【エクステリア・ガーデンに自然風景を!】雑木の庭にピッタリな草花
近年のシンプルな住宅や店舗などで、幹がくねくねと曲がった自然な樹形の植木で雑木林を再現したようなお庭をよく見かけませんか?個性的な樹形が里山のような景色を作り出す『雑木の庭』は、見る人を癒やしてくれる人気のスタイルのひとつです。
今回はそんな雑木林風のお庭にピッタリな下草・低木類をいくつかご紹介。自然樹形の高木類と合わせてエクステリア・ガーデンに自然風景を取り込んでみましょう!
【もくじ】
【① 雑木の庭とは】
【② 雑木の庭にピッタリな下草・低木類】
【③ まとめ】
【① 雑木の庭とは】
日々の生活のなかで自然の心地よさを感じることができたら素敵ですよね!
庭やエクステリアを作るメリットのひとつが、植物や石などの素材で作った自然風景を生活の一部に取り入れることができるということがあます。自然のありのままの空気感を庭にもたらすこと、それによって住む人の暮らしが快適で豊かなものになること、それが『雑木の庭』なのです。
【② 雑木の庭にピッタリな下草・低木類】
文字通り『雑木の庭』には、雑木林の雰囲気に習って落葉広葉樹を多く植えていきます。そんな雑木風スタイルの庭にピッタリな下草や低木類をご紹介。いつか訪れた田舎の雑木林や里山の風景を思い浮かべながら、お好みの樹種を探してみてくださいね。
【②-1 ウエストリンギア】
『オーストラリアンローズマリー』と呼ばれることもある『ウエストリンギア』。その名の通り木立性のローズマリーとよく似た形をしているのですが、じつはシソ科の常緑低木樹なのです。ローズマリーは樹形が乱れやすいのが難点ですが、『ウエストリンギア』は枝がまっすぐ伸びるので美しくまとまり扱いやすいのが特徴。お店に出回っているのは斑入りの品種が多いので、暗くなりがちな高木の足元を明るく彩るには最適ですよ。
この『ウエストリンギア』、オーストラリアの植物だけあって湿気が苦手。水のやり過ぎには注意して、長雨になりやすい梅雨時期も気を付けるようにしてください。
【②-2 ウツギ】
『ウツギ』という名前は、幹の中が中空であることから『空木(ウツギ)』と呼ばれています。北海道から九州、奄美大島まで日本中に自生していて、昔は畑や田んぼなどの境界を表すために植えられていたそうです。そんな日本に根付いている『ウツギ』、日当たりが良く少し湿った場所を好むものの、西日が当たったり乾燥するような場所でも耐えてくれるので初心者向けの植物ともいえます。
ひとくちに『ウツギ』といっても、ウメに似た花を咲かせる『バイカウツギ』や背が高くならず丈夫な『ヒメウツギ』、小型のアジサイのような『ノリウツギ』などたくさんの種類がありますよ。
どれも比較的丈夫で育てやすく楚々とした美しい花を咲かせるので、お庭の自然風景づくりに欠かせない低木といえるでしょう。
【②-3 キチジョウソウ】
10~11月の少し冷たい風が吹くようになった頃、つつましく可憐な花を咲かせる『キチジョウソウ』。縁起の良い花として知られていますが、これはキチジョウソウを植えている家には花が咲いた時に『吉事』があるという言い伝えがあるからだそうです。
半日陰でよく育つ常緑多年草で、植栽スペースを緑で覆いたい場合のグランドカバーとして最適です。ただ、地下茎がよく発達してその先に小株が増えていくので、思った以上離れた場所まで株が伸びてしまうことも。放任しすぎてしまうと予想以上に広がりますので、しっかり管理をしてくださいね。
【②-4 シシリンチウム】
『シシリンチウム』というと聞き覚えがあまりない名前ですが、学名は『アヤメ』・『セキショウ』とどちらも馴染みのある植物名です。半常緑性の多年草でアヤメ科らしいスッと伸びた剣のような葉っぱに可愛らしい小花をたくさんつけるのが特徴。野草のような趣がある花で、庭に点在させるように植えると野の花のような雰囲気を出すことができます。
付ける花の色は品種によりますが、爽やかなブルー系やクリーム色が多くそれぞれ草丈もずいぶん違います。植える場所や作りたいイメージに合わせた品種を選ぶようにしましょう。
【②-5 シラン】
