庭やエクステリアを彩る【シェードガーデンに最適な植物たち】
植物にはもともと自生していた環境を好むものが多くあります。野山の樹々の下で木漏れ日を浴びながら育つ草花などは、強い直射日光のあたる場所に植えてしまうと葉焼けをおこしたり調子を崩してしまうことも。皆さんのご自宅でも、そんな日の当たりにくい場所はあるのではないでしょうか?日当たりが良くないと育たないイメージの草花ですが、日が当たりにくい場所こそ大好きな草花なら大丈夫!これから庭やエクステリアでガーデニングを楽しんでみようと思っている方は、日当たりが悪い場所でのシェードガーデンにチャレンジするのも面白いですよ!
今回は、そんな日陰だからこそ元気に育つ草花をご紹介。しっとり落ち着いたシェードガーデンを作る参考にしてくださいね!
【もくじ】
【① シェードガーデンとは?】
【② 自宅の日陰チェック】
【③ シェードガーデンに最適な植物】
【④ まとめ】
【① シェードガーデンとは?】
北向きの庭や花壇は日光が当たりにくく、一日のうち大半が日陰になってしまうことがあります。また、隣地との高低差が大きくて高い壁や土留めで影ができたり、大きな樹の下なども日陰になりやすいですよね。このような直射日光が当たりにくい場所に、日陰や半日陰を好む草花を植えて楽しむ花壇を『シェードガーデン』と呼びます。
日陰が好きな草花だからこそ『シェードガーデン』を彩ることができるのです。
【② 自宅の日陰チェック】
庭や花壇の方角や隣地の建物など、立地条件や季節によって日陰になるスペースは違います。自宅の周りをぐるっと歩いて『日陰チェック』をしてみてください。一日中陰になる場所や午前中は直射日光が当たる場所など、スペースによって環境が少し違うのが発見できます。少しの時間日が当たる場所には半陰樹の草花、日が当たらない場所には陰樹の草花と、それぞれの好みの環境にあわせて植えるようにしてあげましょう。
『日陰チェック』の際には、地中にある配管やエアコンの室外機など障害物も同時にチェックしてくださいね!配管が浅かったり、夏場に熱風が出る室外機近くは植えることができませんよ。
【③ シェードガーデンに最適な植物】
ここでは、日陰を好む『シェードガーデン』に最適な草花をご紹介します。
【③-1 ギボウシ(ホスタ)】
東アジア原産の『ギボウシ』は、日本の山野にもさまざまな野生種が自生している馴染みのある植物。自生しているくらいなので日本の気候ともよく合いますが、木漏れ日ほどの場所で育つため半日陰を好みます。強い直射日光の下では葉焼けを起こしてしまうので『シェードガーデン』にピッタリ!宿根草で冬場は地上部の葉がなくなりますので、枯れてしまったと勘違いして株を抜かないようにしてくださいね。
【③-2 アスチルベ】
アスチルベは日本や中国に自生していた品種をもとにヨーロッパで改良されました。湿潤な日本の気候に合いますが、強い陽射しや乾燥を嫌うため湿気のある半日陰を好みます。適度に陽を浴びると花付きが良くなるので日中少し陽が差す場所を選んで植えてあげましょう。梅雨時期に咲く煙ったような繊細な花が人気で『シェードガーデン』定番の品種ですよ。
【③-3 アルケミラ・モリス】
細かい毛でおおわれた葉は、雨が降ると水滴をまとって反射した光がキラキラと美しく見える『アルケミラ・モリス』。強い暑さと湿気に弱いので、大きな木の足元や半日陰になる場所を選んで植え込みます。また、蒸れにも弱く梅雨から夏にかけては風通しを良くするため、枯れた葉を取り除いたり切り戻しをして多湿を避けるようにしてくださいね。
【③-4 クサソテツ】
しっとりと自然を再現するシェードガーデンに欠かせない存在の『クサソテツ』。トレッキングの際、木漏れ日の下に自生している姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか?観賞価値の高い葉はとても存在感が大きく、石や砂利を組み合わせて数株の『クサソテツ』を配置するだけで、山の景色を切り取ったかのような庭が完成します。『クサソテツ』のほかにも、『リョウメンシダ』や『クジャクシダ』など、シェードガーデンに似合うシダ類はたくさんありますよ。
【③-5 クリスマスローズ】
ガーデニングでは不動の人気を誇る『クリスマスローズ』。花が安定せず、種から育てるとどんな花か咲くまでわからないのも魅力の一つですよね。高温多湿が苦手で夏場の強い陽射しも要注意。暗すぎる日陰では花付きが悪くなってしまうので、風通しの良い明るい日陰を探してください。壁際や木陰の下など適度な陽射しがあるところがベストですよ。
【③-6 ツワブキ】
日本各地で自生している『ツワブキ』は、海沿いや山地の日陰で見かけることの多い品種です。海岸線にも自生しているので潮風に強く日向でも育ちますが、夏場の強い西日は禁物です。明るい日陰か半日陰になる場所に植えてあげましょう。葉の形が特徴的で一見和風庭園にしっくりくるイメージですが、しっとりとしたシェードガーデンに配置するとその存在感が際立ちますよ。
【③-7 アマドコロ】
この『アマドコロ』もトレッキングの際に見かけることの多い品種。日本の気候とも合い、日向でも半日陰でも育つことからシェードガーデンによく利用されています。釣り下がるように咲く花がとても可愛く、ある程度のスペースに群生させると見ごたえたっぷりですよ。
【③-8 フッキソウ】
日本や東アジアの山地に自生している『フッキソウ』は、明るい半日陰で湿り気のある場所を好みます。樹高が10㎝~15㎝ほどなのでグランドカバーとして利用することが多く、常緑性で管理のあまり要らないことから『シェードガーデン』に植えるには最適な草花です。ピンっと張りのある葉が特徴で、水が足りなくなると葉がお辞儀をすることから水やりのタイミングを計るバロメーター的な役割にも重宝します。
【③-9 ヒューケラ】
赤やキャラメル・シルバー・オレンジなど、葉色がとても豊富な『ヒューケラ』は、シェードガーデンに彩りを添えてくれるカラーリーフです。耐陰性が強く半日陰でも育ちますが暗すぎると葉色を落としてしまうこともあるので、日当たりをチェックしながら植えてあげましょう。繁殖力の旺盛な植物には負けてしまうこともあるので、お隣さんはおとなしい品種を選んでくださいね。
【③-10 イカリソウ】
イカリソウ・メギ科イカリソウ属日本各地で自生している『イカリソウ』は山野草としても知られています。山林の木陰などで育つことから強い陽射しが苦手で、風通しの良い明るい日陰を作ってあげましょう。落葉樹の足元などは最適で、夏場は葉が生い茂り明るい木陰となって直射日光から『イカリソウ』を守ってくれますよ!
【④ まとめ】
自宅は陰になるスペースしかないからと諦めていた方も、『シェードガーデン』に最適な植物を選べばガーデニングを楽しめます。また、日陰や風通しなどの環境は作ってあげることもできます。ご紹介した中でお気に入りの草花を植える場合は、大きな木を植えて木陰を作るなどの工夫をすれば大丈夫!
今までエクステリアや庭でデッドスペースだった場所を、素敵なシェードガーデンにしてみてはいかがでしょうか?
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。