お庭やエクステリアで見つけてみよう【遊べる!使える!雑草たち】
前回のブログでは、日々勢いを増す雑草への対抗策についてお話ししました。成長が早くこっちを抜いてもあっちが生えてくる…そんな憎たらしい雑草ですが、実は私たちの生活に潤いを与えてくれるものもあるんです。
今回は、雑草を使った遊び方や楽しみ方、ちょっとした豆知識をご紹介。人と自然が触れ合う機会が減っている今だからこそ、身近な緑に注目してみませんか?きっと子供達には新しい発見があり、大人達は童心に返ることができると思いますよ。
【もくじ】
【① 遊べる!使える!雑草たち】
【② その他の楽しみ方】
【③ まとめ】
【① 遊べる!使える!雑草たち】
庭先や歩道の端っこ、近くの公園などあちこちに雑草は生えています。庭の雑草などは、全部引っこ抜いてしまいたい気持ちも分かりますが…一旦立ち止まってじっくり観察してみても良いかも。あれ?この雑草で昔遊んだことあるなぁ…なんて記憶がよみがえってくるかもしれませんよ!
【①-1 ナズナ】
春の七草として知られる「ナズナ」。別名の「ぺんぺん草」も馴染み深いですよね。ナズナはアブラナ科で菜の花の仲間です。食べられる雑草の代表格で、味も意外とおいしいんです!採取したナズナはゴミや枯葉を取り除き、きれいに洗いましょう。塩をひとつまみ入れてさっと下茹ですれば鮮やかな緑色に。もちろんお粥に入れてもおいしいですし、お浸しにするのもおすすめですよ。
ぺんぺん草の由来は、ハート型の実の部分から。三味線のバチに似ていることから名づけられたそうですよ。実のついている茎をすべて、軸からとれない程度にはがしてからぺんぺん草の根元をもってデンデン太鼓を鳴らすようにくるくる回してみましょう。実と実がぶつかって「シャラシャラ」と小さな音色を奏で始めます。素敵な自然の楽器の出来上がり!
【①-2 ネジバナ】
ラン科の多年草なのに雑草扱い…。「ネジバナ」は、日本に自生する原種のランなんです。ひょろっと伸びた1本の茎に、螺旋階段のように花が巻き付いている独特の姿には、ファンも多いんですよ。
ネジバナには特別な遊び方はありません。でも、その姿をじっくり観察すると大人も子供も引き付けられてしまいます。巻き方にも右巻きと左巻きがあったり、中には、途中からねじれ方が変わるものもあるんです。ネジバナを摘んだら、ぜひ一度虫メガネなどで拡大して見てみてください。その複雑な姿にきっと驚かれると思いますよ!
【①-3 ツユクサ】
春から夏にかけて旺盛な「ツユクサ」。青く可憐な花を咲かせる姿とは裏腹に、田んぼや畑の強害雑草として知られています。茎の途中からも根を出したり、地中にも種を残したりと、とにかく繁殖力がすごいのです。
ツユクサの花は早朝に咲きだして、午後にはしぼんでしまう一日花。ところが、花をはさむような形の葉の中には、数日分の花がストックされているんです。ツユクサを摘んだら、花瓶に生けて次々と花が生まれ咲く姿を観察してみてくださいね。ツユクサの花は色水遊びにも最適ですよ!
【①-4 カタバミ】
お庭、特に芝生の中から生えるとやっかいな「カタバミ」。でもその小さくて黄色い花はとても元気で、ハート型の葉っぱはクローバーを思い出させます。繁殖が早く、一度根付くとなかなか根絶できないことから、「家が絶えない」に通ずると武家の家紋としても用いられているんです。雑草が家紋だなんて、意外ですよね!?
カタバミの繁殖力の強さの秘密はどうやら種の飛ばし方にあるようです。カタバミの種は自らの力ではじけ飛び、1~2メートルも移動することができるんです!5月半ば頃からできる中に種の入った鞘(さや)をさがしてみてください。中の種が透けて見えるものが熟していますよ。親指と人差し指でやさしくつまんでみると…。「パチパチパチ!」っと種がはじけ飛びます!カタバミの種バクダンなんて呼ばれたりもしていますよ。
もし、黒ずんだ10円玉がポケットに入っていたら、カタバミの葉や茎で何度か強くこすってみましょう。まるで新品のようにピカピカになりますよ。カタバミにはシュウ酸という酸が含まれていますので、素材が銅の10円玉を磨くとピカピカになるんですね。雑草で理科も勉強できるなんて驚きです!