『ラン』と聞くと開店祝いなどで贈られる胡蝶蘭を思い浮かべて、栽培が難しそう…と思う方も多いのではないでしょうか?『シラン』は庭植えはもちろん鉢植えでも楽しむことができるランの入門品種なんです。春になると笹のような葉っぱを伸ばし始め、梅雨前には赤紫色の可憐な花を咲かせます。日本各地の土手や崖などに自生していることから、原風景として懐かしく感じる方もいるかもしれませんね。「そういえば田舎のおばあちゃんの庭に植わっていたなぁ」など、思い出のある植物を自宅に植えるのも愛着がわいて楽しくお世話ができますよ。とても育てやすい『シラン』ですが、2~3年に1回は株分けをして植え替えをしてあげましょう。そのままにしておくと株が弱くなってしまうこともあるので気を付けてくださいね。
【②-6 ツルバキア】
南アフリカが原産の球根植物ですが、耐寒性があるためかポット苗の状態でよく流通しています。『ビオラセア』と『フラグランス』の2種をよく見かけますが、特によく流通しているのは『ビオラセア』の方。アガパンサスを小さくしたような花が5月の初夏から秋まで咲く、開花時期のとても長い品種です。また、『ビオラセア』の斑入りの品種の『シルバーレース』は繊細な印象の細葉に明るいピンクの花を付けるので、暗いイメージの庭や花壇に華やかな印象をプラスしてくれる強い味方です。
一方『フレグランス』は名前の通り甘い香りの花を付ける品種。こちらも花もちが良いので、切り花にして室内で芳香を楽しんでも良いかも知れませんね。いずれの品種も少し乾き気味の半日陰が好み。庭を見渡して絶好の場所があればぜひ取り入れてみてくださいね。
【②-7 ティアレラ】
最近人気のカラーリーフプランツ『ヒューケラ』とよく似ている『ティアレラ』をご存じですか?どちらも日陰で湿気のある場所が好きなシェードガーデン向きの植物ですが、『ティアレラ』の方が小ぶりにまとまりやすく切れ込みのあるカエデのような葉っぱは野趣にあふれ雑木の庭にはよく合います。『ヒューケラ』のようにカラフルな葉色のバリエーションはありませんが、葉脈に沿った不規則な模様などしっとり渋めのラインナップです!
「ヒューケラは好きだけどちょっと飽きちゃったな」という方はぜひ『ティアレラ』に挑戦してみてください。その落ち着きのある風情のとりこになってしまうかも。
【②-8 トキワナルコユリ】
以前、当ブログでも日陰に強い植物をご紹介したことがありましたが、そんな耐陰性のある植物の中でも別格なのがこの『トキワナルコユリ』。1日中日陰で暗い場所でも育てることができる数少ない『極陰植物』のひとつなんです。日当たりが良いと葉焼けを起こしてしまったりするので、日陰のほうがより美しい葉色を楽しむことができますよ。高木の足元や軒下のような過酷な環境でも緑を保ってくれる貴重な植物。自宅にそんなスペースがあればぜひ試してみてくださいね。
【②-9 フッキソウ】
繁殖が旺盛でよく茂ることから『富貴草』や『吉事草』など縁起の良い名前で呼ばれている『フッキソウ』。日本原産のグランドカバーで、地面を這うように地下茎をどんどん伸ばして一面を緑でカバーしてくれます。特に春の若葉はツヤツヤとした光沢があり1年を通しても一番見応えのある時期とされています。
斑入りの品種もあるので庭の構造物の周囲や植木の陰などの半日陰に配置すれば、パッと明るいグリーンのカーペットを広げたような景色を作ることができますよ!
【②-10 ブルンネラ】
4月~5月頃、庭ではちょっと珍しい水色に近いブルーの小花を付ける『ブルンネラ』。花が終わって夏が近づくと『ブルンネラ』の葉っぱは急に大きく成長します。白い産毛がキラキラと輝いてカラーリーフとして本領発揮の季節!『ブルンネラ・ジャックフロスト』という品種は葉脈が際立つシルバーリーフで、欧米ではこの品種の登場以来多くの賞を獲得しているほどなんです。
半日陰のやや湿った場所が好みなので雑木の庭の足元にはピッタリの植物。夏場の陽射しを避けるために落葉樹の陰になるような場所を探してあげてくださいね。
【③ まとめ】
いかがでしたでしょうか?
わざわざ高原や山へトレッキングに出かけなくても、窓を開ければすぐそこに自然風景が見られる。想像するだけで毎日の疲れが癒されそうですね!
エクステリアや庭では、ほんの少し植物を工夫するだけでそんな風景を身近に作ることができるんです。毎日目にする景色ですから植物にもこだわってみませんか?
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。