【フローティングステップ】浮き階段でエクステリアを上質に魅せよう!
たくさんの家が建ち並ぶ住宅街を何の気なしに歩いていると、
「あれ?この家なんかおしゃれだな」
「他所とは違う雰囲気でセンスがあるな」
と思うことはありませんか?そんな風に感じさせる住宅の多くは、植わっている植物の組み合わせや素材の色の合わせ方、ディティール(細かい部分)の意匠設計など細かい部分にまでデザイナーの意図を感じさせてくれるものです。
シンプルでありながらもこだわりを表現するアルテデザインガーデンでも、一邸一邸時間をかけ、普通の人ならそんな些細な事…と見逃しそうな部分までデザインを行っています。
今回はアルテデザインガーデンの外構空間をより上質に魅せる為のデザイン手法の中から「フローティングステップ(浮き階段)」についてご紹介します。エクステリアやガーデンに取り入れると、おしゃれで上質な空間に一気に様変わりしますよ。
新築計画中の方やエクステリア・ガーデンをリフォームしようとお考えの方は、ぜひ最後までご覧くださいね。
【もくじ】
【① フローティングステップ(浮き階段)とは】
【② フローティングステップ(浮き階段)を使った施工事例】
【③ まとめ】
【① フローティングステップ(浮き階段)とは】
フローティングステップ(浮き階段)とは、階段に深い蹴込み(けこみ)を作ることで1段1段がまるで浮いているかのように見せる階段のこと。文章だけではイメージが湧かないよ!という方は下の図をご覧ください。
左側の図は一般的な階段を模式図的に示したもので、右側がフローティングステップの模式図です。
階段の段になっている部分を奥に凹ませることで蹴込み(けこみ)と呼ばれる空間が出現しているのが分かると思います。この蹴込が立体感や明暗を生み出し、普通の階段をおしゃれでこだわりの空間へと変化させてくれるんです!
蹴込みをどれだけ凹ませるのか、また踏板の厚みや素材をどうするのかによって一口にフローティングステップといっても生み出す効果は様々です。エクステリアやガーデン全体のコンセプトやデザインに合わせた寸法設定や素材選びが重要となってきます。
【② フローティングステップ(浮き階段)を使った施工事例】
さて、ここからはアルテデザインガーデンがデザインしたお宅の完成写真をいくつかご紹介していきます。選ぶ素材や照明の有無による見え方の違いや階段以外の場所にフローティングを取り入れた事例もありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【②-1 フローティングステップとライティング】
フローティングステップを取り入れたことによるメリットを最大限に生かせるのがライティングかもしれません。
踏板(図1参照)の裏側にバー状のライトを仕込むことで、ステップに明暗ができてフローティング感が一気にアップしますよね。段差が明確になるという安全面でのメリットも見逃せません。
シャッターゲートに配した2つのブラケットライトとフローティング部分のライトが印象的なこちらのお宅は、実は高低差が無くフラットに玄関まで行くことができるという敷地条件でした。
しかし、リゾート風の邸宅感を演出する為にはフローティングステップとバーライトが必要と判断し、あえて段差を設けたのです。照明をどこに何個付けるのかは全体の印象を決める大切なプロセスなんです。
【②-2 階段以外の場所をフローティング】
フローティングステップや浮き階段という名称で呼ばれているので階段にしか使えない手法なのかと思われがちですが、実はその用途は様々なんです。
例えばこちらのお宅では、大面積のタイルテラスの縁を大胆に浮かせています。
一般的な階段よりも高さがあるので、踏板(図1参照)の厚みをしっかりと確保し程よいバランス感を演出。踏板と蹴込板の素材はそれぞれグレーのタイル、打ち放しコンクリートの組み合わせとし、その他の素材もグレー系で統一することで無駄のない近代的なデザインを表現しています。
こちらは植栽スペースの縁をフローティング仕立てとし、まるで全体が大きなオブジェかと思わせるような意匠としています。ただ単にかさ上げをして植物を植えるだけでは得られなかった効果と価値が、フローティングによって生み出すことができました。
【②-3 階段の形状・素材とフローティング】
フローティングステップを設置する際には、その形と素材選びがとっても重要。全体のデザインのポイントとなりますので、バランスをしっかりと考えるようにしましょう。
正方形が重なったように見えるステップを採用したのは、シックなタイル門柱がポイントのこのお宅。門柱を主役として引き立てる為にステップは淡いグレー色のタイルとノイズの無い形状で控えめに。
こちらは一直線に伸びるデザインが都会的。階段とアプローチを兼用しフローティング仕立てとしています。
素材はアーバンデザインの代表とも言えるコンクリートを採用し、できる限りノイズを省いたデザインとしています。アガベやオージープランツの樹木の緑が、建物とエクステリアをより引き立ててくれています。
【②-4 フローティングの下もしっかりとデザインを】
蹴込みを凹ませることによってできる空間、その新たに生まれた空間にもしっかりと手を加えましょう。②-1でご紹介したライティングがその代表格ですが、照明を仕込む以外にもいくつかの方法があります。
握りこぶし大のゴロタ石と砂利をナチュラルに組み合わせ、奥行き感を演出しています。近くに何本かの低木や下草を植えることで、ステップにふんわりと植物が重なりより浮遊感を表現することができます。
こちらは淡いグレーの栗石を敷き込んでいます。昼間は風景に馴染んでいる栗石ですが、夜に電球色のライトに照らされると白っぽく浮き立ってくるのが不思議。海外の邸宅を思わせるデザインというコンセプトにもぴったりです。
さらに蹴込み板(図1参照)には美しい木目のボード材を採用。見えにくい部分にもしっかりとこだわりを忍ばせていますよ。
【③ まとめ】
いかがでしたでしょうか。
作りなれた料理に新しく買ってきた本格スパイスを一振りするだけで、味が急に整い「お店の味みたいになった!!」と嬉しくなったこと、皆さん経験があるのではないでしょうか?
今回ご紹介した「フローティングステップ(浮き階段)」はそんなスパイスのような役割なのかなと考えています。無くてもまぁ役割は果たしてくれている…でもなんだか物足りない…という時に今回ご紹介した「フローティングステップ」という本格スパイスを思い出してみてくださいね。
それにスパイスはひとつだけではありません。2・3種類の調味料をバランスを考えて取り入れることで、一邸一邸違った味わいのこだわり外構が出来上がるんです。アルテデザインガーデンに他にどんな隠し味があるのか気になる方は、サイト内のWORKSやインスタグラムものぞいてみてくださいね。
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【 Profile 】
アルテデザインガーデン株式会社
代表 栗林 宏行
ガーデン・エクステリアの設計施工の専門店【アルテデザインガーデン】代表。
これまで5000件以上の案件の設計を手掛けてきた経験から、トレンドに流されない本質を極めたデザインを提案するためADG Arte Design Gardenを設立 。香川県高松市を拠点に、大阪・兵庫・京都・徳島など他府県の物件も多数手掛た実績を持つ。一般住宅の外構・庭デザインを中心に商業施設ガーデンスペース・公園・街並み計画など、デザイン性を伴う作品を得意とする。