【エクステリアや庭をおしゃれに!】ドライガーデンに合う植物たち
エクステリアやガーデンを一気におしゃれにしてくれるドライガーデンの植物たち。最近できたおしゃれな店舗などで取り入れられている事が多く、目にする機会も増えたことと思います。いざ自分のお庭に取り入れようと思っても、どんな種類が適しているのかどんな風に配置すればおしゃれに見えるのか考えるのはなかなか難しいものです。
そこで今回はドライガーデンの植栽事例をご紹介。ドライな雰囲気を演出する為に実際に植えた植物を詳しくご説明します。土に直植えしなくても、植木鉢で楽しめるものがほとんどですので自宅の色々なところでドライガーデンを楽しんでみてくださいね!
【もくじ】
【① ドライガーデンとは】
【② ドライガーデンの植栽事例】
【③ まとめ】
【① ドライガーデンとは】
ドライガーデンとは、乾燥に強い性質を持つ植物を植えた庭のことで、石や岩などを一緒に配置して作られることが多い乾いたイメージのガーデンです。ドライガーデンでは一般的なお庭で使う草花とは違い、サボテンや多肉植物など見た目が個性的な植物を使うことが多く、スタイリッシュでシックな空間造りができますよ。比較的乾燥に強い植物が植わっていますので水やりの頻度が少なくて済み、お手入れがしやすいこともドライガーデンの特徴のひとつです。
【② ドライガーデンの植栽事例】
【②-1 バンクシア スピヌロサ】 ヤマモガシ科バンクシア属
松ぼっくりのような形の花穂が目を引く「バンクシア スピヌロサ」。あまり見かけない木ですが、ドライフラワーが好きな方やフラワーアレンジメントを習っている方はご存じだったかもしれませんね。オーストラリア原産の樹木で、この「バンクシア スピヌロサ」の他にもいくつかの種類がありますのでお気に入りを探してみるのも楽しいですよ!
「バンクシア スピヌロサ」は別名で「ヘアピン」と呼ばれているように、縁がギザギザになった細い葉が特徴。葉や枝が柔らかくしなりお庭に動きを演出することができます。背の高さは2~3メートルまで成長し、横のボリュームも出てきますので植え付けの際はスペースにゆとりのある場所をおすすめします。
耐寒温度はマイナス5度で、関東以西の暖地と呼ばれるような平地や都市部なら庭植え可能です。水はけの良い土で乾燥黄味を好むものの、完全に水切れしてしまうとダメージが大きく枯れてしまうこともありますので、根が完全に乾燥しないように注意が必要です。また、バンクシアには「プロテオイド根」と呼ばれるリン酸の吸収能力が非常に高い根を持つ植物です。これはオーストラリアの痩せた大地でも少ないリン酸を吸収して育つことができるように発達したもの。ですので、良かれと思ってリン酸分の多い肥料を与えたり化学肥料たっぷりの培養土に植え込むと逆に生育が悪くなってしまいますので要注意です。
【②-2 メラレウカ ブラックティーツリー】 フトモモ科メラレウカ属
「メラレウカ」はオーストラリア原産のフトモモ科の植物。同じフトモモ科の植物でブラシの木ならご存じの方も多いかも。メラレウカも小ぶりではありますが、ブラシの木のようにフワフワとした羽毛状の花を付けるんです。また、普段は濃い緑色の葉っぱですが秋の終わりから冬にかけて葉っぱが真っ赤に紅葉します。そのまま落葉せずに春になると葉っぱが緑色に変化し、季節感を存分に味わうことができる樹種となっています。そして一番の楽しみは、葉っぱにある甘くて爽やかな香り!剪定すると辺り一面が良い香りに包まれますよ。生葉のまま手で軽く揉んで香りを楽しんでも良いですし、乾燥させた葉を袋に入れて家の中でのリラックスタイムのお供にも最適です。
成長が早く、放任していると5~6メートルほどに成長することも。枝がよく繁って混み合ってきてしまうますので、樹形を整えるために花後の5~7月に剪定を行うようにしましょう。強い剪定にも耐える樹種ですので、思い切って好みの姿に切りそろえてもOKです。ただし夏に花芽を形成しますので、それ以降に剪定をしてしまうと翌年の花が少なくなってしまいますので気をつけましょう。
【②-3 レプトスペルマム シルバーティーツリー】 フトモモ科レプトマム属
