外構・エクステリアをワンランクアップ!【ライティング編】
仕事でヘトヘトの大人たちや塾に部活に一生懸命頑張った子供たち。日が暮れた家路、最初に目に入るのは温かく迎えてくれるのが住み慣れたわが家。外からわが家を見るのって意外と夜が多いんですよね。そんな夜のわが家を、よりステキに明るく演出してくれるのが「ライティング」なんです。
お店じゃないんだからライティングなんて必要ない!?いえいえ、そんなことはありません。効果的なライティングは、昼間とは違う景色を私たちに見せてくれたり防犯や安全にも一役買ってくれます。なにより家族を温かく迎え入れてくれる、そんな雰囲気を作り出してくれるんです!
今回は、エクステリア&ガーデン空間の中から「ライティング」をピックアップしました。「ライティング」を取り入れることによる効果やその役割とワンランクアップのライティング実例などを詳しくご紹介させていただきますね。
【もくじ】
【① ライティングの効果と役割】
【② ワンランクアップのライティング実例】
【③ ライティングの注意点】
【④ まとめ】
【① ライティングの効果と役割】
ライティングには様々な効果がありますが、まず思い浮かべるのは「安全性」と夜間の「防犯効果」を高めることではないでしょうか。
暗くて足元がよく見えない場所や、段差のある場所には明かりが欲しくなりますし、夜間に不審者が近づいたときにパッと光る人感センサーライトはとても頼りになりますよね。そういった機能性の他にも、エクステリアやガーデンにライティングを取り入れることで、その空間を印象的に飾り心地良さや癒しを演出することができます。シンボルツリーをライトアップしたり、石積みの壁を照らして素材感を味わうなど照明器具によって様々な演出効果が得られるんです!
【② ワンランクアップのライティング実例】
この章では、ライティングの実例に基づきながらワンランクアップのポイントを解説します。ライティングを取り入れたことで昼も夜もエクステリア・ガーデンを楽しむことができるようになった例です。ぜひご自宅の照明計画の参考にしてみてくださいね!
【②-1 最小の照明で最大の効果】
シンプルな建物のイメージを損なわないように、あえて門柱や壁などを配置せずにデザインしたこのお宅。スモーキーな表情の板材とコンクリートと植栽というミニマムな素材のみでデザインを構成しています。
昼間はシンプルさと、その中に垣間見える野趣のバランスがとれたエクステリア空間となっていますが、日が暮れてくると玄関前のフローティングステップ(浮いたようにみえる階段)から漏れ出る光に自然と視線が集まります。階段の下に設置したバー状のLEDライトが点灯することで、より印象的なエクステリア空間へと変身。
階段を上から見ると、ライティングによりしっかりと段差が認知できています。照明は空間の演出だけでなく危険防止にもつながる大切なアイテムだということがよくわかりますよね。
セットしたタイマーにより、日が沈みかけた夕暮れ時に照明が一斉に点灯。エクステリア工事で設置した照明は階段下のLEDバーライトと、表札を魅力的に照らすスポットライトの2か所のみ。最小の照明で最大の効果が得られるエクステリア空間になっています。
【②-2 建物との調和を図る】
デザイン性を重視したいクライアントの意向を汲み、建物と調和しながらも直線美の映えるエクステリア空間を造り上げました。素材のセレクトにもこだわり華美な配色を抑えることで、まるで海外住宅を思わせるファサードに。
存在感のあるコンクリートウォールの前には、生命力あふれた自然美を魅せてくれる、山採りの樹木を群生させています。夜になると動きのある樹形がスポットライトにより照らし出され、幻想的な空間が生まれます。
間口の広さをより印象付けるのが、数十メートルにわたって設置されたLEDバーライト。夕暮れ時になると、昼間には影を潜めていた足元のウッドボードやゴツゴツとした割石が主役となって浮かび上がってきますよ。
そして重要なのが明かりの色。エクステリアライトの照明は建築の照明と同じ電球色に。優しく温かみのある光が、建物との調和をより一層強調して包み込んでくれるよう。
【②-3 光でつながる「ウチ」と「ソト」】
