【アルテデザインガーデンの植物図鑑】アカシア・ブルーブッシュ

エクスエリア・ガーデンやランドスケープデザインに欠かせないものと言えば、植物ですよね。
世界中には20万から30万種(学者により種の分類方法が変わりますのでおおよその数とお考え下さいね)の植物があると言われています。
そこから日本の気候に合うものや地域の環境に合うもの、植えたい場所の特性にマッチした植物を選び出すとずいぶん数が減る訳ですが、それでもまだまだたくさんの種類があり、自分のお庭に合うものを探すのはなかなか大変ですよね。
そんな困りごとの手助けになればと、このブログでは外構やお庭に植えるのにおすすめの植物を【アルテデザインガーデンの植物図鑑】として掲載していきます。
シルバーリーフの美しさが際立つ植物は数あれど、その中でも私たちが特に信頼を寄せている一本が「アカシア・ブルーブッシュ」です。
やわらかな青みを帯びた葉色は、光の当たり方によってグレーにもシルバーにも見え、空間に静かな奥行きをもたらします。ナチュラルにもモダンにも振れる汎用性の高さが魅力で、アルテデザインガーデンの外構デザインにおいてもたびたび登場する存在です。
今回は、特徴から育て方まで、設計目線も交えながら詳しくご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
【もくじ】
【① アカシア・ブルーブッシュの基本情報】
【② アカシア・ブルーブッシュの特徴】
【③ アカシア・ブルーブッシュと相性の良い植物】
【④ アカシア・ブルーブッシュの育て方】
【⑤ まとめ】
【① アカシア・ブルーブッシュの基本情報】

〇 学名 Acacia covenyi など(流通上「ブルーブッシュ」と呼ばれる品種群)
〇科属名 マメ科アカシア属
〇園芸分類 常緑中高木
〇花期 2月~4月
〇耐寒性 やや弱い(関東以西のマイナス5℃程度までなら問題なし)
〇耐暑性 強い(高温多湿はやや苦手)
【② アカシア・ブルーブッシュの特徴】

最大の魅力は、なんといってもその葉色。やわらかくマットな質感のシルバーブルーが、空間全体を上品に引き締めてくれます。濃いグリーンの植栽の中に一本入るだけで、色彩にコントラストが生まれ、植栽に自然なリズムが生まれるんですよね。
実は「ブルーブッシュ」という名前は、特定の一品種を指す正式名称というよりも、青みがかった葉色を持つアカシアの総称的な流通名として使われることが多いものなんです。その中でも、葉色が安定し、庭木として扱いやすい系統が選ばれて流通しています。だからこそ、各地のガーデンシーンで安心して使われ、人気を集めているのですね。
アカシア・ブルーブッシュはオーストラリア原産のオージープランツ。同じくオーストラリア原産である、ユーカリやバンクシアのような大胆な葉姿とは異なり、細かな葉が密につくため、全体としては繊細で軽やかな印象です。自然体でありながらも、どこか洗練された空気感をまとっているのが魅力です。
冬から早春にかけて咲く黄色いポンポン状の花も見どころのひとつ。庭がまだ静かな季節に、ふわりと明るさを添えてくれる存在です。ただし、花をたくさん咲かせると樹勢を消耗することもあるため、若木のうちは様子を見ながら管理するのが安心です。
成長は比較的早く、枝はしなやかに伸びます。放任すると樹形が乱れやすいため、定期的な剪定で全体のバランスを整えることが、美しいシルエットを保つポイントです。
【③ アカシア・ブルーブッシュと相性の良い植物】
アカシア・ブルーブッシュは単体でも美しい樹木ですが、組み合わせによってその魅力はさらに引き立ちます。では、どんな植物と相性が良いのでしょうか。アルテデザインガーデンがおすすめする3種類をご紹介します。
【③-1 バンクシア】

オーストラリア原産の常緑樹で、個性的な花と力強い葉姿が特徴の植物です。種類によって低木から高木まで幅がありますが、共通してどこかワイルドな印象を持っています。
アカシア・ブルーブッシュの繊細でやわらかな質感に対し、バンクシアは造形的で存在感のある植物。この“質感の対比”が空間にリズムを生み出します。
また、どちらも乾燥気味の環境を好むため、水管理の面でも相性が良い組み合わせです。オージーガーデンを構成する上では、欠かせないペアといえるでしょう。
【③-2 グレヴィレア】

