【コンパニオンプランツの活用】庭やベランダの家庭菜園を守ろう!
わが家のお庭やベランダで家庭菜園って、一度はやってみたいですよね!しかも、家族が口にするものだからなるべく無農薬がいいなぁ…なんて思われている方も多いと思います。なかには、無農薬でチャレンジした結果、害虫のせいで菜園が無残なことに…という方もいるかもしれませんね。
今回は、野菜を違う種類の野菜や他の植物と混植することで、病害虫をおさえたり、成長を促進するという効果が得られる「コンパニオンプランツ」についてご紹介します。オーガニックな家庭菜園づくりに、ぜひ役立ててくださいね!
【もくじ】
【① コンパニオンプランツとは?】
【② コンパニオンプランツの主な効果】
【③ 相性の良い組み合わせ】
【④ 相性の悪い組み合わせ】
【⑤ まとめ】
【① コンパニオンプランツとは?】
「コンパニオンプランツ」とは、そもそもどういう意味なのでしょうか?日本語に訳すと「共存植物」や「共栄植物」。お互いの成長に良い影響を与え合う2種類以上の植物の合わせや、その植物自体をコンパニオンプランツと呼ぶんです。目的に合わせてコンパニオンプランツを活用することで、農薬や肥料の使用が少なくできると言われています。
ただし、コンパニオンプランツのほとんどは、先人たちの知恵や経験から来ているもので科学的に解明されているものは少ないそう。農薬や肥料のように、与えてすぐに効果てきめん!という訳にはいかないかもしれませんが、先人たちの知恵を家庭菜園に取り入れてみる価値はあると思いませんか?
【② コンパニオンプランツの主な効果】
【②-1 害虫予防】
害虫は自分好みの植物を見つける際には、においで見分けているそう。ですので、異なる種類の植物を混植することで、害虫が混乱し目当ての植物を探すことが難しくなると言われています。また、以前のブログ「【虫よけ効果のある植物】植物の力を借りて快適に過ごそう!」でもご紹介したように、害虫が嫌う香りを作り出す植物を用いると、近くで育つ他の植物を守ることができますよ。例えば、オクラとシソ。オクラの天敵はカメムシなのですが、近くにシソを植えておくとその強い香りを嫌ってカメムシが近寄らなくなるんです!
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【②-2 病気予防】
植物の根には様々な微生物が生息しています。特にネギ類の根には病害を防いだり、減らしたりする効果があると言われています。トマトやキュウリの病気である「立ち枯れ病」や「つる割り病」などを予防してくれるそうですよ。
【②-3 生育促進】
異なる植物を近くに植えると、相乗効果で良い生育をもたらすことがあります。例えば、太陽の光が大好きな背の高い植物の横に半日陰が好きな植物を植えると、どちらもよく育ちますよね。また、根を深く張る植物と、浅く張る植物を近くに植えると乾燥を防止できるという効果もありますよ。
【③ 相性の良い組み合わせ】
コンパニオンプランツの相性の良い組み合わせをいくつかご紹介。トマトとバジルなど一緒に食べておいしいものは相性が良い!?なんてことも言われていたりしますよ!
