【アルテデザインガーデンの植物図鑑】ロータスブリムストーン
エクスエリア・ガーデンやランドスケープデザインに欠かせないものと言えば、植物ですよね。
世界中には20万から30万種(学者により種の分類方法が変わりますのでおおよその数とお考え下さいね)の植物があると言われています。そこから日本の気候に合うものや地域の環境に合うもの、植えたい場所の特性にマッチした植物を選び出すとずいぶん数が減る訳ですが、それでもまだまだたくさんの種類があり、自分のお庭に合うものを探すのはなかなか大変ですよね。
そんな困りごとの手助けになればと、このブログでは外構やお庭に植えるのにおすすめの植物を【アルテデザインガーデンの植物図鑑】として掲載していきます。
葉の表面に細かな白い毛がびっしりと生えている葉っぱを見たことがありませんか?触ると何とも言えずフワフワもこもことした手触りで気持ち良いんですよね。その白い産毛でキラッと光って見える事から「シルバーリーフプランツ」なんて呼ばれ方をしたりもします。
今回は、そんなフワフワの葉っぱを持つ植物の中から「ロータスブリムストーン」という種類をご紹介したいと思います。黄色から緑色への爽やかなグラデーションの葉が特徴的で、花壇や寄せ植えのポイントとなってくれる植物です。もちろん触り心地も抜群!
「ロータスブリムストーン」の魅力や育て方を詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧くださいね。
【もくじ】
【① ロータスブリムストーンの基本情報】
【② ロータスブリムストーンの特徴】
【③ ロータスブリムストーンと一緒に育てたいシルバーリーフプランツ】
【④ ロータスブリムストーンの育て方】
【⑤ まとめ】
【① ロータスブリムストーンの基本情報】
〇科属名 マメ科ドリクニウム属
〇園芸分類 常緑亜低木
(亜低木とはごく背の低い木で、幹の根元が木質、先が草質のもの)
〇花期 5月~7月頃
〇耐寒性 強い(マイナス10度前後)
〇耐暑性 普通(湿気と蒸れに弱いので日本の夏は注意が必要)
【② ロータスブリムストーンの特徴】
新芽の明るい黄色からグリーンまでのカラーグラデーションが美しい「ロータスブリムストーン」。
細かな白いうぶ毛に覆われた葉っぱはフワフワとして手触りも気持ちの良い植物です。新芽の黄色い部分が花に間違われることも多いですが、初夏にはピンクがかった白い小花を咲かせてくれますよ。
その美しいカラーリングが魅力的なロータスブリムストーンですが、育てる私たちにとってもう一つのメリットがあるんです。
それは『常緑性』という事。お庭の管理をしていく上で常緑性の植物には助けられることが多いですよね。ロータスブリムストーンは四季を通して可愛らしい姿を楽しむことができるとても優秀な植物なんですよね。
冬もへこたれない丈夫さを持つこちらの植物ですが、反対に夏はちょっと苦手。日本特有の高温多湿の環境に気を付けなければならないんです。元々乾燥気味に育てられることを好みますので、梅雨時期は特に注意が必要。なんだか元気が無いからと水をたくさんあげたりすると突然枯れてしまう事もあります。土の状態をよく確認してから水やりを行うようにしてくださいね。
【③ ロータスブリムストーンと一緒に育てたいシルバーリーフプランツ】
美しい葉が魅力のロータスブリムストーンと一緒に育てたいシルバーリーフプランツをご紹介。花壇の中で隣同士に植えるというよりは、少し離れた場所に植えることで花壇全体のバランスや統一感がアップすると思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
【③-1 ラムズイヤー】 シソ科イヌゴマ属
「ラムズイヤー」を日本語にすると「羊の耳」となりますよね。その名の通りビロードのように柔らかくて心地よい手触りの植物です。
涼しげなシルバーリーフと梅雨時期に上がる花穂が特徴。
こちらもロータスブリムストーン同様に、日本の高温多湿の梅雨時期が苦手。管理方法が似ているので一緒に育てやすいですね。
【③-2 シルバーレース】 キク科タナケツム属
本物のレースのように繊細な葉を持つ「シルバーレース」。
同じキク科のシルバーリーフプランツのシロタエギクとよく似ているといわれていますが、比べてみると繊細さが群を抜いています。こちらも乾燥気味の環境が好きな植物です。ロータスブリムストーン同様水やりには気を付けるようにしましょう。
また、植えることで雰囲気を明るくしたいからと半日陰に植え付けると日照不足により葉色が銀色から緑に近い色になってしまいますので、植え付け場所には気を付けるようにしてくださいね。
【③-3 フランネルフラワー】 セリ科アクチノータス属
元々日本では切り花としての流通が多かった「フランネルフラワー」ですが、最近では鉢植えのものがよく出回っています。柔らかいネルシャツの素材であるフランネルの感触に似ていることからその名が付いたそう。
とても可愛らしい植物なのですが、暑さや寒さに弱い性質なので季節に合わせて置き場所を変更してあげる必要があります。ですので鉢植えでの流通がメインとなっている訳です。
こういった植物はお気に入りの鉢植えに植え込んだ状態で、花壇の中のポイントとなる場所に設置してあげるのがオススメ!簡単に花壇の雰囲気を変えることができますよ!
