても楽しむことができますよ。
【②-4 斑入りアマドコロ】
アマドコロは北海道から九州にかけての山野に自生している多年草です。その中でも葉に白い斑が入ったものを『斑入りアマドコロ』と呼んでいます。地中の根茎や春の新芽は山菜として食用にされますが、果実は有毒ですので気を付けてくださいね。
筋のように斑が入る葉は清涼感があり、じめじめとした雰囲気の梅雨時期の庭や花壇を明るく彩ってくれます。冬には地上部がなくなってしまいますが、完全に乾いてしまうと春になっても新芽が出てこない!なんてことも。乾燥に注意しながら冬場でも水をあげるようにしてくださいね。
【②-5 アガパンサス】
梅雨の季節にスッと花穂を伸ばすアガパンサス。薄紫色をした小さなユリのような花をたくさん咲かせる姿は、清涼感と優雅さを雨の景色に添えてくれます。とても丈夫なアガパンサスは植えっぱなしで手間のかからないのも人気。草丈が1mになる大型品種から30㎝ほどの小型品種まであり、花の色やカタチも様々あるので、植えるスペースに合わせて選んでくださいね。
アガパンサスは梅雨時期に開花した花が雨で傷むことはありませんが、湿気はあまり好きではありません。水をあげ過ぎてしまうと株が弱っててしまうので、庭に地植えをしている場合はよほど乾燥した日が続かない限り水やりは必要ないですよ。
【②-6 シダ類】
シダ植物は古くから地上に生息している植物です。化石でもよく見かけますよね!そんなシダ植物は花をつけたり種から芽を出したり…ということはなく胞子で増える植物。樹々に覆われた森の足元など、湿気の多い場所を好んで自生します。
一口にシダ類といってもその種類はさまざまですが、庭に向いているのは『ニシキシダ』や『リョウメンシダ』・『クサソテツ』など。どれも日陰や湿気という他の植物が苦手そうな場所を好み、胞子やランナーであっという間に増えていきます。『ニシキシダ』は白っぽいような紫っぽいような何とも言えない美しい色の葉で、『クサソテツ』も明るい黄緑の葉色からカラーリーフとしても利用されます。いずれも冬は休眠して落葉しますが、春になればちゃんと顔を出すのでご安心を!
【②-7 アンゲロニア】
陽当りの良い場所にさえ植え付けてあげれば、育てるうえで困ることが少ないとても丈夫な植物です。熱帯から亜熱帯地域に約30種類ほどが分布しており、原産地では多年草ですが日本では戸外の越冬が難しいため一年草扱いとなっています。日本の夏の高温多湿にもよく耐えてくれますが、乾燥を嫌う性質があるので水切れには要注意です。
洋風のイメージが強いですが、花色を選べば自然風や和風のお庭に使うことができます。地植えでも鉢植えでも楽しめますので挑戦しやすい植物ですよ!
【②-8 ミソハギ】
ミソハギは日本各地の湿地や小川の畔などで自生している多年草の植物です。暑さ寒さにも強い性質で、日当たりさえ確保できていれば場所を選ばずキレイな花を楽しむことができますよ。高さは1mほどまで成長して植えっぱなしでも同じところから花を咲かせるので、花壇の背景として群生させて植え込むと壮観な景色となります。ただ、あまりにも放任していると株が思いのほか大きくなってしまいます。2~3年に1回は株分けをしてあげてくださいね。
【③ まとめ】
いかがでしょうか?
湿気が多く過ごしにくい梅雨時期ですが、そんな湿気が大好きで私たちの目を楽しませてくれる植物はたくさんあります。雨露に濡れた風情のある景色は気持ちを穏やかにしてくれますよ。お気に入りの植物で雨のお庭を彩ってみてくださいね!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。