細く切れ込んだ葉と、独特な形状の花が魅力のグレヴィレアもオーストラリア原産の植物です。シルバーがかった葉色を持つ品種も多く、ブルーブッシュとの色味の相性がとても良いのが特徴です。
葉の繊細さという共通点がありながら、花のフォルムで変化をつけられるため、統一感と個性を両立させることができます。
乾燥に強く、風通しのよい環境を好む点も似ているため、植栽計画としてまとめやすい組み合わせです。
【③-3 アガベ】

肉厚で放射状に広がる葉が特徴のアガベは、強い造形性を持つ植物です。ブルーブッシュの“やわらかな面”に対して、アガベは“硬質な点”のような存在。
このコントラストが、空間を一段引き締めてくれます。
また、どちらも日当たりと水はけを好むため、環境条件を揃えやすいのも利点です。シルバーリーフとブルーグレーの葉色は、コンクリートや石材との相性も抜群。モダンな外構との親和性が高い組み合わせです。
【④ アカシア・ブルーブッシュの育て方】
【④-1 植え付け・植え替え】

日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。過湿を嫌うため、粘土質の土壌では排水改良を行うことが重要です。アカシア・ブルーブッシュは生長が早く枝葉もよく茂るため、植え付け直後は風の影響を受けやすい樹種です。根が十分に張る前に幹が揺れると、新しく伸びた細根が傷み、活着が遅れてしまいます。健やかな根張りを促すためにも、初期段階では支柱でしっかり固定することが重要です。
【④-2 水やり】

地植えの植え付け後は、しっかりと根付くまでは水切れさせないように、土の表面が乾いてから根域までしっかり水が届くように与えてください。地植えで根付いた後は、基本的に自然の降雨で問題ありません。ただし、長期間雨が降らない場合や極端な乾燥が続く場合には補水を行います。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてからたっぷりと与えるようにしましょう。
【④-3 剪定】

剪定適期は花後から初夏にかけて。
枝はしなやかに伸びる一方で、放任すると上部ばかりが成長し、内側が間延びした印象になりがちです。シルバーリーフ特有のふわりとした密な質感を保つためには、定期的な剪定が欠かせません。
基本は、伸びすぎた枝を1/3程度切り戻すこと。芽の向きを確認し、外側に向かう芽の少し上でカットすると、樹形が自然に広がります。また、混み合った枝や内向きに伸びた枝は付け根から間引き、風通しを確保しましょう。
太い枝を一気に強く切ると枯れ込みやすいため、少しずつ整えていくのがポイントです。
「切りすぎたらどうしよう」と不安になりますよね。でもアカシアは生長が早い植物です。基本を押さえていれば、多少の剪定はきちんと応えてくれます。怖がりすぎず、毎年少しずつ整えていくことが、美しい樹形を保つコツです。
【④-4 肥料】

基本的に多肥は不要です。与えすぎると徒長しやすくなります。生育が悪い場合のみ、春先に控えめに緩効性肥料を施します。
【④-5 病気・害虫】
比較的強健ですが、蒸れによるカビやコナカイガラムシが発生することがあります。風通しを確保することが最大の予防策です。
【④-6 冬越し】

温暖地では、特別な対策をしなくても地植えで冬越しが可能です。目安としてはマイナス5℃程度まで耐えるとされています。
ただし、若木のうちは寒さの影響を受けやすいため、強い霜や凍結が予想される場合は株元をマルチングするなどの対策を行うと安心です。マイナス5℃を下回る地域や寒風の強い場所では、防寒対策を検討しましょう。
【⑤ まとめ】

いかがでしたでしょうか。
アカシア・ブルーブッシュは、派手さで目を引く植物ではありません。しかし、そのやわらかな葉色と軽やかな枝ぶりは、空間全体の質を静かに底上げしてくれます。
常緑で一年を通して景色を支えながら、季節にはやさしい黄色の花を添えてくれるアカシア・ブルーブッシュ。
モダンな住宅にも、ナチュラルな庭にも違和感なく溶け込みます。植栽に上品さと軽やかさを加えたいとき、選択肢に入れておきたい樹木ですね。
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。
一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画などデザイン性の高い物件を得意とする。