【④ ロータスブリムストーンの育て方】
【④-1 植え付け・植え替え】
植付けの適期は3~5月と10月です。水はけ、風通しの良い場所に植え付けるようにしましょう。夏の強い日差しも苦手ですので半日陰がベストです。
ロータスブリムストーンは移植により根を触られることを嫌う植物。なるべく移動しなくて良いように、しっかりと場所を考えてから植え付けましょう。もし移植をする場合は根鉢を崩さないように丁寧に行なうようにしてくださいね。
【④-2 水やり】
乾燥気味を好む植物ということを忘れないようにしましょう。地植えの場合は、根が付けば水やりは降雨まかせでOKです。
鉢植えの場合は、土の表面がしっかり乾いてからたっぷりと水を与えるようにして下さいね。ロータスブリムストーンの調子が悪くなってきた場合の原因のほとんどが水のやりすぎと言われていますので要注意です。
【④-3 剪定】
ロータスブリムストーンにとって重要なのがこの剪定作業です。
枝葉をカットせずに放任していると葉が密集し蒸れてしまい突然枯れるという事につながります。また、株元付近が茶色く枯れてしまい不格好になりますので忘れずに行いましょう。形を整えるというよりは、切り戻し作業になりますのでそんなに難しいことはありません。
梅雨前の5~6月頃に全体の高さの半分以上まで切り詰めるようにしましょう。また風と日差しが根元まで行き渡るように適度に小枝を間引くようにしてください。
【④-4 肥料】
多くの肥料を必要とする植物ではありませんが、年に2回(春と秋)に緩効性の肥料を少量与えるとよいでしょう。
【④-5 病気・害虫】
特に目立つ病害虫はありません。
【④-6 夏越し・冬越し】
乾燥ぎみを好むロータスブリムストーンの一番苦手としている季節が高温多湿の日本の夏。特に蒸れる梅雨時期は注意が必要です。
「④-3剪定」でもお伝えしましたが、梅雨前には全体の高さの半分以下まで刈り込みを行い、株の中まで風が通るようにしましょう。また、植え付け時から水はけがよくて風通しもよい場所に植えておくということも重要です。
夏の直射日光により葉焼けを起こすこともありますので、鉢植えの場合は軒下に移動するなどの対策を行うようにしてくださいね。
耐寒温度がマイナス10℃前後と寒さには強い為、特に冬越しの対策は必要ありません。
【⑤ まとめ】
いかがでしたでしょうか。
「ロータスブリムストーン」は一株で主役になるような植物ではありませんが、とにかくあると便利で回りを明るくナチュラルに演出してくれる名脇役的な存在。新芽のクリームイエローが美しく映えるポイントです。
ただし第③章でも書いたように湿気に弱く突然枯れてしまう事もある植物ですので、今から準備をして梅雨までにはしっかりと充実した強い株に育てるようにしましょう!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画などデザイン性の高い物件を得意とする。