先ほど紹介した「メラレウカ」の近縁種で同じフトモモ科の「レプトスペルマム」。園芸店でギョリュウバイという名前で売られているのを見られた方もいるかもしれません。ウメに似た小さな花を付けるところからギョリュウバイと呼ばれているようです。その中でも細い銀葉が美しいのが「レプトスペルマム シルバティーツリー」です。常緑樹で、あまり目立ちませんが初夏に白い花をたくさん咲かせてくれます。白っぽい銀葉と白花がとても爽やかな印象で、事例のように白っぽいコンクリートの壁の前などに植えるとほどよいドライ感が演出できますよ。
最初の植え付け時や鉢植えの場合は、土が乾いていたら欠かさず水をあげましょう。地植えの場合は根付けば降雨の水分のみで十分です。また、放任しているとしなやかで動きのある枝が暴れてきますので、姿を整える為の剪定を適宜行うようにしてくださいね。
【②-4 アオノリュウゼツラン】 キジカクシ科リュウゼツラン属
アルテデザインのブログでは常連の「アオノリュウゼツラン」。ドライガーデンだけでなく、様々なテイストのお庭の主役になる植物です。品種名の「アガベ アメリカーナ」という名前で流通している場合も多いです。メキシコ原産の多年草で別名のセンチュリープラントが示すように100年に1回開花すると言いますが、実際は30年から50年くらいで開花するそう。建物の2階ほどの高さにまで大きくなる花は、まれに新聞やニュースに取り上げられていますよね。
日光を好みますので、日当たりの良い場所に植え付けるようにしましょう。蒸れには注意が必要。風通しが重要です。スピードはゆっくりではありますが、確実に大きく育ちます。大きくなるとトゲトゲが邪魔をして植え替えはほぼ不可能となりますので、最初に植え付け場所を吟味してくださいね。あまり大きくしたくない場合には、下葉をこまめに切るようにすれば多少は抑えることができます。アオノリュウゼツランは鉢植えにするとさらに洗練した雰囲気を出してくれる植物です。地植えが難しい場合には、鉢植えで楽しむのも良いですね!
【②-5 柱サボテン】 サボテン科
砂漠や荒野に育つサボテンを頭に思い浮かべたときに出てくる柱のような形をしているサボテン、それらを総称して「柱サボテン」と呼んでいます。サボテンは種類がとても多くて5000種以上も存在するそう!品種改良も盛んに行われていますので。現在も増え続けているんです。サボテンは多肉植物なので自分自身に水分を貯めておくことができます。その為、乾燥に強く育てやすいのが魅力のひとつですよね。
事例のサボテンを見ていただいても分かるように、途中でスパッと切れて切り口が茶色くなっているところがありますよね。これはサボテンの「胴切り」の跡なんです。育ちすぎた柱サボテンを株分けしたり、根腐れを起こしてしまった場合に必要なのがこの「胴切り」という作業。ナイフやノコギリでカットし、消毒など必要な処置を行うことで元気なサボテンを維持することができます。また、切り口の脇から新しい芽が出てきますので、それを考慮すれば自分好みの個性的な形に仕立てることもできますよ!
【②-6 アロエ ヘラクレス】 ススキノキ科アロエ属
アロエって昭和の庭先には必ず植わっていてとても馴染み深い植物ですよね。懐かしくて、ともすれば古くさい印象を持たれることも多いかもしれません。そんなアロエが最近では現代的なドライガーデンでも活躍しているんです。今回の事例で植えたのは「アロエ ヘラクレス」。希少なアロエ同士を組み合わせた交配種で、寒さに強く育てやすい大型種です。ただし流通が少なくレアな品種。見つけたらぜひ連れて帰ってあげてくださいね。
葉に十分保水しているアロエは、水が足りなくて枯れてしまうということはほとんどありませんのでお天気まかせでOKです。園芸店などで購入する場合には、緑色が強くプリプリと弾力と厚みのある葉の個体を選びましょう。白っぽくなっているものは弱っている可能性がありますよ。
【③ まとめ】
いかがでしたでしょうか。
ドライガーデンで使われる植物って、ひとつひとつは個性たっぷりで主張の強い植物なのですが、今回の事例のように背景や周囲の素材感など空間全体をコーディネートすることでまとまりを生み出すことができます。ご自宅に取り入れる場合にも、周囲のデザインに少し気を配るだけで他とは違う、おしゃれでシックなドライガーデンが出来上がりますよ!
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。