【虫よけ効果のある植物】植物の力を借りて快適に過ごそう!
夏の庭仕事は、暑さや紫外線など大敵がいっぱいですよね。人間や植物はぐったりなのに、蚊やハエなどの虫たちはなんだか元気いっぱい活動的に飛び回っていますよね…。時にはそんな招かれざる客が家の中に入ってしまってギョッとすることも。
今回は今の時期にピッタリな「虫よけ効果のある植物」を詳しくご紹介。もちろん、殺虫剤などの薬剤に比べると効果はマイルドですが、なるべく薬剤に頼りたくない方やオーガニックがお好きな方にはおすすめですよ。
【もくじ】
【① 虫よけ効果のある植物「忌避(きひ)植物」とは】
【② 虫よけ効果のある植物】
【③ 虫よけ効果のある植物を使って一工夫】
【④ まとめ】
【① 虫よけ効果のある植物「忌避(きひ)植物」とは】
私たちの生活には、虫よけ効果のある植物から取り出した忌避(きひ)成分を使ったものが身近にあるのをご存じですか?洋服の防虫に使われる樟脳(しょうのう)はクスノキの成分が使われていますし、日本の夏の風物詩である蚊取り線香には除虫菊という植物の成分が使われています。「忌避(きひ)」って聞きなれない言葉ですが、意味は「嫌って避けること」。植物のなかには自らを害虫から守るために、害虫が苦手な香りや味などの忌避物質を作り出す種類があり、それを「忌避植物」と呼んでいます。
【② 虫よけ効果のある植物】
植物があるから虫がやってくるんだ!と思いがちですが、このように虫が嫌う植物もあるのです。これらの植物をお庭やエクステリアに取り入れることで虫よけ効果が期待できますよ。また、室内の窓辺なんかに鉢植えとして置くことで部屋への虫の侵入も防いでくれる効果もあります。
ここからは、お庭や外構に取り入れやすい「虫よけ効果のある植物」をご紹介。ただし、これらの植物を植えたからといって虫が完全に防げるわけではないことはご了承くださいね。
【②-1 センテッドゼラニウム】
「センテッドゼラニウム」は、ハーブゼラニウムやニオイゼラニウムという名前で流通していることからも分かるように、葉に香りがあります。その香りには「シトロネラ」という蚊が嫌う成分が入っているそう。網戸が無いことの多いヨーロッパでは、窓辺にゼラニウムの鉢植えを置いて蚊よけをしているんです。
バラの香りのするローズゼラニウムや、爽やかなミントの香りのミントゼラニウム、リンゴの香りのするアップルゼラニウムまであるんです!お気に入りの香りを見つけて、蚊の出やすい場所に植えてみてはいかがでしょうか。
【②-2 ラベンダー】
ハーブとして馴染み深い「ラベンダー」には、虫よけ効果のある「リナロール」という成分が含まれています。これはラベンダーが色々な生活必需品の香料に使われていることからもわかるように、リラックス効果や鎮静作用のあるものなんですが実は虫よけにも効くんです。ラベンダーは乾燥させても香りがしっかり残るので、ドライフラワーにしておしゃれに虫よけ対策をすることができますね。花を束ねて、風通しの良い場所に1~2週間ほど吊下げておけば、簡単に生花からドライフラワーを作ることができますよ。
【②-3 コモンタイム】
料理に使われるハーブとしてもポピュラーな「タイム」。立ち上がって上に伸びていく立性の「コモンタイム」、地面を這うように広がる匍匐性の「クリーピングタイム」などが有名ですが、一般的にタイムと言われているのは「コモンタイム」のこと。料理に使われているのも「コモンタイム」なんです。
お肉などの臭み消しに使われるコモンタイムの香りですが、虫よけにも効果あり。その成分を嫌う虫は、蚊・ハエ・ゴキブリなど。見た目にもかわいい植物で、お料理にも使えて虫よけにもできるなんて、とっても優秀な植物ですよね。ただしタイムは繁殖力が旺盛!植え付ける場所には注意が必要ですよ。
【②-4 ペパーミント】
「ミント」に含まれている「メントール」には虫よけ効果があります。ミントの中でも特に「ペパーミント」にはメントールが多く含まれているため、より効果が高いと言われているんです。私たちにはスーッと爽やかに感じるミントの香りは、虫にとっては苦手な香りなんですね。タイムと同じようにミントの繁殖力もとっても旺盛です。地植えにするとものすごい勢いで増えていきますので、鉢植えで育てることをおすすめします。
【②-5 ルー(ヘンルーダ)】
