【アルテデザインガーデンの植物図鑑】ブルーベリー

エクスエリア・ガーデンやランドスケープデザインに欠かせないものと言えば、植物ですよね。世界中には20万から30万種(学者により種の分類方法が変わりますのでおおよその数とお考え下さいね)の植物があると言われています。そこから日本の気候に合うものや地域の環境に合うもの、植えたい場所の特性にマッチした植物を選び出すとずいぶん数が減る訳ですが、それでもまだまだたくさんの種類があり、自分のお庭に合うものを探すのはなかなか大変ですよね。
そんな困りごとの手助けになればと、このブログでは外構やお庭に植えるのにおすすめの植物を【アルテデザインガーデンの植物図鑑】として掲載していきます。
庭を持ったらやってみたい事のひとつに「果樹を育てる」をイメージされている方が多いのではないでしょうか?
庭で収穫したフルーツを使ってお菓子作りをしたり、朝食のヨーグルトに添えたり…夢は広がりますよね。だけど果樹といっても何を選べば良いのでしょうか。以前のブログ『庭や家庭菜園で使えるオススメ果樹【総まとめ】15選』や『【庭やベランダで果樹を育てよう!】おうち時間を素敵に満喫』でも様々な果樹をご紹介してきたアルテデザインガーデンが、この時期にご紹介したいのが「ブルーベリー」。果実だけではなく花や葉も美しいので、お庭やエクステリアに植える樹木としても魅力がたっぷり!
今回はそんな「ブルーベリー」の魅力や育て方を詳しくご紹介していきますね。
【もくじ】
【① ブルーベリーの基本情報】
【② ブルーベリーの特徴】
【③ ブルーベリーの品種を学ぼう】
【④ ブルーベリーの育て方】
【⑤ まとめ】
【① ブルーベリーの基本情報】

〇科属名 ツツジ科スノキ属
〇園芸分類 半常緑~落葉
〇花期 3月下旬~5月上旬
〇耐寒性 普通(ラビットアイ系、サザンハイブッシュ系)・強い(ノーザンハイブッシュ系)
〇耐暑性 弱い(ノーザンハイブッシュ系)・強い(ラビットアイ系、サザンハイブッシュ系)
【② ブルーベリーの特徴】

『ブルーベリー』と言えば、加工されたジャムとしての姿やカットケーキに数粒のせられている姿が思い浮かびますが、樹木としての鑑賞価値も高い事はご存じでしょうか?
くすんだ黄緑色のしっとりとした葉としなやかな枝は、お庭に明るさと動きをもたらしてくれます。4月には、まるでスズランのような白く小さな花をたくさん咲かせてくれますし、夏には緑から赤、青紫へと美しく色を変化させる美味しい果実を付けてくれます。それに、何と言っても紅葉がきれいなのも『ブルーベリー』の特徴。同じツツジ科のドウダンツツジと同じくらい真っ赤に紅葉してくれます。(紅葉や落葉しない品種のブルーベリーもあります。)
収穫した果実は、調理してジャムなどにするのがオススメ。またきれいに洗った実を冷凍保存しておけば、ヨーグルトにかけたりスムージーの具材にしたりと利用の幅が広がりますよ。
【③ ブルーベリーの品種を学ぼう】

