春の庭や外構を彩る【秋まき一年草】種まき方法とおすすめの種類!
小学生の頃ってあまり気負わずに種から植物を育てていましたよね。でも大人になってからは、買った苗をお庭や植木鉢に植え付けることが多くなってきているのではないでしょうか?種から植物を育てる喜びをまた味わってみるのも、ガーデンライフを楽しく過ごすコツなんですよ!
秋は、春に咲く1年草の種まきをするにはベストな季節。今年の秋はおうち時間を有効活用して、来年の春に庭やエクステリアを彩る準備をしてみましょう!
【もくじ】
【① 秋まき1年草とは】
【② 種まきのポイント】
【③ おすすめの秋まき1年草】
【④ まとめ】
【① 秋まき1年草とは】
種をまいてから1年以内に花が咲いて実を付け、そして枯れる植物のことを1年草といいます。そのなかで秋に種をまいて、翌春に花が咲いて夏までに枯れるものを「秋まき1年草」と呼んでいます。主な原産地は地中海性の気候で、高温多湿に弱いものが多いのが特徴です。冬の低い気温でもゆるやかに成長し、春の気温上昇とともに一気に成長し花を咲かせる、それが「秋まき1年草」なんです。
【② 種まきのポイント】
せっかくまく種ですから、なるべくたくさん発芽させたいですよね。ここからは種の発芽率をアップさせるためのいくつかのポイントをご紹介するんですが…実は、一番頼りになるのは種が入っていた袋。日本の種苗メーカーから発売されているものであれば、袋の裏には重要な情報がいっぱい詰まっていますので間違ってもゴミ箱にいれないようにしてくださいね。
【②-1 種の鮮度と選び方】
種の鮮度が良ければ、発芽率も高くなります。ずっと店先に置かれているのではないかというようなホコリを被った袋に入った種はなるべく避けるようにしましょう。また、購入した種は適期が来るまで冷蔵庫の野菜室で保管しておきましょう。種の保存には「乾燥・寒さに当てる・光の遮断」の3つが大切なんです。
【②-2 発芽適温】
一般的に秋まきの種はお彼岸頃が適期となっていて、適温は20度前後となっていることが多いと思います。適期は目安と捉えて、発芽適温を守るようにしましょう。ちなみに発芽適温とは気温ではなく土の中の温度、「地温」なんです。「地温」なんてどうやって調べたらよいの…と不安な方は、土に挿すタイプの地温計がありますので、それを利用することをおすすめします。
【②-3 種の性質に合わせたまき方】
種と一口に言ってもその大きさは様々。ひまわりの種くらい大きなものから、手でつまめないほどの粉のようなものまであるんです。その中で取り扱いが難しいのが微細な種。なるべく細かい用土にまくようにしましょう。また、種の袋に「移植を嫌う」や「直根性」と書かれているものは、その花を咲かせたい場所に「直まき」するようにしてください。
【②-4 光の有無】
種の中には発芽に光を必要とする種類とそうでない種類があります。前者を好光性種子・後者を嫌光性種子といい、種の袋にはその情報も載っていますのでしっかり確認するようにしましょう。好光性種子なら、種がやっと隠れるくらいの薄さで土をかぶせます。嫌光性種子の場合は、種の厚みの2倍ほど土をかぶせるようにしてくださいね。
【②-5 水やり】
種まきが終わったら次に重要なのが水やり。大きな種ならそのまま水やりをしても問題ありませんが、細かい種の場合は流れてしまったり土の中に埋もれてしまうこともありますので、ハンドスプレーで霧水をするのがおすすめ。水を与えることで眠っていた種が発芽に向けて動き出しますよ。こうなると水切れは厳禁!乾燥状態が続くと種の発芽能力が無くなってしまいますので、基本的には毎朝1回は水やりをするようにしましょう。
【③ おすすめの秋まき1年草】
【③-1 ワスレナグサ】
青紫やピンク、水色など目を引く美しい色の小花を群生させる「ワスレナグサ」。原産地では多年草なんですが、暑さに弱いため日本では寒冷地を除き1年草として扱われています。
かわいらしいワスレナグサは、季節になると花苗も店頭に並びますが一般的な増やし方は「種まき」。9月下旬~1月下旬、気温が20度を下回る季節になったら種まきをしましょう。種まき前に半日程度水につけて吸水させるのがポイント。そうすると発芽率が良くなるそう!ワスレナグサの種は嫌光性種子です。種まき後は必ず上から土をかぶせるようにしてくださいね。春の花後は、こぼれ種でもどんどん増えますよ。花がら摘みで花を全部とってしまわないように気をつけてくださいね。
【③-2 ネモフィラ】
4月になると、まるで「青いじゅうたん」のように一面にひろがる「ネモフィラ」。庭の花壇や寄せ植えにも大活躍のブルー系の愛らしい花なんです。香川県ではまんのう町の国営讃岐まんのう公園で見ることができますよね。まんのう公園では施設内で約30万本も栽培されているそうですよ!