変わった名前の「ルー」ですが、別名で「ヘンルーダ」とも呼ばれるミカン科の植物。香りが強くお庭の様々な害虫やハエよけになります。乾燥させた枝をパントリーやクローゼットに吊るしておくと防虫効果がありますよ。それにこのルーには「猫いらず草」という別名もあり、猫が嫌がる香りでもあるんです。
「ルー」はきれいな緑色で丸く特徴的な葉がかわいらしい植物で、観賞用としても優秀。常緑多年草ですので、冬の間もそのかわいらしい姿を楽しむことができますよ。
【②-6 除虫菊(ピレスラム)】
マーガレットに似た可憐な花を付ける「除虫菊」は、蚊取り線香の原料としても有名ですよね。花に「ピレトリン」という殺虫成分を含んでいるのですが、人間や犬ネコなどの哺乳類には無害な為、古くからオーガニックな虫よけとして使われていたそう。除虫菊の「殺虫」能力は蚊取り線香のように燃やしたときだけなんですが、「虫よけ」には植えているだけでも効果がありますよ。比較的寒さに強い多年草で、ガーデニング初心者の方にもおすすめの植物です。日当たりと水はけのよい場所で、乾燥気味に育ててあげてくださいね。
【②-7 タンジー】
除虫菊と近縁種の「タンジー」。深緑色の葉っぱに黄色く丸いボタンのような花が印象的な多年草で、夏の花壇を爽やかに彩ってくれます。ハエやアリよけに効果があるとされていますので、摘んだ花を束にして窓際に吊るしておくと室内への虫の侵入を防止できますよ。このように優秀かつかわいらしい花姿の「タンジー」ですが、花や葉っぱすべてに毒性成分が含まれていますので直接口に入れることは厳禁。またキク科の植物にアレルギーのある方は触るだけでも炎症が起きてしまう場合がありますので、お庭に取り入れる際には十分な注意をしてくださいね。
【②-8 ニーム】
インド原産の「ニーム」。インドでは古くから「奇跡の木」としてよく知られているそう。「インドセンダン」や「ミラクルニーム」という名前で流通していることも多いです。ニームに含まれている「アザディラクチン」という成分が、バッタや蚊、ハエ、アブラムシなど約200種類もの害虫よけに効果があるといわれているんです!
ただし、ニームは湿度と寒さに弱いのが難点。冬場は室内への移動がベストですので、鉢植えで管理されることをおすすめします。
【②-9 レモンユーカリ】
世界に600種類ほど存在する「ユーカリ」の一種「レモンユーカリ」。その葉っぱからはレモンのような酸味と甘さも感じさせる良い香りがします。「レモンユーカリ」には虫が嫌いな成分が含まれており蚊の成虫に効くと言われています。
一般的なユーカリに比べて細長い葉が風にたなびく姿は、見ていてとても癒されます。でも、ユーカリは地植えにしてしまうと大きくなり過ぎるのがたまにきず。おしゃれな鉢に植えて、ベランダやテラスなどで楽しむ方がよいかもしれません。
【③ 虫よけ効果のある植物を使って一工夫】
【③-1 虫が嫌いなハーブで寄植え鉢を作ろう】
生育旺盛なハーブは、直植えすると手に負えなくなることも。ガーデニング初心者さんには鉢植えが向いているかもしれません。お気に入りの植木鉢が見つかったら、ラベンダー、タイム、タンジーなどのハーブを寄植えにしましょう。寄植えはそれぞれの植物が成長した後の姿を想像して植えるときれいにまとまりますよ。
出来上がった寄せ植えは、テラスやウッドデッキの上に置いたり玄関ポーチに飾ると室内への虫の侵入を妨げる効果に期待できます。
【③-2 虫が嫌いなハーブでスワッグを作ろう】
庭で摘んだフレッシュハーブを輪ゴムでしっかりと束ね、その上からお気に入りのリボンや麻紐で輪ゴムを隠すように結びましょう。あらかじめ束ねる部分の葉は取り除いておくとまとめやすく、仕上がりもきれいになりますよ!レモンユーカリや、ローズマリー、タイムなどのお好みのハーブと装飾用にドライになってもきれいな花や実を混ぜてもおしゃれです。玄関や窓辺に吊下げたり、テーブルコーディネートに取り入れてもステキですね。
【④ まとめ】
いかがでしたでしょうか。
これまでのブログにも植物の役割や効果については色々と書いてきましたが、それらとは違う効果を持っていることがお分かりいただけたかと思います。夏の害虫には本当に手を焼きますが、植物の力を借りてできるだけ快適に過ごせるようにしたいものですね!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。