外構・エクステリアをワンランクアップ！【門まわり編】
毎日の家族の見送りやゲストを迎えるとき、住宅で一番に目に入るのがエクステリアの門まわりではないでしょうか。門まわりの雰囲気を見れば、このおうちにはどんな家族が住んでいるのかな…？などとイメージが膨らみますよね。エクステリアにおいては「住まいの顔」と呼ぶほどの重要なパーツと言えるんです。
今回は、外構空間の中から門まわりをピックアップして、その役割や素材とワンランクアップのポイントをご紹介させていただきますね。
【もくじ】
【① 門まわりの役割】
【② 素材の選び方】
【③ ワンランクアップの5つのポイント】
【④ まとめ】
【① 門まわりの役割】
昔の門まわりの役割と言えば、塀や垣根で囲われた敷地からの出入口であることはもちろんですが、その主となる建築物の装飾や居住する人物の権力を象徴するといった二次的な目的もあったようです。現代の住宅での門まわりの役割には「敷地と道路との出入口」、「防犯面」、「表札・ポストなどの取付場所」という物理的なもののほかに、「家族のシンボル」、「住まいの顔」など心理的な役割も含まれているんです。
【② 素材の選ぶ際の注意点】
門周りに使用される素材には、自然石、レンガ、タイル、アイアン、左官仕上げなど様々です。たくさん選択肢があるからこそ、我が家には一体どんな素材が似合うのか悩んでしまいますよね。好みの素材を選ぶことも一つの方法ですが、以下のようなポイントにも注目して検討してみてください。
【②-1 建物の外観との調和を考える】
建物の外観はその時代によって流行があったり、「シンプルモダン」や「和風」、「南欧風」などのようにデザインのバリエーションも様々です。「和風」の建物に「南欧風」の門まわりってなんだか違和感を感じますよね。やはり門まわりは、住まいの外観と合わせたデザインにすることが大切です。また、デザイン性の統一だけではなくボリューム感や質感とフォルムなども住まいの外観とバランスがとれているかを留意してみてくださいね。
【②-2 建物外観の特徴や美点をより引き立てる】
こだわって建てた我が家を、門まわりがより引き立ててくれるのをご存じですか？建物へのこだわりと同じ分だけ門まわりにもこだわりを詰め込んでしまうと、建物とケンカしてしまうことも。配置にこだわった窓や、気に入ったタイルを張ったデザイン壁など、その建物の特徴や美点に配慮して、半歩引いたデザインにしてみましょう。そうすることで建物外観の持ち味がグッと引き立ちますよ。
【②-3 周囲の環境や街並みに馴染む】
テレビや雑誌で見かける海外の街並みって、なんだかきれいだなと思いますよね。中には街並み自体が世界遺産になっているなんてところも。使われている素材感やカラーなどに統一性があり、それぞれの建物が街に調和しているんですよね。建築協定があるような分譲地以外ではそこまで気にすることはないものの、街並みの雰囲気からあまりにもはみ出してしまうのも理想的とはいえません。周囲に馴染みつつも、我が家なりの個性がある門周りを作るには、色や素材に考慮することと植物をうまく取り入れることです。周囲の街並みに美しく馴染む門まわりが連なると、その街の価値を上げることができるかもしれませんよ。
【②-4 エクステリアのその他の施設との調和を考える】
門まわり周辺には、アプローチや駐車スペース、塀、フェンスなどが配置されると思いますが、それらとのバランスも大切です。門まわりに近いところに塀やフェンスがくる場合は、高さのバランスに気を付けることが必要です。また、エクステリアのその他の施設と調和させるため、植栽スペースの確保も積極的に行うようにしてくださいね。
【③ ワンランクアップの4つのポイント】
ここまでは、門まわりの役割や素材の選び方をお伝えしてきましたが、結局どうすれば機能的でおしゃれでワンランクアップして見えるの？と思われている方も多いと思います。この章では、ワンランクアップして見える門まわり例を実際の写真を使ってご紹介しますね。
【③-1 門周りでアプローチをクランクさせる】
門柱をずらして設置したりシンボルツリーを途中に配置することで、その間を通り抜けるアプローチは自然とクランクします。このような動線は広がりや奥行を感じさせることができますし、何よりもアプローチに距離が生まれます。アプローチに距離が生まれると気持ちにゆとりができ、育っている植木の様子や草花の成長にも自然と目がいくことでしょう。また、階段を設置する場合はせっかくの高低差を利用してデザイン的な階段を作ることもできますよ。
【③-2 道路と建物に距離がない場合】
道路と建物の距離が少なく数歩ですぐに玄関に着いてしまう場合、アイディア1つで奥行き感が出しやすくなりますよ。また、このプランのように、門周り機能と目隠し機能を兼用するという方法もあります。門周りにたくさんの素材を使いすぎると印象がばらけてしまいますので、このように１つの素材で2つの機能を併用するというのが良いですよね！また、直線的な門周りの場合には、高木や草花をうまく配置して固い印象を和らげるようにしましょう。
【③-3 こだわりの機能門柱を効果的に使う】
機能門柱と聞くと、既製品で他のお宅と被りそうだな…と心配される方もいらっしゃるのでは。ところが、最近では機能門柱と一口に言ってもほんとうにたくさんの種類が発売されているんです。お気に入りでこだわりの機能門柱を探してみるのも楽しいですよ！
とは言いつつも、門まわりを機能門柱だけで仕上げてしまうとやはりすこしさびしい印象になってしまうことも。そんなときは、このプランのように、高木や草花、アルミの角材などをうまく使ってデザインをしてみると良いかもしれません。おしゃれなガーデンファニチャーをあえて、外から見える場所に置いてみるのもワンランクアップのコツですよ。
【③-4 プランターで門まわりをシンボリックに演出】
このブログでも何度か紹介している、ドライでおしゃれな雰囲気の門まわりを作るなら、プランターをシンメトリ－に配置するのがおすすめですよ。シンプルで洗練されたフォルムで大きめのプランターを選びましょう。さらにプランター周りにはゴロゴロとしたコブシ大の栗石をならべて…。我が家の門まわりが、まるでおしゃれなお店みたいに出来上がりますよ！
【④ まとめ】
いかがでしたでしょうか？
今回のブログに執筆した以外にも門周りをワンランクさせるアイデアはたくさんあります。素敵な門周りのイメージを探しに住宅街を散歩するのも楽しいかもしれませんね！
こだわりの門まわりのイメージが固まったら、次は付属品ですね。表札やポスト、ライトもたくさんの種類があるんです。そのお話はまた機会を改めて…。
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。