ブルーベリーを育てようと思った時にまず悩んでしまうのが品種。ブルーベリーには品種がたくさんあり、どれを選んで良いか悩んでしまう方が多いようです。まずは、ブルーベリーの品種について簡単に学んでみましょう。
ブルーベリーの品種は大きく2つの系統に分けることができます。それが「ラビットアイ系」と「ハイブッシュ系」。さらにハイブッシュ系は「ノーザン(北部)」と「サザン(南部)」の2種類に分かれています。すでにややこしくなってきましたが…先に種明かしをしておくと、香川県で育てるのに向いている品種は「ラビットアイ系」か「サザンハイブッシュ系」。さらに、実を付ける為には同じ系統の中から別品種を2本以上植える必要があります。「ラビットアイ系」を育てようと決めたならば、ライビットアイ系統の中から別品種を2本以上選ぶようにしてくださいね。
【③-1 ラビットアイ系】
熟す前の果実がウサギの目のような赤い色をしていることから名付けられたという「ラビットアイ系」のブルーベリー。暑さには強く寒さに多少弱いという性質を持っています。といっても耐寒温度はマイナス10℃ですので、香川県ではそこまで神経質になる必要はありませんね。樹勢が強く庭植えにも鉢植えでも楽しむことができますよ。
収穫は8月上旬から9月下旬頃まで。気になる果実ですが、サザンブッシュ系に比べると皮が厚めで硬めの食感です。酸味は少なく糖度も控えめなのでさっぱりとした味わい。
【③-2 ノーザン(北部)ハイブッシュ系】
原産国であるアメリカの北部の品種を「ノーザンハイブッシュ系」と区別しています。ハイブッシュと言えば基本的には「ノーザンハイブッシュ系」を指し、果実の味わいも大変良い品種が多いのですが暑さに弱いのが玉にキズ。東北や北海道では栽培可能ですが、それ以外の地域では栽培が難しいとされています。
【③-3 サザン(南部)ハイブッシュ系】
品質の良い「ノーザンハイブッシュ系」を蒸し暑いアメリカ南部でも育てようと品種改良されたのが「サザンハイブッシュ系」という訳です。比較的暑さに強く、寒さや乾燥には弱いのが特徴。といってもこちらの耐寒温度もマイナス10℃ですので、香川県では問題なさそうですね。
収穫はラビットアイ系よりも早く6月下旬から8月上旬ごろまで。ラビットアイ系とサザンハイブッシュ系を一緒に植えれば長く収穫を楽しむことができますよね。味は甘み・酸味共に強くしっかりした味わいの品種が多いようです。
【④ ブルーベリーの育て方】
【④-1 植え付け・植え替え】
植付けの適期は真冬を除いた11~3月。日当たりと水はけの良い場所を選んで植えるようにしましょう。ブルーベリーを植えるときに大切なのが土。酸性の土壌を好む性質がありますので、野菜栽培向けの酸度調整されている土は使用しないようにしましょう。ブルーベリー用の土を購入するか、酸度未調整のピートモスを多めに入れて適正なpH値に近づけるようにします。参考までにブルーベリーの生育に適したpHは、ハイブッシュで4.3~4.7、ラビットアイで4.3~5.3です。
【④-2 水やり】
植付け直後や夏の高温期には土の表面が乾いていればしっかりと水やりを行うようにしましょう。特に鉢植えの場合は、一旦水が切れてしまうと回復が難しいので特に気を付けるようにしてくださいね。
【④-3 剪定】
植付け後の数年は積極的な剪定を行う必要はありません。3~4年ほど経過すると株全体が充実し、混み合う枝や枯れた枝などが増えてきますので剪定を行うようにしましょう。ブルーベリーは1~2月の休眠期と8~9月の夏季に剪定を行うことができます。主に成長しすぎた枝を切り、風通しや日当たりの確保を目的として行います。
また、ブルーベリーは枝の先端に花芽を付けますので枝先ばかりを剪定してしまうと、花が咲かず実がならないということになります。ブルーベリーの花芽は葉芽と比べてふっくらとしていますので、しっかりと確認しながら剪定を行うようにしましょう。
【④-4 肥料】
5月・8月下旬に追肥を与えます。収穫後にはお礼肥を与えましょう。化学肥料は最小限に抑え、できるだけ堆肥などの有機物を施すことが大切です。
【④-5 病気・害虫】
目立つ病害虫はありません。ただし、実が美味しくなる時期を迎えると野鳥に食害されてしまう可能性もあります。しっかりと収穫したい場合はネットを張るなどの対策を行うようにしましょう。
【④-6 夏越し・冬越し】
特に必要な作業はありません。
【⑤ まとめ】

いかがでしたでしょうか?
市販のブルーベリージャムってちょっとクセがあってずっと苦手だったのですが、この仕事を始めてお客様の庭にできた一粒のブルーベリーをいただいた時にブルーベリーの印象が180度変わりました。
採れたてのブルーベリーって全然クセが無くて美味しいんです!
それぞれの家庭で瑞々しく育った旬のフルーツをフレッシュな状態で食べることができる、それがお庭で果樹を育てる大きなメリットと言えますよね!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画などデザイン性の高い物件を得意とする。