発芽適温は20度くらい。移植を嫌う直根性ですので、お庭やプランターのここに咲かせたいなと思う場所に直接植えてくださいね。ネモフィラは嫌光性種子ですので、種まき後は軽く土をかけて種に光が当たらないようにしましょう。うまくいけば10日ほどでかわいらしい芽がひょこっと顔を出すはずです。
【③-3 ルピナス】
たくさんの小花を付けながら天に向かって伸ばす花穂の様子から「ノボリフジ」の別名で呼ばれることもある「ルピナス」。品種によっては花穂が60~70センチになるもののあり、春の花壇をカラフルに彩ってくれますよ。日本には明治時代にやってきたそう。なんと昔は食料として利用されたり、マメ科の植物と言うことで肥料としても使われていたそうです。
現代では観賞用として私たちの目を楽しませてくれている「ルピナス」の発芽適温は15~20度。ただし、種類によっては発芽適温の高いものや6月頃に種をまくものなどがありますので、購入の際には気をつけるようにしてください。ルピナスは移植を嫌う直根性ですので、咲かせたい場所へ直まきしましょう。どうしても移植が必要になった場合には、根を傷つけないように優しく扱ってくださいね。
【③-4 クリサンセマム】
園芸店でよく使われる「ノースポール」という名前の方が、馴染みがあるかもしれません。「クリサンセマム」はキク科の植物で、デイジーやマーガレットに似た花をつけるとっても丈夫で育てやすい花です。白花の「クリサンセマム・パルドサム」や黄花の「クリサンセマム・ムルチコーレ」が有名な品種。(現在、この2種は別属に分類されています。)
9月~10月頃に種まきを行いますが、気温が高すぎると徒長してしまうので発芽適温をしっかりと確認するようにしましょう。小さめの種なので本葉が2~3枚出るころまでは、育苗箱と呼ばれる底の浅い容器で管理するのがおすすめです。種まき後は、土を乾かさないように水やりをしながら日陰に置くようにしてください。発芽後は日に当ててOK。早ければ12月頃には花を咲かせてくれますよ。
【③-5 スカビオサ】
個性的なのに、どこかはかなげな印象もある「スカビオサ」。丸くてふんわりとした花はお庭の名脇役。もともと高い山に自生していることから寒さには強い反面、高温多湿は苦手。寒冷地以外では夏越しができない為、一年草扱いとなっていることが多いんです。
9~10月が種まき適期ですが、気温が高いと発芽しないので焦らず種まきの適温を待ってくださいね。種の寿命は短くて、古くなるほど発芽率が低下しますので注意が必要です。スカビオサの種は硬い皮で覆われているため、砂などで少しもんでからまくようにしましょう。
【④ まとめ】
いかがでしたでしょうか?
種から育てるということは、「芽が出なかったり」「芽が出てもひょろひょろと元気がなかったり」「思ったように花が咲かない」など肩を落とすこともあるかもしれません。でも期待通りにいかないからこそ楽しい事、面白い事もありますよね!
小さな一粒の種から花を咲かせることができれば、なにものにも代えがたい喜びが芽生える事でしょう。ぜひ、ご家族でチャレンジしてみてくださいね。
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画の他、過去には外構・エクステリア業界紙『月間 エクステリアワーク』表紙イラストの作画を担当。