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【杉板本実型枠コンクリート工法】無機質なRCをオシャレに魅せる!

【杉板本実型枠コンクリート工法】無機質なRCをオシャレに魅せる!

街を歩いているときに、木目のついたコンクリート壁を見かけたことはありませんか?

センスが良くてこだわり感のある建物や施設に使われている事が多いですよね。その壁を作る方法の正式名称は「杉板本実(ほんざね)型枠コンクリート工法」といいます。なんだか長くて仰々しい名前ですが、無機質なコンクリートに木目という自然の美しさをプラスできる、とてもかっこ良くておしゃれな工法なんです。

今回はそんな「杉板本実型枠コンクリート工法」について詳しくご紹介していきます。エクステリアやガーデンに取り入れると、ワンランクアップ間違いなしのこの工法!新築計画中の方やエクステリア・ガーデンをリフォームしようとお考えの方は、ぜひご覧くださいね。

【もくじ】
【① 杉板本実(ほんざね)型枠コンクリート工法とは】
【② 杉板本実(ほんざね)型枠コンクリート工法を使った有名建築】
【③ 杉板本実(ほんざね)型枠コンクリート工法の現場の様子と施工実例】
【④ まとめ】

【① 杉板本実(ほんざね)型枠コンクリート工法とは】

「杉板本実型枠コンクリート工法」とは、木目を美しく浮き上がらせる浮造り(うづくり)加工※1をした杉板の側面に本実(ほんざね)加工※2を施し、それらを結合して所定の大きさの型枠を作りコンクリートの型枠とするもので、その型枠を外すとコンクリートの表面に味のある木目模様が付くというものです。

※1 浮造り加工…木材表面の凸凹を浮き立たせる表面加工のこと。木材の表面をブラシや機械で削ることで、木材の柔らかい部分が凹み固い部分を残し木目の凹凸を強調する技術。床などの建材の化粧仕上げとして用いられています。古い寺社仏閣などを訪れた際に靴を脱いで板の間を歩くと足の裏に木目が気持ちよく感じ取ることができますよね?そのような年月により自然と出た板の凸凹部分を「浮造りがかった」と表現するそう。

※2 本実加工…板材の側面に凸型と凹型の加工を施し、2枚の板材をピッタリと結合させるための技法です。フローリング材なんかにも使われている加工方法です。

また、一度型枠に使用した杉板はコンクリートなどが付着してしまうので再利用することができないんです。たった1回の為に仕上げ材に使うような加工を施した杉板を組み立てて型枠にする、これが「杉板本実型枠コンクリート工法」なんです。型枠を作り上げるだけでも大変な訳ですが、この型枠を外して表面の美しい仕上がりを見ると、掛けた手間や苦労がどこかへ飛んで行ってしまうくらいです!

無機質なコンクリートに木目を付けることができるカッコ良くておしゃれな工法と聞くと、最近できた技術なのかな…と思いがちですが、実は結構古くからある工法。型枠に使用されているコンパネが今よりも普及していなかった時代には、木材のバラ板を型枠にしてコンクリートを打設していたそう。ですので、昔からある工法が洗練されて現代にリバイバルしてきたというのが「杉板本実型枠コンクリート工法」と言えるかもしれません。

【② 杉板本実(ほんざね)型枠コンクリート工法を使った有名建築】

杉板本実型枠コンクリート工法を使った建物やエクステリアは、注意深く街を歩けば見つけることができます。でも、もっと大きな面積を大迫力で見てみたい場合には有名建築物を見学に行ってみることをお勧めします。

【②-1 広島平和記念資料館】

2006年に戦後の建築物としては初めて国の重要文化財に指定されたこちらの資料館は、建築家の丹下健三氏が設計し1955年に竣工しました。行ったことがあるという方も多いとは思いますが、コンクリート表面の仕上げまで詳しく見ていた方は少ないのでは!?1階ピロティ―の曲面柱に杉板本実型枠が使われています。曲面に杉板本実型枠って難しいんじゃないの?と思われた方はとてもするどいですね。実は板を横に組み上げていくのではなく、縦向きに並べて組むことで曲面状の型枠を可能にしています。

【②-2 清水建設本社ビル】

東京の京橋に2012年にできた清水建設本社ビルにも杉板本実型枠コンクリート工法が使われています。ピロティ柱やエントランス内の壁面には杉板の木目が精巧に転写されています。それもそのはず、2万枚の加工木材を1枚1枚検品したそうです!本実加工にもひと手間を加え杉板1枚ごとに段差を設けています。この段差が意匠的な美しさと水切りという実用性もプラスしているとのこと。機会があればぜひ見に行ってみてくださいね!

【③ 杉板本実型枠コンクリート工法の現場の様子と施工実例】


ここからは、アルテデザインガーデンの実際の施工現場で杉板本実型枠コンクリート工法が出来上がる様子をご紹介したいと思います。

こちらは、アンティーク雑貨やヴィンテージ家具が並ぶ香川県高松市の「mason de stuffmarket」さん。ゲストハウスとしても利用できるこちらの建物のエクステリアリノベーションを行うことになりました。杉板本実型枠のコンクリート壁と大きなガラス窓、錆がかっこいいコールテン鋼の扉という3つの素材がうまく組み合わさった非日常感たっぷりの建物に、プライベート感をプラスしたいというのがこの計画の始まり。建物コンセプトを引き継ぎ、エクステリアでも本実杉板型枠のコンクリート壁を設置して隠れ家のような雰囲気を演出することにしました。

こちらが所定の高さまで型枠をくみ上げた様子。中をのぞくと…浮造り加工が美しい杉板が並んでいることがよくわかりますよね。この向かい合う型枠の中にコンクリートを流し込むのですが、その際に「側圧」といって外側に膨らもうとする力が何トンもかかってきます。この圧力に負けないように、セパレーターと呼ばれる金物を仕込んだり外から斜めにつっかえ棒を建てたりしています。

型枠を外してすぐの様子がこちら。まだ少し湿気があるので少し色が濃く見えているかもしれませんが杉板の木目がコンクリートにきれいに転写され、表情が生まれているのがよくわかります!先ほどの説明にもあったセパレーターと呼ばれる金具もまだ付いたままの状態です。この金具は後ほど取り外しモルタルを詰めます。コンクリートの壁を見ると必ずある等間隔の丸、通称「セパ穴」がこれですね。

壁ができた後に、フローティングステップ(浮いたように見える階段)を造り植木を植えて完成したのがこちら!ライトに照らし出される様子は最初に掲げたコンセプト通り、まるで隠れ家のよう。ドアを開けた先に広がるハイグレードな空間への期待感をより一層高めてくれています。

 

【③ まとめ】

いかがでしたでしょうか。

杉板本実型枠コンクリート工法で作られた壁はそれだけでももちろん魅力たっぷりなのですが、ウッドやタイル、植物のグリーンなど他の素材感やカラーとの組み合わせも楽しむことができますよ。アルテデザインガーデンでは、造る壁の高さ・長さなどのボリューム感や他の素材とのコンビネーションを工夫して、オンリーワンデザインを生み出していきたいと考えています。

 

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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行

ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画など、デザイン性を伴う作品を得意とする。

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