「家庭とは家族が生活する庭(ば)のことである」をコンセプトに設計されたモデルハウス。「ウチ」と「ソト」を繋いで、住む人が自然の中でおおらかに過ごせるように…そんな思いがたくさん詰まっているんです。
そのコンセプト通り部屋内と外が植物と光によって自然とつながり、住宅と街もまた植物と光によってゆるやかにつながっています。
最近ではライフスタイルの変化もあり、庭空間を積極的に使う方も増えてきました。友人を招いて過ごすガーデンパーティーでは照明が必須ですし、車やキャンプ道具の手入れなどの趣味時間を庭で過ごす為にも照明は必要になってきます。お庭で何をしたいのか、具体的にイメージしながら照明計画を進めていくことが後から後悔しないポイントです。
【③ ライティングの注意点】
エクステリアやお庭にライティングを取り入れる前に、いくつかの注意点があります。これらをチェックした上でライティング計画を進めると、後から後悔しない夜の景色づくりができますよ。
【③-1 用途に合わせてセンサーやスイッチまで選ぼう】
ライティングをイメージするとき、こんなデザインの照明が良いなとか明るさはこれくらいが良いかな、などと照明器具そのものについては色々と想像を膨らませることと思います。でも、その照明器具をどんな風に点灯させるのか…までは気が回らないかもしれません。
家族が帰ってくる夕方以降に点灯させたい照明を、毎日玄関までスイッチをオンにしにいくのは無理ですよね。そんな時には明暗センサー付きのタイマーがおススメ。暗くなれば自動で点灯し、タイマーで指定した時間が過ぎれば消灯します。忙しい毎日にはお役立ちのアイテムですね。
また、お庭のテラスなどプライベート空間を利用するときだけ電気を付けたい場合には、入り切りできるスイッチが必要になります。そのスイッチも家の外に欲しい場合と室内に欲しい場合があると考えられます。いずれにしても建物計画時にしっかりと電気配線をしておくことが必要となりますので、あらかじめ設計士さんにライティング計画の事も相談しておくようにしましょう。
【③-2 建物の外壁に付ける照明の高さに気を付けよう】
駐車スペースや駐輪スペース・物干し用の場所を照らす為に、あらかじめ建物外壁にブラケットライトやスポットライトを取り付ける場合があります。
その時に気を付けたいのが照明を取り付ける高さ。駐車・駐輪スペースや物干し場って、後からカーポートやテラス屋根などを取付ける事が多いですよね。照明器具の高さが高すぎると後付けの屋根に遮られてしまい、実際に照らしたい場所まで光が届かない…なんてことも。後から屋根を取り付ける可能性がある場所にあらかじめ照明器具を付けて置く場合は、高さ関係をしっかりと健闘しておくようにしましょう。
【③-3 照らしすぎには要注意】
わが家をおしゃれに演出したいからと言って、明るい照明をいくつも設置してライトアップするのはおススメできません。夜なのにあまりにも明るすぎたり、光源が見えてギラギラとまぶしく感じてしまうとご近所から光害と思われてしまうかもしれません。
最近ではLED電球が主流になってきていますが、明るさを表す単位がルーメン(lm)となっていて馴染みのあるワット(W)と違うため、どれくらいの明るさかわかりにくいんですよね。商品によっては〇〇W相当と記載してくれている場合がありますので明るさのイメージ作りの参考にしてみてくださいね。
【部屋の広さと明るさの目安】
・2畳~ 20W相当、25W相当、30W相当、35W相当
・4.5畳~ 40W相当
・5畳~ 50W相当
・6畳~ 60W相当、75W相当
・8畳~ 80W相当
・10畳~ 100W相当
これらの数値はあくまでも目安となっていますので、プロと相談しながら心地よさと安心感のあるライティング計画を作り上げていきましょう。
【④ まとめ】
いかがでしたでしょうか。
効果的なライティングがエクステリアやお庭空間を心地良く演出し、建物を含めた敷地全体を雰囲気と趣のある空間にできるということがお分かりいただけたかと思います。一邸一邸の明かりが連なることで、その街や地域全体の価値をもワンランクアップできるのがライティングの素晴らしいところ!
ここに明かりがあると良いな…と思う場所に、まずひとつ照明を置いてみてくださいね。
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画など、デザイン性を伴う作品を得意とする。