【③-1 トマトとバジル】
トマトとバジルは、コンパニオンプランツの中でもよく知られた組み合わせだと思います。一緒に食べてもおいしいトマトとバジルは、一緒に植えるとお互いの成長を支えあうそう。バジルの香りがトマトに付くアブラムシなどの害虫を寄せ付けない効果があること、さらに水分を好むバジルが適度に水分を吸収し、乾燥気味で育ったトマトの甘さがアップするという嬉しいメリットもありますよ。
【③-2 シュンギクとバジル】
シュンギクとバジルはどちらも病害虫に強く育てやすい植物です。キク科の植物であるシュンギク自体に害虫が寄り付かない独特の香りを持つことから、コンパニオンプランツとして優秀なんです。特に、キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜には効果絶大と言われています。そんなシュンギクにもアブラムシなどの害虫が付くことがあるのですが、それを防いでくれるのがバジルなんです。バジルの香りには害虫を寄せ付けない効果があるんですね。
【③-3 ホウレンソウと葉ネギ】
ホウレンソウがなりやすい病気「萎凋病(いちょうびょう)」を防いでくれるのが葉ネギ。逆にネギに付く害虫をホウレンソウが防いでくれる効果もあるそう。お互いに支えあう良い例ですよね。また、葉ネギには、ホウレンソウ独特のえぐみや苦みをやわらげてくれる効果もあるそうなんです。葉ネギの代わりにワケギやアサツキでも同じ効果が得られるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
【③-4 ナスとパセリ】
ナスとパセリ、食べ合わせは??ですが、コンパニオンプランツとしての相性は良さそうです。ナスがパセリに付く蝶の幼虫を遠ざけ、パセリがナスの害虫であるヨトウムシなどを遠ざけてお互いの生育を助け合います。また、夏の日差しが苦手なパセリがナスの葉に隠れて良くそだつなど、本当によいパートナーなんです。このようにナスとは相性バッチリのパセリですが、同じナス科のトマトは相性が悪くパセリが枯れてしまうそうなので、菜園計画の際には注意してみてくださいね。
【③-5 タマネギとクリムソンクローバー】
クリムソンクローバーって聞きなれませんが、別名ベニバナツメクサ。シロツメクサと同じ仲間の植物なんです。タマネギを植え付けたあと、周囲にクリムソンクローバーの種をばらまいておくと、1週間ほどで発芽し地表を覆うように広がって越冬しますのでタマネギのマルチ代わりになってくれます。また、タマネギの害虫であるアブラムシやアザミウマを、タマネギではなくクリムソンクローバーのやわらかい葉に集めてくれるという効果もあるそう。4月下旬頃に咲くクリムソンクローバーの真っ赤な花もかわいらしいですよ。
【④ 相性の悪い組み合わせ】
コンパニオンプランツを知って色々な組み合わせを楽しみたいところですが、中には相性の悪い組み合わせもあるんです。組み合わせを考える際に、気を付けてみてくださいね。
【④-1 同じ科の野菜を混ぜて植える】
似た野菜には似た害虫が集まるものです。同じ科の野菜をたくさん植えれば植えるほどその野菜を好む害虫が増えてしまいます。例えばアブラナ科の野菜には、キャベツ、小松菜、白菜、大根などお料理に使いやすいラインナップがそろっているんですが、アオムシやヨトウムシが発生しやすい為、必要以上に同じ科の植物を混植することはおすすめしません。
【④-2 好む土壌が異なるものを混植する】
野菜や作物によって好みの土壌は違います。酸性の土壌を好むもの、アルカリ性の土壌を好むものなどそれぞれの生育に適した土壌のpH値があるんです。それらをごちゃ混ぜに植えてしまうと…相性が悪いのは当然ですよね。例えばホウレンソウやエンドウはpH6.5~7.0を好みますが、ジャガイモやニンニクなんかはpH5.5~6.0を好みます。また、多湿が好きなサトイモと多湿が嫌いなミニトマトの組み合わせなど、湿気の好き嫌いについても注意が必要です。
【④-3 相性の悪い根の張り方】
野菜を育てる際には、地上のことだけでなく地中の環境の事も考える必要がありますよね。一般家庭のお庭では十分な株間をとって植え付けるのが難しい場合もありますので、野菜同士の根が干渉しないように注意しましょう。
【⑤ まとめ】
いかがでしたでしょうか。
コンパニオンプランツは植物が持つ本来の力で、野菜を守ったり生育を促進したりするオーガニックなものです。虫よけスプレー、お掃除洗剤や化粧品などにしても植物由来のものって、ケミカルなものより効能がおだやかなものが多いですよね。ですので、コンパニオンプランツでの家庭菜園もすぐに効果が出ないこともあるかもしれませんが、続けていくことで徐々に効果が得られてくると思います。
「ぜったいに無農薬を目指さなければならない!」という訳ではないと思いますので、減農薬くらいの気持ちで気軽にコンパニオンプランツを利用した家庭菜園を楽しんでみてくださいね!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。