【①-5 カラスノエンドウ】
きぬさやによく似た鞘(さや)をつける「カラスノエンドウ」。春に大きく成長し、赤紫色のかわいらしい花を咲かせます。古代の地中海では食用に栽培されていたそう。
カラスノエンドウの完熟した黒いサヤ、カタバミと同じように種バクダンが楽しめますよ。熟す前の緑色ではなく、真っ黒のサヤを探してみてください。指でサヤをつまむと…「パチパチパチッ!!」弾けて種が飛び出します!誰が一番に弾けるサヤを探せるか、競争するのも楽しいですよ。
カラスノエンドウでは笛を作ることもできます。なるべくよく太ったサヤを選んでください。中の実や筋をきれいに取り除きます。ヘタがついていた方を1センチほど切ると、ピーピー笛の完成!切っていない先っぽの方から唇で深くくわえましょう。息を強く吹いたり弱く吹いたりしているうちに、ピーピーとなり始めますよ!
【①-6 シロツメクサ】
春の草花遊びといえば、「シロツメクサ」の花冠や指輪を思い浮かべませんか?四つ葉のクローバー探しに夢中になった方も多いことと思います。シロツメクサは漢字で「白詰草」と書くのですが、これは江戸時代にオランダからガラス製品を輸入する際に、ガラスが割れないよう箱の中に詰められていたことが由来とされているんです。確かに、広場や土手のシロツメクサの野原はフカフカと弾力がありますよね。
シロツメクサを見つけたら、昔を思い出して花冠を作ってみましょう。できるだけ茎を長く残したシロツメクサをたくさん集めましょう。花のついた茎を3、4本手で束ねたら、その束ねた茎を新しいシロツメクサの茎でくるっと巻きます。同じ工程を繰り返して必要な長さになったら輪っかにして、また新たな花茎で結び留めましょう。子供さんの頭に載せてあげれば、お姫様や王子様に大変身!大喜びまちがいなしですね。
【② その他の楽しみ方】
【②-1 押し花や押し葉にしてみよう】
~~向いている植物:花や葉が薄く、重なりの少ないもの。大きすぎないもの。~~
摘んできた雑草をキッチンペーパーで挟み、さらにその上から新聞紙で挟みます。辞書や電話帳などの厚手の本を重しにして、1週間ほどしたら完成です。便利グッズとして、乾燥剤などを染み込ませた、押し花専用の押し花シートというものも売っていますので、そのシートを使用すればもう少し短い期間で作れますよ。
出来上がった押し花や押し葉は、透明なフレームに入れて飾ったり、ハガキやお手紙に貼って季節感を楽しんだりすることもできます。UVレジン(最近はUVライトのいらないレジンもあるそう)を使えば、コースターやしおり、アクセサリーなど、押し花を使って色々なアレンジが可能ですよ!
【②-2 色水遊びをしてみよう】
~~向いている植物:オシロイバナ、ツユクサ、アサガオ等~~
破れにくいチャック付きのビニール袋に花を入れて水を少し入れたら、色が出るように強めにもみましょう。色水ができたら花は絞って取り出してください。作った色水を使ってお絵かきや暑中見舞いのはがきを作ったり、半紙や布を染めてみるのもおすすめです。
お花を使った色水遊びは花を集めたり色を絞り出したりと少し手間はかかりますが、自分の手で色水を作り出す経験は子供たちにとって新鮮で楽しいものに違いありません。
【③ まとめ】
いかがでしたでしょうか?
普段は憎たらしい存在の雑草ですが、違う一面もあることがお分かりいただけたと思います。雑草だからといって毛嫌いするのではなく、役立つ事、勉強になる事、楽しい事もたくさんあるんだと知れば、見方が少し変わるかもしれませんよね。子供さんと一緒に、ぜひ身近な雑草を探してみてくださいね!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。